マーケティング

顧客ニーズはどう変化してる? これからの住宅業界に必要なマーケティングを考える

近年、住宅業界は大きな変化の時期に差しかかっています。

ハウスメーカーや工務店が生き残るために必要なのは、時代に即したアプローチをすることでしょう。


消費者ニーズの変化やインターネットの普及、インバウンド事業の参入などで住宅業界の流れは変化しています。

変化に合わせて、従来のマーケティングを見直し、新たなサービスや取り組みへと視野を広げることは、企業の成長のために重要といえます。


本記事では、今後予想される住宅市場の動向や、ハウスメーカー・工務店が取り組むべきマーケティング手法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.住宅業界における顧客ニーズはどう変わっている?
  2. 2.住宅業界のマーケティング課題とは
  3. 3.大切なのは企業の「らしさ」を伝えること
  4. 4.インターネットマーケティングの重要性
  5. 5.まとめ

住宅業界における顧客ニーズはどう変わっている?

住宅業界の大きな変化は、顧客ニーズが変化していることの影響ともいえます。

顧客ニーズが大きく変わった理由としては、家族形態の変化が挙げられるでしょう。


かつては、祖父母と両親、子どもからなる三世帯家族で暮らせる住宅へのニーズが多かったのに対して、近年は単身者や核家族で暮らす住宅のニーズが増加しています。


また、住宅市場の動向としては、中古住宅をリノベーションして活用するといった取り組みも増えており、古民家再生による外国人観光客に向けた宿泊事業もますます拡大しています。

さらにはシェアハウス、ゲストハウスなど、他人とのつながりを重視する志向が強まり、建物に求める付加価値が変わってきています。


多くの不動産会社やハウスメーカー、リフォーム会社などもこれらの事業に参入し始めていることから、どのようにして競合相手との差別化を図るかが課題となるでしょう。


このように、住宅業界は顧客ニーズの変化にともない、大きな変化が表れています。住宅業界が取り組むべきことは、多様化する消費者のニーズを捉えた対応です。住宅そのものの価値だけでなく、その地域や人との交流が生まれるような方法で、建物設計を見直すことが重要といえるでしょう。

住宅業界のマーケティング課題とは

住宅業界の最も重要な課題といえるのが、“差別化”です。住宅そのものに独自性を生み出すという方法以外にも、企業のコンセプトや提案を競合相手と違うものにするなど、差別化にあたってはさまざまな方法があります。


しかし、中小企業においては、大手企業と比べて差別化が難しいという側面もあります。

たとえば、キッチンやトイレなど水回りの設備に関しては、安価なものと高価のものとで仕様に違いがあります。しかし、それらは競合相手でも同じ設備を仕入れられるため、設備による差別化は難しくなります。差別化を図るとすればオリジナル商品の開発が挙げられますが、中小企業の場合、予算や人材不足などの観点からもオリジナル商品を生み出すことは現実的に難しいといえます。


注文住宅を請け負うハウスメーカーや工務店においては、デザイン力や柔軟な対応が求められます。差別化を図るためには、まず消費者にサービスや商品の良さを知ってもらうことから始める必要があります。自社ホームページ上での宣伝だけではなく、その他メディアへの幅広い宣伝力が必要です。


中小企業の場合は大手企業と比べて知名度が低いため、企業名によるインターネットからの集客はしづらく、かけられる宣伝費用にも限界があります。


これからの住宅業界で競合相手と差別化して生き残るためには、従来の事業の枠にとらわれず、多方面な事業展開を視野に入れる必要があるでしょう。そのうえで、顧客ニーズに合わせた宣伝方法で競合に勝るアプローチをすることが重要です。

大切なのは企業の「らしさ」を伝えること

差別化が難しい住宅業界で顧客を獲得できる企業になるためには、自社のサービスや商品を一から見直し、ブランド構築をしていくことが大切です。


まずは誰をターゲットにし、どのようなサービスや商品で、ターゲットのどのような課題を解決できるのかを明確にしましょう。単に顧客の要望に応えられる企業というだけでは、差別化は難しくなります。顧客ニーズの一歩先を行き、理想とするライフスタイルまで提案できるような設計力、商品力が必要といえます。


そして、ブランド構築にあたって、“伝え方”が大きな鍵となります。自社の強みや独自性を消費者に伝えるためには、競合相手と同じような方法で宣伝するだけでは差別化は図れません。ターゲットとなる顧客にどのように伝えるか、興味を持ってもらえるかを考え、宣伝や広報にも力を注ぐことが重要です。

インターネットマーケティングの重要性

住宅業界のマーケティングを考えるうえで欠かせない要素といえるのが、インターネットマーケティングです。


近年では、インターネットの普及により、顧客は物件や住宅会社の情報を簡単に収集できるようになりました。そのため、新規顧客の獲得や見込み顧客へのアプローチには、Web媒体での訴求が必要不可欠となっています。


しかし、多くの住宅会社はすでに自社のサイトを運営していることも多く、不動産情報をまとめて見られるポータルサイトも普及しています。さまざまな情報が溢れているネット空間において競合相手と差別化を図るためには、いかに独自性をアピールし、ターゲットに接近できるかが重要といえます。


具体的な手法としては、自社サイトのデザインの強化や、ソーシャルメディアを活用したターゲットを限定した広告、SEOによる目的意識の高い顧客の獲得などが挙げられます。そのとき注意するべき点は、顧客視点で考えるということです。ブランド構築のためにという、顧客に寄り添わないアプローチでは、多様化している顧客ニーズには対応できません。


インターネットマーケティングの目的としては、顧客のニーズを明確化し、自社のブランド構築につなげること、そして継続的な成果を得ることです。従来のマーケティングでは成果を得られなくなったという企業は、インターネットマーケティングの導入も検討するべきといえるでしょう。

まとめ

顧客が住宅業界に求める商品やサービスは、ここ数年間で大きく変化しています。新築や中古住宅に対する印象の変化をはじめ、住むところに付加価値を求めている時代といえます。


住宅業界が今後求められるものは、このような多様化するニーズに柔軟に対応する姿勢です。建設会社であれば、新築の注文住宅に限らず、中古住宅ビジネスやライフスタイル産業、インテリア産業などの多角的なアプローチも視野に入れるような戦略も必要になってくるかもしれません。


そのうえで、ブランド構築や効率的な顧客獲得を目指したインターネットマーケティングにも注力することが必要不可欠といえます。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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