住宅営業ノウハウ

リモートワーク&おうち時間を充実させられる間取り提案とは

世界が新型コロナウイルスに見舞われてから2年という年月が経過し、世の中にリモート生活というものが定着してきました。

私の知り合いでもほとんど自宅で作業を続けているという人も多く、ある会社のサービスについてコールセンターへ問い合わせた際に対応してくれたオペレーターさんに、つい話し込んで聞いてみると「在宅で電話対応しています」とのことでした。

直接会わなくても話ができ、会社に行かなくても仕事ができることに気づいたこの生活スタイルは、アフターコロナになっても変わることはないでしょう。

私は仕事柄、日々たくさんの注文住宅や分譲住宅の間取りを目にしていますが、コロナ前と今とでは明らかに「在宅での仕事をどうするか」を考えた間取りが増えており、リモートコーナーを取り入れる住宅が増えてきました。

実際の商談現場でもリモートコーナーをどう提案するか、というレパートリーを持っておくと商談が弾みます。

ここではリモートコーナーを取り入れた間取りの例と、そのようなプランニングをする際の注意点を挙げていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.リビング併設型のリモートコーナー
    1. 1.1.タタミコーナーをリモートコーナーにした例
    2. 1.2.リビングを分割してリモートコーナーにした例
    3. 1.3.注意するポイント
  2. 2.2階ホール型
    1. 2.1.注意するポイント
  3. 3.主寝室併設型
    1. 3.1.2階主寝室にリモートコーナーを併設した例
  4. 4.リモートコーナーの背景にもこだわりを?

リビング併設型のリモートコーナー


タタミコーナーをリモートコーナーにした例

最も多いのは今まで和室やタタミコーナーとしていたスペースをリモートコーナーにしたものです。そもそも4畳ほどの「タタミコーナー」として設計されていたスペースは、格好のリモートコーナーとなります。

「明るいリビングでリモートワークをしながら、疲れたらテレビを見たりソファに腰掛けたり。元来リビングというのはその住まいの最も心地よいところに据えられるものですから、このような場所でのリモートワークは仕事もはかどりますよね…」という提案はいかがでしょう?

居室からリモートコーナーにすることで、新しい動線の検討ができるようにもなります。

こうしたリビングのリモートコーナーは子どもが自然に勉強する環境を育みます。


リビングを分割してリモートコーナーにした例

また、テレビ会議などのために他の部屋との独立性を高めたいというニーズもあります。20畳程度のリビングがとれる少し大きめの間取りだったら、4畳ほどをそのスペースにしてリビングとは扉で仕切るというプランも見かけます。

少し広いリビングなら分割してリモートコーナーに。小さい部屋なので暗くならないよう開口部の配置がポイントです。

注意するポイント

独立したリモートコーナーを作る場合、単に仕切ってしまうと暗いスペースになってしまいます。高い所に十分な採光が取れる窓を配置し、眺めが悪くない箇所を選んで大きな窓を配置するとよいでしょう。

また和室やタタミコーナーがリモートコーナーになったことで、今までにない動線のプランニングが可能になりました。

例えば、「階段」は今まで「リビング+和室」といった居室の外側に配置するのが普通でした。

しかし和室やタタミコーナーをリモートコーナーにすることで、その横を通り抜ける動線をつくることが可能になったのです。これをうまく使えば今までにない2階の部屋の配置を作ることができます。

2階ホール型

階段の踊り場を少し広くとってリモートコーナーとする間取りも見かけます。

ここで気をつけないといけないのは、日当たりの良い位置にある階段の踊り場を選ぶということです。

北側の階段でこのような設計をすると、冬場は寒くてここで仕事をしようという気になかなかなりません。気持ちよく仕事ができるよう日当たりの良い場所を提案すると納得感を得られるでしょう。

また、階段を上がった2階のホールにリモートコーナーを設ける間取りは、実は昔からありましたが、最近の分譲住宅には「リモートコーナー完備」という謳い文句とともによく見かけるようになりました。


注意するポイント

2階の清々した空間で静かに仕事ができるという半面、1階から2階へ上がる通路や吹き抜けに面する場合は風通りがよく、暖房機器を備えていないことがあるので、冬場は寒くて落ち着かないということがあります。断熱仕様や暖房器具の配置をよく考えて提案しましょう。

主寝室併設型


2階主寝室にリモートコーナーを併設した例

2階の主寝室に書斎を併設するという間取りは昔からありましたが、多くは部屋の北側クローゼットの横に2畳ほどのスペースを書斎にするというものでした。

角に配置して開口部を配慮すればこれも明るい書斎になりますが、最近はバルコニーに面した明るい場所に配置する間取りも増えているようです。これならテレビ会議も周りを気にせずできますね。

リモートコーナーの背景にもこだわりを?

リモートコーナーの配置という点でしたが、もう一つ言うとリモートコーナーを設けるのであれば「背景」にもこだわりたいところです。

Zoomなどのテレビ会議で家の中が映り込む場合、ビニールクロスの白い壁しか映らないというのも背景として寂しいものです。

机の反対側、パソコンのカメラに映り込む壁は飾り棚や木目調の家具など一味違ったインテリアを配置してほかの参加者の目をひきたいですね。

パソコンのカメラから何が映り込むか?ということも考えて、プランニングを提案するとよいでしょう。

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松田健
松田健
株式会社ホームプランニング1000代表取締役。大手住宅会社勤務時代に自ら描き上げた1000件を超える間取りデータベースを基にオリジナルのプラン提案ツールを開発。建築をしらない若い営業でも簡単に間取り提案ができるよう全国で研修・セミナーを行う。

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