住宅営業ノウハウ

実例あり!住宅購入検討者にわかりやすい『自社の強みと特徴』の伝え方とは!?魅力が伝わる営業手法まとめ

今回のテーマは実にシンプルですが、多くの工務店ができていない究極の課題のひとつです。

ホームページを見ればすぐにわかりますが、社歴が長い、親子代々50年にわたって信頼を第一に、地域で200棟の実績、圧倒的な設計力…などの文言が並んでいます。

しかし、接客でこれらの文言が、心をわしづかみにするようなシーンはほとんど見かけません。もちろん、これらは会社の魅力の一部です。

何も間違ってはいませんが、何かが足りないのです。その理由は伝え方に問題をはらんでいるからです。

目次[非表示]

  1. 1.コンサルティング先で必ず行うアドバイス
  2. 2.その強みと特徴が本当にお客さんにとって響いているのか?
  3. 3.住宅購入検討者にわかりやすい強みと特徴の伝え方
  4. 4.他社との比較をどうやって伝えるべきか
  5. 5.まとめ

コンサルティング先で必ず行うアドバイス

会社の魅力や強みはいろいろあるでしょうが、肝心なのはそれを口頭で伝えるのか、何かを見せて説明するかの差です。

私はコンサルティングで必ずやることがあります。

それは会社の説明をアナログ的に紙に書いて紙芝居のように説明してもらうことです。例えば社歴が100年あることが、会社の売りとしてアピールしたいトップ項目だと仮定しましょう。

ホームページには目立つようにこの事が書いてありますし、展示場で対応に出た営業担当者も、これを口頭で話しているとしましょう。

しかし、私から言わせればこれではお客さんに半分程度しか伝わらないのです。
解決策はこれです。

営業

「弊社の会社説明をさせていただきたいのですが5分だけお話を聞いていただけないでしょうか」


お客様

「いいですよ」


営業

「こちらにお座りください」


流れは簡単です。このように着座していただいた後、ボードを使い紙芝居のように会社の説明をすればOKです。

実際の現場でこれを行うとどのような現象が起きると思いますか?ほぼすべてのお客様が素直に腰をかけてくれます。

展示場接客においてはお客様を着座誘導して、深い話をしようと営業は頑張るのですが、ただ着座を促すだけではお客様は簡単に座ってくれません。

ところが私がお話ししたトークを実際に行うと、びっくりするほど自然に座ってくれるのです。そして、写真をふんだんに使った資料で訴求すると、あなたが主張したいことがしっかりお客様に伝わります。

▼5分で話が終わるケースはほぼない

もう一つのメリットをお話ししましょう。
「5分だけお時間をください」こう話して着座していただくわけですが、 実際の現場を見ていると5分で話を切り上げるケースはあまりありません。

会社説明をする中で、目を引くような項目があると、それについてお客様と営業担当者とで何かしらの会話が発生するからです。

いかがでしょうか。だまされたと思って私のアドバイスを聞いてもらえれば、必ず効果が出ると断言いたします。

        
                    ※収納コンサルティングを強く推すウィザースホームHPより

その強みと特徴が本当にお客さんにとって響いているのか?

会社案内を作ってしっかりと説明すれば深い話になる可能性が高い、と私は書きましたが中身が面白くなければこのような展開にはなりません。

つまり、強みだと思っていることと、お客様が関心あるかどうかは全く別問題なのです。社歴が長いことは確かに強みですから、それなりにアピールすること自体は間違っていません。しかし、その受け止め方はお客様によって大きく変わるのです。

ですから、会社の強みとしてアピールしたい点をできれば10ポイント程度は作っていただき、それをお客様に説明してほしいのです。

ある会社の話をしましょう。この会社は100年以上の歴史があるので、 このことはもちろんお客様に強くアピールします。

その他のメリットとして女性の設計士が8割方を占めているので、奥さまの要望を的確に聞き取ることができることと、子ども部屋や寝室などをかわいらしいインテリアにする事に非常に長けています。

