邪魔な電柱は移せるの?移動方法や費用、移動できないケースについて解説
新築住宅の建築や建て替えなどを行う際に、電柱が邪魔になったり、妨げになったりするケースがあります。
敷地内にある電柱の場所によっては、駐車場・駐車場から玄関までのアプローチなどの設計が制限されたり、住宅への出入りや景観に支障が出たりすることもあります。
このような場合に、「電柱を移動できるのだろうか」「移動させたいときはどうしたらよいのだろう」と疑問を持つ工務店・ビルダーの方もいるのではないでしょうか。
施主や近隣住民とのトラブルを防ぐためにも、電柱の移動可否・費用について確認しておくことが重要です。
この記事では、住宅建築の際に邪魔になる電柱の移動方法や費用、移動できないケースについて解説します。
目次[非表示]
- 1.電柱を移動させる方法
- 1.1.電柱の移動が認められやすいケース
- 2.電柱の所有者を見分ける方法
- 3.電柱を移動する際に発生する費用と負担先は?
- 4.電柱を移動できないケース
- 4.1.住宅密集地
- 4.2.地下埋設物がある
- 4.3.移動距離が極端に短い
- 4.4.敷地内・私道から公道への移動
- 5.まとめ
電柱を移動させる方法
ケースによって異なりますが、基本的には電柱を移動させることは可能です。以下のケースでは、電柱の移動が認められやすくなります。
電柱の移動が認められやすいケース
- 道路から敷地内、敷地内から敷地内に移動させる
- 公道から公道に移動させる
住宅建築の際に電柱が邪魔になる場合は、電柱の所有者となる電力会社またはNTTに連絡して、電柱の移動を依頼します。
電力会社に連絡する際は、電柱のある場所(住所)または電柱番号(プレート)や移動したい理由、希望期日などを伝えます。
なお、電柱の所有者を見分ける方法は、以下のとおりです。
電柱の所有者を見分ける方法
電柱のプレート(番号札)の枚数 |
見分け方 |
1枚の場合 |
プレートに記載されている事業者名または、コーポレートマークのある会社が所有者 |
複数枚の場合 |
地域によって所有者のプレートを上下どちらに設置するか決まっているが、電柱によって異なるケースもあるため問合せが必要 |
電柱の移動場所によっては近隣住民とのトラブルに発展する可能性があるため、事前に近隣住民と十分に話し合って、了承を得ておくことが重要です。
電柱を移動する際に発生する費用と負担先は?
電柱の移動を依頼する際は、工事費用が発生します。土地の所有者が費用を負担するケースもあるため、事業者側と土地の所有者側のどちらが費用を負担するのか事前に決定しておく必要があります。
電柱の移動にかかる工事費用の相場は、15〜35万円程度です。移動先や工事内容によっては、電柱を所有する事業者側が費用を負担してくれるケースもあります。
ただし、電柱の移動ができるかどうかは敷地の状況や電柱ルート、所有者などによって異なるため、事前に確認することが重要です。
電柱を移動できないケース
電力会社またはNTTに電柱の移動を申し込んだとしても、必ずしも移動できるとは限りません。ここでは、電柱を移動できないケースについて解説します。
住宅密集地
場所によっては、電柱を移動できない可能性があります。
住宅密集地では、移動先を確保できなかったり、隣地との境界線が狭くて電柱を立てられなかったりするため、移動が困難です。また、隣人の承諾を得られずに移動できないといったケースも考えられます。
地下埋設物がある
地下に埋設物があることによって、電柱の移動が難しいケースがあります。
道路上に電柱を移動できるスペースがある場合でも、その地下には水道管やガス管、電力ケーブルなどが埋まっているケースもあります。そのため、移動先によっては電柱を立てることができません。
移動距離が極端に短い
移動距離が極端に短い場合、電柱を移動ができないことがあります。理由は、電柱を移動させる際の工程にあります。
電柱の移動工事では、先に新しい電柱を設置して、新しい電柱に電線を架け替えた後に古い電柱を抜くのが一般的です。そのため、電柱同士の距離が近いと、工事の際にぶつかったり、妨げになったりしてしまいます。
敷地内・私道から公道への移動
敷地内や私道にある電柱を公道に移動させる場合、自治体の意向で承認されないケースもあります。
公道に電柱を移動させるには、道路の使用許可が必要です。しかし、道路の安全性やバリアフリー化などの観点から、公道に電柱を移動することが認められないケースもあります。
まとめ
この記事では、住宅建築の妨げになる電柱の移動について、以下の項目を解説しました。
- 電柱を移動させる方法
- 電柱の移動費用と負担先
- 電柱を移動できないケース
電柱を移動させる際は、電柱を所有する電力会社かNTTに相談します。敷地や周辺環境の状況によって、電柱を移動できるかどうかが変わってくるため、設計前に電柱の所有者に確認しておくことが大切です。
また、工事内容によっては、依頼主が費用を負担しなければならない可能性があります。そのような場合には、施主へ十分な説明を行い、電柱を移動する必要があるか相談したうえで決断します。
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