住宅営業の基本!初期段階でお客様の心をつかむ『条件整理のコツと成功例』実際のトークやヒアリング方法は?
成約を達成するために避けて通れないのが条件整理です。条件整理とは、お客様の住宅に対する要望などを順序だてて交通整理をすることとお考えください。
特に初期段階の検討層の方は、漠然とした住宅取得希望で家づくりをスタートするので、工務店側がある程度の条件整理(道筋を引く)をしてあげないと話がいつまでたっても進まないのです。
条件整理をすることはお客様にとってはもちろんのこと工務店の皆さんにとっても話が前に進む重要なポイントであることは頭に入れておきましょう。
条件整理はこうして進める
①家づくりがどの段階にあるのかを確認する
「いつかマイホームが欲しいよね」
漠然とこう思ってる方に対して、プラン提案や見積もり提示を強要してもどんどんと相手は逃げていくだけです。エンジンが全く温まっていないお客様を導いていくには、いきなりトップギアにあげても話になりません。
②聞きたいことを確認する
「どんなことをお聞きになりたいのですか?」
このような問いかけからスタートすることになるのですが、初期段階のお客様の多くはこの質問に答えることはできません。計画自体が漠然としているところにこのような質問を投げかけられても、答えようがないからです。ですから、的を絞ってもっと具体的に質問していきましょう。
- 資金計画
- 耐震性
- アフターサービス
- 家づくりの手順
- 住宅会社の選び方
このようにいくらでも項目は出てきますが、ピンポイントで質問していくとお客様は答えやすいのです。
③優先順位をつけてあげる
お客様の要望をヒアリングしていくのですが、肝心なのはその優先順位です。誰しもがお金のことは気になりますし、デザイン性も良い方がいいに決まっています。
しかし、重要なのはこの2つを並べたときにどちらの優先度が高いかです。このように項目を並べて優先度を決め、お客様が気になることから順番に説明をしてあげてください。
押さえるべきポイントはこれだ!
条件整理に関するヒアリングを進める中で、鉄板ネタと言いますか万人にウケる内容があります。
「収納にはお困りではありませんか?」
この質問は投げかけてください。これに対して NOと答える人はまずいないと思いますので、 基本的には YES との返事が返ってくるでしょう。
しかし、これにもコツが存在します。前述した収納にお困りではありませんかとの質問ではあまりに大雑把すぎるのです。
「ホットプレートの置き場には困っていませんか?」
究極の絞り込みになりますが、端的にご説明するとこれが答えになります。このように具体的なアイテムを上げて、その収納に困っていないかどうかを確認してください。これを突破口にして話を広げていくのです。
※キッチンとは離れた食器棚に仕方なくホットプレートをしまっている事例
※取り出しにくく、しまいにくい
購入意欲を増加させるプラスアルファのコツ
奥さまと営業担当者で交わされた実際の会話を紹介しましょう。
営業「奥様ホットプレートをお持ちですか」 奥さま「はい、持っていますよ」 営業「置き場所に困っているでしょう」 奥さま「その通り!大きいし重いし場所を取るのよね」 |
この会話に全てが凝縮されています。
ホットプレートの所有有無を確認した後、営業担当者が「置き場所に困っているでしょう」と奥さまが答える前に推測で物をいい、 結果としてそれが的中しています。これが購入意欲を増加させるコツのひとつだとお考えください。
奥さまからすれば「この人はよくわかってるわよね!」となりテンションが上がるのです。しかしこのテクニックは決して難しくはありません。
賃貸住宅に住んでいてホットプレートを持ってる人が、的確な場所にそれを収納し満足している可能性は極めて低いと考えるのが普通だからです。つまり、ほぼ困っているだろうということを予測した上で先回りした発言をしているのです。
条件整理がうまくいったことで成約につながった成功例
誰もが知る超大企業があるのですが、この会社の系列会社にエンドユーザーと工務店の間に立つセカンドオピニオンを行っている企業があります。
私はご縁があってこの会社に半年ほどコンサルで入ったのですが、そのサービスを受けたお客様は何件も取材しました。皆さん大満足だったのですが、その中のお一人をご紹介しましょう。
私 お客様 私 お客様 私 |
大企業だからできたかもしれませんが、お客様のお困りごとや悩みを聞く前にあらかじめプログラムされたソフトがお客様から事前ヒアリングを行っているのです。
これをもとに建築士がさらに細かいヒアリングをして行くので、精度が増すのと同時に無駄な質問をする必要もなく、コイヒヤリングが可能となったのです。
まとめ
マイホーム検討初期段階では条件整理が大変重要。冒頭で私はこのように書きましたが、その理由がおわかりになったと思います。
工務店側は商談に関しての流れがあるわけですが、お客様の状況が異なるのにそのすべてに同じものさしを当てることはナンセンス極まりないことなのです。
お客様の状況を見極めてほしいのですが、初期の段階で条件整理をしてあげることがその後の商談をスムーズにさせる大きなポイントだと思ってください。
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