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次世代住宅ポイント制度を分かりやすく解説

2019年10月に消費税率が10%に引き上げられたことにより、増税対策として“次世代住宅ポイント制度”が開始されています。

住宅を新築する人やリフォームする人が対象になるため、住宅メーカーに関わる方であれば知っておくべき制度です。

今回は“次世代住宅ポイント制度”(2020年2月10日時点)の概要やポイントがどのように生かせるのかを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.そもそも次世代住宅ポイントとは?
    1. 1.1.消費者の需要を喚起するための制度
    2. 1.2.ポイントが付与されて商品と交換できる
    3. 1.3.次世代住宅ポイントの申請の流れと申請方法
  2. 2.次世代住宅ポイントを受け取れる対象者とは?
  3. 3.付与されるポイント数とは?
    1. 3.1.新築住宅
    2. 3.2.リフォーム
  4. 4.次世代住宅ポイントの申請・交換期間とは?
  5. 5.次世代住宅ポイントを把握して最新の情報をお客さまに届けよう

そもそも次世代住宅ポイントとは?

まずは、次世代住宅ポイントとは一体どのような制度なのかを把握しましょう。

消費者の需要を喚起するための制度

今回、消費税増税は軽減税率が導入されているため消費税が10%の商品と消費税8%の商品があります。住宅は軽減税率対象外のため、消費税が10%に引き上げられました。

住宅のように大きな金額の買い物の場合、消費者は増税分の負担が大きく感じることも事実です。そのため増税後も消費者の需要を喚起するために国土交通省が“住宅取得支援策”として始めた制度のひとつが次世代住宅ポイント制度です。

ポイントが付与されて商品と交換できる

次世代住宅ポイントで得たポイントは家電やインテリア、日用品雑貨や地場産品などの食料、介護用品、防災、ベビー用品など多くの生活用品と交換ができます。

多くの種類の商品のなかから選べるので、消費者には欲しい商品と交換できるメリットがあります。

次世代住宅ポイントの申請の流れと申請方法

次世代住宅ポイントの申請のタイミングは工事完了後に行います。ただし、条件によっては工事完了前でも申請することが可能です。

条件とは“新築の注文住宅” “新築分譲住宅の購入” “1,000万円以上のリフォーム”が該当します。販売開始前のポイント予約申請は分譲事業者が代理で行うことも可能でしたが、2019年の12月31日まででポイント予約申請は終了しています。住宅取得者自身での申請が必要です。

次世代住宅ポイントのホームページにて申請書が発行でき、申請方法も詳しく案内が載っているので確認しながら申請を進められます。次世代住宅ポイントを申請した後に、付与されたポイントで商品交換の申し込みができるようになります。

次世代住宅ポイントを受け取れる対象者とは?

次世代住宅ポイントは、消費税増税後に住宅づくりをした人全員が対象というわけではなく、条件をクリアした人のみがもらえる制度です。ポイントを受け取れる条件を確認していきましょう。

条件1. 住宅を新築または新築の分譲住宅を購入する人、もしくは所有している住宅を施工者に発注し、リフォームする人

購入する人自らが居住する住宅を購入したり、リフォームしたりすることが対象者の条件となります。

条件2. 一定以上の性能を満たしている住宅であること

購入する住宅によってポイント付与対象外となることもあります。一定の性能とは、エコ住宅・バリアフリー住宅・耐震住宅・長期優良住宅などが挙げられます。

条件3. 家事負担軽減設備の導入

住宅の性能だけでなく、家事の負担を軽くするような設備や省エネ機能のある設備を導入することでもポイントが付与されます。例えば食器洗い乾燥機や浴室乾燥機、宅配ボックスや掃除のしやすいレンジフードなど、取り入れると暮らしが楽になる製品や設備が対象です。

条件4. 消費税10%で制度適用期間内に住宅を取得する

消費税の増税が開始された2019年10月1日から次世代住宅ポイントの付与が開始されています。

締め切り日は現在未定ですが、遅くても2020年3月31日で終了予定となっています。期間までに住宅の取得が条件のため、期間中は住宅購入を検討しているお客さまの背中を押すための制度として紹介が可能です。

付与されるポイント数とは?

要件によって一戸あたりに付与されるポイントが異なります。ポイントの一部を見ていきましょう。

新築住宅

高い性能を有する住宅は最大35万ポイントとなっています。高い性能とは、ZEH・認定長期優良住宅・性能向上計画認定住宅・認定低炭素住宅を指します。

一定の性能を有する住宅の場合は、最大30万ポイントです。劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2以上・断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物等級3以上あるいは高齢者等配慮対策等級3以上が一定性能と認定されています。

リフォーム

  • ガラスや窓・ドアなどの交換:2,000~2万8,000ポイント
  • 太陽熱利用システム:2万4,000ポイント
  • 節水型トイレ:1万6,000ポイント
  • 宅配ボックス:1万ポイント
  • 浴室乾燥機:1万8,000ポイント
  • 高断熱浴槽:2万4,000ポイント

このように住宅の性能やリフォームの規模、設置する設備の性能によってポイント数が細かく設定されています。国土交通省次世代住宅ポイント事務局の公式ホームページや、設備を販売しているメーカーのホームページを確認すると詳しくポイントを知ることができます。

また、ポイント付与には新築住宅・リフォームそれぞれに一戸建てあたりに付与されるポイントに上限が設けられています。

新築住宅の上限は、最大35万ポイント。リフォームの上限は、最大30万~60万ポイントです。この上限についても案内ができるよう把握しておきましょう。

次世代住宅ポイントの申請・交換期間とは?

次世代住宅ポイントは増税を緩和するための制度のため、予算が定まっており今後長期にわたって適用されるものではありません。次世代住宅ポイントは遅くても2020年3月31日で終了となります。

予算の状況に応じて申請期限が異なるので、随時ホームページにて期限のチェックが必要になります。対象期間に準じて商品と交換できる申し込みの申請は、2020年6月30日が申し込み締め切り予定となっています。

期間内に申請や交換をしなければ、せっかく得られるポイントも消滅してしまうことが考えられます。ホームページを確認し、早めに申請やポイント交換することをおすすめしましょう。

次世代住宅ポイントを把握して最新の情報をお客さまに届けよう

次世代住宅ポイントは限られた期間で行われている制度のため、制度そのものを知らない場合や、制度をどのように活用すればよいのか分からないなど困惑するお客さまも多くいることも想定されます。

申請期限なども随時確認が必要なため、住宅メーカー側がリードして最新の情報をお客さまへ届けると、よりお客さまの信頼を得ることができそうです。お得な制度なので活用し、お客さまの購買意欲を高めるのもおすすめです。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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