スコアリングとは? リードスコアリングの重要性と実施方法
営業活動はアプローチの優先順位を見極め、効率的かつ効果的に行う必要があります。アプローチの優先順位を正しく見極めるためには、成約に至るリード(見込み顧客)を適切に判断することが重要です。
スコアリングという手法を用いれば、リードの属性や行動から見込み度合いを判断し、購入意欲の高いリードを見分けることが可能です。
そこで本記事では、マーケティングオートメーションを活用したスコアリングの基礎知識と重要性、設計のポイントなどをまとめて解説します。
目次[非表示]
- 1.スコアリングとは
- 2.スコアリングが重要視される理由
- 3.スコアリングの活用方法
- 3.1.①デフォルトの設定から始める
- 3.2.②スコアリングの計算期間を調整する
- 3.3.③スコアに加点する行動を決定する
- 3.4.④フィルタ機能を活用する
- 3.5.⑤加点対象を設定する
- 4.スコアリングの注意点
- 5.まとめ
スコアリングとは
スコアリングとは、あらかじめ定義した基準に基づき、リードの属性や行動を点数化しホットリード(購入意欲の高い見込み顧客)か判断するための評価手法です。
スコアリングの点数が低い場合はリードの見込み度合いが低く、高ければ見込み度合いが高いと判断できます。
スコアリングを効果的に行うには、マーケティングオートメーションを活用することがポイントです。Webサイトへのアクセス頻度をはじめ、メール配信のクリック数、特定ページへのアクセスなどを評価の軸に加えることができます。
スコアリングが重要視される理由
スコアリングが重要視される理由の一つに、リードへのアプローチのタイミングを可視化できることが挙げられます。
スコアリングを行うことにより、膨大な顧客データからリードの購買行動を察知して適切なタイミングでアプローチを実施できるようになります。
また、ツールを用いたスコアリングを行えば、蓄積されるデータの管理にかかる労力を削減できます。確度の高い顧客を逃さないためにも、顧客の見込み度合いを見極めるスコアリングの活用が重要です。
スコアリングの活用方法
スコアリングの重要性を理解したうえで、次にマーケティングオートメーションを使用したスコアリングの具体的な活用方法を見ていきましょう。
ここでは点数の振り分け方やフィルタ機能の使用について、5つのステップに分けてご紹介します。
①デフォルトの設定から始める
マーケティングオートメーションでスコアリングを実施する際に必要となるのが、「どのような行動に点数をいくら割り振るか」というデフォルトの設定です。
導入するマーケティングオートメーションによっては、あらかじめスコアリングが初期設定されていることがあります。
初めて導入する場合は、このデフォルトの設定で運用してみることで自社に合ったスコアリング設定を把握しやすくなります。スコアリングの運用経験があり、スコアリング設定が決まっている場合は自社独自のルールでスコアリングを設定しましょう。
②スコアリングの計算期間を調整する
精度の高いスコアリングを行うために計算期間を設定します。この設定は同じスコアの顧客でも1週間かかったのか、1ヶ月かかったのかによって見込み度合いに差が生じるためです。
リードの行動を素早くキャッチするためには、短いスパンでスコアの計算期間を設定するのが有効です。計算期間を短く設定することにより、短期間で高スコアに至ったリードを捉えられ、スコアリングの精度を高められます。
③スコアに加点する行動を決定する
スコアリングの設計では、どのような行動をスコアに加点するのかを検討し、決定する必要があります。
▼スコアに加点する行動の例
- メールマガジンの開封
- 料金表の確認
- 導入事例の確認
- サンプルやトライアルの請求
また、スコアに関係なく顧客対応が必要となる資料請求やホームページからの問合せについては、スコア加点の対象から除外するのも一つの手段です。
④フィルタ機能を活用する
マーケティングオートメーションのフィルタ機能を使えば、スコアの高さや属性によるリードの抽出が可能です。
なかには、営業担当者にメールでその一覧情報を届けてくれる通知機能が備わったツールもあります。
⑤加点対象を設定する
スコアリング機能で抽出したリードに営業アプローチを実施することで、購買行動と成約率の関係性を把握できます。
▼導き出せる相関関係の例
導入事例の紹介ページを多く閲覧したリードは料金ページで離脱したリードよりも検討期間が短く、成約率が高い
このようなケースでは、導入事例の紹介ページの閲覧に対するスコアの加点を高く設定します。加点と減点の対象を分かりやすく設定することで、より正確なスコアリングにつながります。
スコアリングの注意点
スコアリングの実施前には、注意点についても把握しておくことが大切です。スコアリングにおいて注意したいポイントは2つあります。
①リードの行動すべてをスコアリングする必要はない
1つ目は、すべての行動を点数化する必要はないということです。来店や問合せフォームから連絡をしてくる顧客は自身の課題や要望がはっきりしているため、すでに見込み度合いが高まっている状態といえます。
要望や課題に応じた自社商材を提案すれば成約につながる可能性が高いため、スコアリングによって見込み度合いを判断する必要がありません。問合せがあった時点から期間を空けず、早期のフォローを行うほうが効果的です。
②高スコアの行動だけで判断しない
2つ目は、スコアの高い行動だけを基にした判断を行わないようにすることです。
リードの行動が高スコアにあたる場合でも、必ずしも住宅やサービスの購入につながるとは限りません。場合によっては、過去に関心があり高スコアになったものの、現在は関心が薄くなっていることもあります。
スコアリングの点数だけで判断するのではなく、顧客の行動がどのタイミングで行われたのかをチェックすることが大切です。
まとめ
スコアリングによってリードの行動を数値化することで、確度の高いリードを逃さず、適切なアプローチができるようになります。
スコアリングを実施する際はスコアの高さだけに左右されず、どのタイミングで高スコアの行動に至ったかを把握することが重要です。
効果的なスコアリングのためにはツールの活用が欠かせません。工務店・ビルダーの営業の成果を高めるために、ツールを活用した精度の高いスコアリングを実施してみてはいかがでしょうか。