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工務店を成功に導く“住宅フランチャイズ”とは? メリット・デメリットを解説

中小規模の工務店では、「一から商品開発をするコストや人材を確保できない」「売るための販売ノウハウが足りない」という悩みを抱えているケースもあるのではないでしょうか。

こうした課題を解消する手段のひとつとして、“住宅フランチャイズ”が挙げられます。

本記事では、住宅フランチャイズの基礎知識や工務店がフランチャイズに加盟する際のメリット・デメリットを解説します。自社のみで戦略を立てるのが難しいという場合は、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.住宅フランチャイズの仕組みとは
  2. 2.住宅フランチャイズのメリット・デメリット
    1. 2.1.メリット
    2. 2.2.デメリット
  3. 3.パッケージをうまく使いこなせるかが重要
  4. 4.まとめ

住宅フランチャイズの仕組みとは

住宅フランチャイズとは、加盟店となる事業者がFC(フランチャイズ)本部の看板を使用して商品(住宅)やサービスを使用し、その対価としてロイヤリティをFC本部に支払う事業契約のことをいいます。

ブランド力のある大手ハウスメーカーなどがFC本部となり、地方工務店に住宅や販売ノウハウをパッケージ化して販売することで、ノウハウのない工務店でも安定したビジネスができる仕組みです。

加盟店としてフランチャイズ契約を結ぶと、その工務店はFC本部が開発した住宅を販売できるほか、FC本部のブランド力・設備・宣伝活動・営業ノウハウなどのバックアップを受けられます。

自社だけでは商品力や営業力に自信が無かった工務店でも、こうしたノウハウを最大限に活用できることが住宅フランチャイズの魅力といえます。

なお、住宅フランチャイズのロイヤリティには、売上に対する割合(%)で支払う“売上歩合方式”のほか、毎月決まった額を支払う“定額方式”などがあります。

住宅フランチャイズのメリット・デメリット

FC本部の知名度やノウハウを活用できる住宅フランチャイズは、工務店にとってさまざまなメリットがあります。ただし、なかには留意しておきたいデメリットもあるため、正しく理解しておきましょう。


メリット

住宅フランチャイズの加盟店になると、FC本部が開発した住宅の設計図や施工マニュアルを使用するため、ハウスメーカー並みの高品質な住宅を提供できるといわれています。

すでにブランド力のあるFC本部の看板を利用することで、お客さまからの信頼を得やすいことも大きな強みです。

また、FC本部がこれまで蓄積してきた経験・知見をもとに営業活動の指導を受けられるため、自社の人材育成やサービス品質の向上にも役立てられます。

販促のバックアップによって、自社だけでは実現が難しいビッグスケールでの顧客アプローチも可能になります。

使用する資材や建材もFC本部から直接仕入れるため、自社による仕入れの手間を無くし、効果的にコストダウンを図れます。

商品開発から営業、経営面までトータルサポートが受けられることで、大手ハウスメーカーにも引けを取らない住宅経営を実現できるでしょう。


デメリット

住宅フランチャイズは、基本的にFC本部が提供するパッケージのルールに沿って事業を進めます。

使用する資材・備品や、営業活動・広告の作り方まで指示どおりに実行する必要があるため、「企業の独自性が失われるのではないか」と不安になることもあるでしょう。

パッケージの内容や制約はFC本部によって異なるため、加盟店側の経営方針や、自社と考え方が合うものを選ぶことが大切です。

また、想定していた利益が得られなかった場合でも、FC本部に対してロイヤリティを支払う必要があります。

事業契約を結ぶ際は、得られる利益と予算を考慮したうえで、継続的な支払いが可能か慎重に判断しましょう。

なお、住宅フランチャイズはFC本部と加盟店の継続的な事業契約のため、契約解除や事業終了には一定の条件が設けられています。

契約終了後の“秘密保持義務”や、フランチャイズの引き継ぎによる“営業権の譲渡”などでトラブルが起きないよう、事前に契約内容を確認しておくことが重要です。

パッケージをうまく使いこなせるかが重要

住宅フランチャイズは、すでに確立された知名度やノウハウを活用できるという点で、工務店に大きなメリットが期待できます。

ただし、どれだけよい商品であっても、加盟店がそのパッケージをうまく使いこなせなければ、十分なメリットを得られない可能性もあります。

お客さまが住宅の購入に至るまでには、集客・商談・設計・資金計画などのさまざまなステップが存在します。そのため、いかに優れた商品でも、お客さまに選んでいただくには、営業による適切なアプローチが必要です。

住宅フランチャイズを選択するなら、FC本部より提供される商品の内容だけでなく、営業に必要なスキル・ノウハウを習得できるパッケージになっているかについても留意しましょう。

「住宅の商品力に自信がない」「営業における人材育成まで手が回らない」など、まずは自社の課題がどこにあるか洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。

課題に合ったフランチャイズ事業者を選定することが、住宅フランチャイズを成功に導く鍵となるでしょう。

まとめ

住宅フランチャイズでは、FC本部が持つ高品質な住宅やノウハウなどを、パッケージ化して活用できる魅力があります。

苦手な分野に応じて密着支援してくれる、サポート体制が整ったパートナーを選ぶことで自社の人材育成や営業レベルの向上も期待できます。

「自社で住宅を開発できるノウハウや資金がない」「営業レベルにばらつきがあり受注率が上がらない」という場合は、住宅フランチャイズの仕組みを正しく理解したうえで、検討してみてはいかがでしょうか。

住宅フランチャイズをご検討の方は、下記ページも併せてご参照ください。

ジョンソンパートナーズ



編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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