工務店の営業は“顧客育成”が鍵! 適切なフォローで受注率アップを狙う方法
住宅の購入は、数社の提案を聞きながら慎重に検討を重ねるため、成約に至るまでの期間が長期化しやすいという特徴があります。
ときには、「一度商談をしたけれど成約に至らなかった」「問合せをもらったけれど次に進まなかった」といったケースもあるのではないでしょうか。
新規顧客へのアプローチに力を入れていても成約に結び付かないという場合、見込み顧客に適切なフォローができていない可能性が考えられます。
注文住宅の受注率をアップするには、顧客の検討段階に応じたアプローチを通して、優良顧客へと育成することも大切です。
本記事では、工務店における“顧客育成”について解説します。
目次[非表示]
- 1.顧客育成とは
- 2.見込み顧客獲得からクロージングまでの3ステップ
- 2.1.1.見込み顧客の獲得
- 2.2.2.育成
- 2.3.3.クロージング
- 3.工務店で顧客育成を行う方法
- 3.1.新規顧客へのお礼・DM
- 3.2.長期顧客へのDM・メール配信
- 3.3.OB顧客へのフォロー
- 4.まとめ
顧客育成とは
顧客育成とは、見込み顧客に対する中長期的なアプローチを通して、自社やサービスへの関心を高めるための施策です。
顧客は、各社の施工事例やサービス内容などさまざまな情報を入手して比較・検討を重ね、数ある工務店・ハウスメーカーから一社を選択します。
この段階で情報発信やアプローチをしなければ、忘れられてしまうという可能性も出てきます。一度接点を持った顧客の離反を防ぎ、自社への好意や理解を深めてもらうことは、受注率アップに欠かせない施策です。
たとえ、「展示場に来てもらったけれど反響がない」「一度商談したけれど成約につながらなかった」といった場合でも、アプローチを中断するのは早計な可能性があります。繰り返し接点を持つことで、自社を印象付け、信頼関係を構築できることもあります。
つまり、一度接点を持てれば、その後のフォロー次第で受注につながる可能性を高められるのです。
このように、見込み顧客に適切な情報発信を続けて、自社を選んでもらうまでのアプローチが顧客育成となります。
見込み顧客獲得からクロージングまでの3ステップ
見込み顧客を育成して成約につなげるまでのステップは大きく分けて3つです。
それぞれ段階的なフォローが必要になるため、流れをおさらいしておきましょう。
1.見込み顧客の獲得
まず、住宅購入の可能性が高い人や自社のサービスに興味を持っている人など、これから顧客になり得る人=“見込み顧客”を獲得します。
見込み顧客を獲得するためには、以下のような方法があります。
- Webサイトに資料ダウンロードフォームを設置して顧客情報を取得する
- 住宅展示場の受付に来場者名簿を設置して顧客情報を取得する
ここで注意したいのは、顧客情報の取得経路によって顧客の検討段階が異なるという点です。Webサイトから資料をダウンロードした人と、実際に住宅展示場に訪れた人とでは、興味・関心の度合いが異なります。
関心の度合いが異なれば、アプローチの内容や方法も変わるため、獲得した見込み顧客は検討段階に応じて分類する必要があります。
たとえば、Webサイトから資料請求があった人を“Lead(リード)層”、店舗への来店予約や直接訪問があった人には、受注が濃厚な“Hot(ホット)層”といったように分類できます。
見込み顧客を検討段階ごとに分類することで、より最適なアプローチが可能となります。
顧客がどの段階に属しているかを把握できるような情報管理体制も併せて構築しておきましょう。
2.育成
見込み顧客を獲得したあとは、最適なタイミング・頻度でアプローチしていきます。
注意したいのは、まだ検討段階にあるリード層に対して決断を急がせないという点です。
リード層へアプローチする際は、信頼関係を構築することが大切です。定期的に住宅に関するお役立ち情報を提供したり、自社を深く知ってもらうためのDM(ダイレクトメール)やニュースレターを配信したりするなど、中長期的に丁寧なフォローを行いましょう。
住宅営業では、受注確度の高いホットリード層ばかりに注力しがちですが、リード層へのアプローチは受注件数やターゲットとなる顧客母数を増やす重要な取組みとなります。
3.クロージング
顧客との関係性が深まり、対面での商談につなげられたあとは、ようやく受注契約に向けたクロージングへと進みます。クロージングとは、自社やサービスに対する不安や疑問を払拭して、顧客に最終的な意思決定を促す営業プロセスです。
クロージングを成功させるためには、顧客育成期間中いかに信頼関係を構築できるかがポイント。信頼関係が構築できていれば、商談時の大きなアドバンテージになります。
また、クロージングで成約に至っても終わりではありません。顧客育成から成約までの流れを分析して課題や改善点を見つけましょう。成約に至らなかった場合のフォローも重要です。顧客が決定できなかった理由を分析し、次回の商談につなげましょう。
工務店で顧客育成を行う方法
ここからは、顧客育成を行うための具体的な方法を3つ紹介します。
新規顧客へのお礼・DM
住宅展示場への来場や実店舗への問合せなど、顧客が実際の行動に移している場合は、自社への関心・興味が高まっている状態です。商談につながる可能性が高いため、積極的にアプローチをする必要があります。来場のお礼やDMを送るなど、商談につなげるためのフォローを実施して成約を目指しましょう。
長期顧客へのDM・メール配信
接点を持ったものの成約には至らない顧客は、中長期的なアプローチで育成を図る必要があります。顧客にとって有益な情報を掲載したニュースレターやメール、チラシ、DMを定期的に送付することで、自社を印象づけましょう。
ただし、顧客のニーズを考慮せず、一方的にアプローチしてしまうのはNGです。長期顧客へアプローチする際は、顧客の検討段階に合わせて、顧客が知りたいであろう内容を検討しましょう。
OB顧客へのフォロー
OB顧客へのフォローも重要です。工務店では一度施工が終わった住宅の定期点検・リフォーム・別案件の受注が入る可能性もあります。「またこの工務店にお願いしたい」と思ってもらうためにも定期的なアプローチは欠かせません。
定期点検案内のDMを送付したり、年賀状や暑中見舞いを送付したりするなど、良好な関係を維持しましょう。
まとめ
住宅は検討期間が長期化しやすいため、接点を持った顧客への適切なフォローが大切です。
とくに「建てる予定はあるけれど検討中」という顧客に対しては、中長期的なアプローチによって受注につながることもあります。
「受注率が伸び悩んでいる」「商談しているけれど成約までつながらない」という場合は、いま一度、顧客へのフォロー体制を見直してみてはいかがでしょうか。
もし、「顧客育成をするにも人員が割けない」「見込み顧客を放置してしまっている」などの問題がある場合は、対応を外部に委託するのも方法のひとつです。ぜひ、下記のサービスもご検討ください。