この他にもたくさんの利点があるのですが、あるお客様に対して社歴の話をしたところ、全くと言っていいほどの無反応でした。

反応がないと判断した担当者は話をすぐに切り上げて、女性設計士の顔写真がたくさん並んだ項目に話を飛ばしました。

すると、これに対して奥さまが強く反応したのです。

「女性の設計士さんが多いのですね。これはいい感じだわ。言っちゃ悪いけども、おじさんの設計士よりはお姉さんの設計士の方がかわいいクロスの基準なんかもすぐに理解してくれると思うし」

こんな会話を私は少し離れたところで直接聞いたのです。

住宅購入検討者にわかりやすい強みと特徴の伝え方

①模型
②写真
③映像

この3点を駆使してお客様に説明をしましょう。

あなたの会社の強みである耐震性を強く強調したいと仮定しましょうか。まず準備していただきたいのは模型です。住宅展示場の壁の一部をスケルトンにして中の構造を見ることができるようにすればこれはクリアできます。

次は写真が欲しいところ。構造を見てもらうだけでもよいのですが、現場で撮った写真やプレカット工場などで精密にカッティングしている場面をあらゆる角度で撮った写真があるとさらに説得力が増します。

そして最後は映像となります。プレカット工場から出荷され現場で職人さんたちがそれを組み立てていくシーンなどを動画でモニターに流してください。

いかがでしょうか。この3つを組み合わせて説明すれば、あなたの会社が構造に対してどれだけ注力し、かつ自信があるかということがわかりやすく伝わるでしょう。


                               ※住宅展示場に設置された模型

他社との比較をどうやって伝えるべきか

ある大手ハウスメーカーの実例をご紹介しましょう。

誰もが知っているハウスメーカーですが、私の友人が家を建て替えるときに、この会社の営業担当者とZoomを使って初回面談をしました。事前にこの情報を教えてくれたので、私は商談に立ち会って一部始終を見たのです。

もちろん私はカメラから外れてのぞき見をしていただけなのですが、担当の営業は自社がいかに優れているかということを、グラフや表を駆使して友人に説明したのです。

いろいろなポイントがあったのですが一点だけご紹介します。

【利害関係のない第三者のデータを使用する】

このときはリクルートが発表した大手ハウスメーカーをさまざまな点から比較したデータを使い説明をしたのです。

しかし、当然のことですが、使用するデータはこの会社が素晴らしいということを裏付けるような内容ばかりです。ポイントはリクルートという利害関係のない第三者が発表しているデータを使っていることにつきるでしょう。

例えばあなたの会社の標準天井高が2400mm だとします。

低くはありませんが他社と比較しても、ごく標準的な高さだと思いますので、天井の高い他の会社を見学した後にあなたの住宅展示場を見てしまうと「ちょっと低いよね」となり不利な状況に追い込まれることになります。

このときも理屈は同じで、利害関係のない第三者の意見を使用してください。ネットで調べれば、2400mmの天井高が日本人の暮らしにとっては妥当である、との文章がちゃんと出てきます。私が営業であればこのような資料を武器として揃え、お客様に自信を持って提示することでしょう。

まとめ

「私が勤めている住宅会社は素晴らしい!」 とあなたは心底思っていて、実際にもレベルの高い住宅会社であるとしましょう。

しかし、このことをお客様にうまく伝える営業力がなければ、全く意味がありません。

あなたが口角泡を飛ばして語ったとしても、その熱量がどれだけ伝わるかは全く別次元の話です。100のことを伝えたつもりでも、お客様にはその1割しか伝わっていないかもしれませんが、伝え方がうまいと9割の内容がお客さんの脳内にはっきりとインプットされるのです。

伝え方の重要性を認識しましょう。

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森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹
森住宅コンサルタント株式会社 森 雅樹
法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに入社 し戸建営業畑を歩む。退社後は東京都内の小規模工務店にて新築営業とリフォー ム営業に携わる。その後、住宅コンサルタントとして営業研修、講演活動、執筆 活動に入り今日に至る。とくに新卒~若手営業社員の力を伸ばすプログラムに注力し、WEBカメラなどを駆使して実際の接客シーンを分析する手法などで力を確実に伸ばすことを得意としている。

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