工務店・ビルダーのメールマーケティングの効果測定に必要なKPIとは
工務店・ビルダーの集客や見込み顧客の育成に有効なマーケティング施策の一つにメールマーケティングがあります。
自社のマーケティングに活用しているという会社様も多いのではないでしょうか。
一方で、「メールマガジンの開封率を把握していない」「効果が期待できる時間帯が分からない」など、メールマーケティングを十分に活用できていないケースもあるかもしれません。
見込み顧客に対するメールマーケティングの有効性を図り、改善につなげるためには、指標となるKPIの設定が不可欠です。
今回は工務店・ビルダーにおけるメールマーケティングで効果測定を行う際に必要となるKPIについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.メールマーケティングの代表的なKPI
- 1.1.①配信数
- 1.2.②到達率
- 1.3.③開封率
- 1.4.④クリック率(CTR)
- 1.5.⑤CV(コンバージョン)数
- 2.効果測定の精度を高めるKPI
- 2.1.①解約率(オプトアウト率)
- 2.2.②メール滞在時間
- 2.3.③配信後のレスポンス
- 2.4.④費用対効果(ROI)
- 2.5.⑤30-Day Revenue
- 3.まとめ
メールマーケティングの代表的なKPI
メールマーケティングの代表的なKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)には、以下の5つが挙げられます。
①配信数
配信数とは、配信したメールの総数です。以下のような内容を測定し、顧客の反応を踏まえて配信数を設定します。
KPI |
測定内容 |
配信数 |
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配信数が十分でない場合は、必然的に問合せ件数やコンバージョン数が少なくなります。
また、配信数を増やすためには、営業活動や展示会などによってメールアドレスの獲得が必要です。
②到達率
到達率とは、配信メールが見込み顧客まで届いた割合を示します。メールアドレスが変更されていたり、迷惑メールに設定されていたりした場合は、配信したメールが届かないことがあります。
到達率をKPIで設定することで、メールマーケティングの有効性を測ることが可能です。
KPI |
測定内容 |
到達率 |
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メールが不達になる理由には、配信先のメールアドレスが間違っている、メール受信側の容量不足などが挙げられます。
見込み顧客のリストを定期的に見直し、不達のメールアドレスを配信リストから除外することも必要です。
③開封率
開封率とは、配信したメールがどれくらい開封されたかの割合を示します。
KPIの設定により、開封されやすいタイトルや配信時間などを分析できるようになります
KPI |
測定内容 |
開封率 |
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開封率の測定により、顧客に届きやすいメールの件名や時間帯・曜日などを把握し、その後のメールマガジン作成に活用することが可能です。
④クリック率(CTR)
クリック率とは、メールに記載したリンクをクリックした人の割合を示します。
工務店・ビルダーにおいては、自社の注文住宅のサイトや資料請求のページへの誘導リンクを記載するのが一般的です。
KPI |
測定内容 |
クリック率 |
|
KPIの設定により、クリックされやすいメール内のコンテンツや文言などの分析が可能です。クリック率が高いレイアウトを参考にして、リンクの位置や種類を改善できます。
⑤CV(コンバージョン)数
CVとは、メール配信によって得られた成果の数を示します。メールマーケティングにおける最終的な成果指標のことです。
工務店・ビルダーにおいては、問合せや来店予約、自社ホームページへのアクセスなどをCVとしてカウントできます。
KPI |
測定内容 |
CV数 |
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設定したKPIに対して、実際にどれくらいの成果が得られたかを把握できます。
CV数を高めるには、前段階となるメールの開封やクリック率などを向上させる必要があります。
効果測定の精度を高めるKPI
上記ではメールマーケティングの主なKPIを挙げましたが、効果検証の精度を高めるために取り入れるとよいKPIも存在します。
ここでは、マーケティング施策に役立つ5つのKPIを紹介します。
①解約率(オプトアウト率)
解約率とは、メール配信を停止した人の割合を示します。
KPI |
測定内容 |
解約率 |
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解約理由には「コンテンツの内容が期待したものと違った」「情報が不要になった」などさまざまなケースが考えられます。
配信数が増えても解約率が同時に増えている場合は、施策の見直しが必要です。
②メール滞在時間
メール滞在時間とは、メールを見ているときの滞在時間のことです。メール滞在時間をKPIとすることで、どの程度メールが読まれているのか、興味・関心度合いを測ることが可能です。
KPI |
測定内容 |
メール滞在時間 |
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メールを読む滞在時間を指標とすることで、以下のような人の行動を分析できるようになります。
- 未読の通知マークを消すために既読処理のみを行った
- 開封したものの、興味がなく閉じた
- 本文を読んだうえで閉じた
より精度の高い分析が可能になるため、「読んでもらえるメール」「興味を持ってもらえるコンテンツ」への改善策を講じられます。
③配信後のレスポンス
配信後のレスポンスとは、メール配信後から開封に至るまでの時間です。見込み顧客が配信後にどのくらいで開封に至ったかを測定します。
KPI |
測定内容 |
配信後の
レスポンス
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たとえコンテンツの内容が魅力的だったとしても、配信の時間帯によってはメールを読んでもらえないこともあります。
配信後のレスポンスを見直すことで、見込み顧客に応じた適切な配信時間を把握することが可能です。
④費用対効果(ROI)
費用対効果とは、メール配信にかかったコストに対して、どの程度の成果が得られたのかを表します。メール配信にかかるコストには、以下が挙げられます。
▼メール配信にかかるコスト
- メール配信サービス・システムの利用料金
- メール運用・分析などにかかる人件費
これらの費用を踏まえて以下の効果を測定します。
KPI |
測定内容 |
費用対効果 |
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⑤30-Day Revenue
30-Day Revenueとは、30日間でどのくらい利益を得られたかを示します。メールマーケティングは継続的に実施する施策のため、1ヶ月単位で測定すると平均的な効果を把握しやすくなります。
KPI |
測定内容 |
30-Day Revenue |
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十分な利益が得られなかった場合は、メールのリンク先のコンテンツを充実させる、メール配信者向けのキャンペーンを実施するなどの改善策を検討します。
まとめ
工務店・ビルダーのメールマーケティングの効果測定を適切に行うためには、KPIを用いた指標設定が重要です。今回紹介したKPIを以下にまとめました。
測定内容 |
KPI |
基本のKPI | |
配信数 |
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到達率 |
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開封率 |
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クリック率(CTR) |
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CV数 |
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効果測定の精度を高めるKPI | |
解約率 |
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メール滞在時間 |
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配信後の
レスポンス
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費用対効果 |
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30-Day Revenue |
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開封率やCV数、解約率などを測り、分析・改善を繰り返すことで、メールマーケティングの有効性が向上します。
また、中長期的に効果を出す施策を行うためには、PDCA(Plan Do Check Action)を続けていくことも必要です。
継続的にPDCAを回していくために、ツールやシステムの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。