売れない人は“提案力”が足りていない? 営業レベル向上のための3つの要素
「思うように売れない」という課題は、営業職であれば誰しも一度は直面する壁ではないでしょうか。
住宅営業の場合、思うように売れない理由のひとつに、提案力が足りていないというケースが考えられます。顧客から信頼を得るためには人間力や知識も大切ですが、顧客の疑問・課題を理解して、適切な提案できるかという能力も非常に重要です。
提案力を向上するためには、ヒアリング力・予測力・プレゼン力の3つのスキルが必要になります。
本記事では、ヒアリング力・予測力・プレゼン力を高めるコツについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ヒアリング力
- 1.1.第三者の声を使う
- 1.2.質問を変えて答えを引き出す
- 1.3.相づちを効果的に使う
- 2.予測力
- 2.1.商談ごとに目的を設定する
- 2.2.ネガティブな反応に対する回答を準備する
- 3.プレゼン力
- 3.1.具体的な数値や事例を挙げる
- 3.2.伝わる話し方を意識する
- 4.まとめ
ヒアリング力
住宅営業において、ヒアリング力は重要なスキルのひとつです。
「いまお客さまは何を求めているのだろう」「どのような点に疑問や不安を感じているのだろう」と考え、課題や潜在的なニーズを引き出すことは、今後の関係性を良好にするためにも重要なポイントになってきます。
ヒアリング力を高めるためには、大きく3つのコツがあります。
第三者の声を使う
まず、第三者の声を使うという方法です。
第三者の声を使うことでトークの信頼性が高まるほか、お客さまも本音を伝えるハードルが下がるというメリットがあります。
たとえば、「○○が不安というお客さまも多いのですが~」「○○というご意見をいただくことがありますが、お客さまはいかがでしょうか?」といった聞き方が挙げられます。
当事者ではない客観的な第三者の声を交えて質問することで、お客さまの感じる不安や問題を引き出しやすくなります。お客さまからいただいた意見をまとめて、ヒアリングの際に活かしましょう。
質問を変えて答えを引き出す
2つ目に、質問を変えるという方法です。
予算などの明確な答えを得にくいケースでは、質問の仕方を変えてお客さまから答えを引き出しましょう。
「予算はいくらですか?」と広い範囲で質問するよりも、「ローンを組んだ場合、毎月の返済額はおいくらぐらいを検討されていますか?」「○○円くらいの予算ならこのグレードになります。可能性はございますか?」というように工夫してみましょう。
答えをもらえなかった質問でも、質問の仕方を変えることで答えを得られるケースもあります。
相づちを効果的に使う
3つ目に、相づちを交えるという方法です。
お客さまが安心して話せる環境をつくるためには、相づちを適度に入れるのが効果的です。「はい」を繰り返すのではなく、「分かります」「そうですよね」など、共感の言葉を取り入れるとよいでしょう。
相づちのバリエーションを増やすことで、お客さまに「きちんと話を聞いてもらっている」という好感を持ってもらえます。
また、お客さまの言葉をさりげなく復唱することもポイントです。共感と傾聴を実践すれば、お客さまの緊張感をほぐし、潜在ニーズを引き出せるようになります。
予測力
予測力とは、お客さまの求めていること・知りたいことを予測して、商談のゴールを想定するスキルを指します。お客さまの反応を予測しておくことで、円滑に商談が進められます。
予測力を高めるコツは次の2つです。
商談ごとに目的を設定する
まず、商談の目的を明確化することが大切です。
「お客さまのニーズを引き出し、次回の提案に向けてアポイントを獲得する」「提案内容の評価を聞く」「疑問や不安を明らかにして再度機会をいただく」など、商談ごとに具体的な目標を設定しましょう。
目標を設定すれば事前に確認しなければならない点や伝えたい点が明確になり、質問に対してもスムーズに回答できます。
ネガティブな反応に対する回答を準備する
商談をしていると、「メリットがあるとは思えない」「他社との違いが分からない」「価格が高すぎて手を出せない」など、お客さまからネガティブな反応が返ってくることもあります。
商談前にはこうしたネガティブな意見のパターンを予測して、パターンごとの対応を準備しておくことが重要です。ネガティブな意見に誠実な対応を見せ、問題解決に向けた的確な提案ができれば、お客さまからの信頼度が高まります。
ネガティブな質問に対して回答するのが苦手という方は、ロールプレイングでの練習がおすすめです。
プレゼン力
契約を結ぶために欠かせないのがプレゼン力です。
ヒアリング力や予測力を身に付けたとしても、最後のプレゼンで最適な提案ができなければ成約にはつながりません。自社を選んでもらうためには、お客さまのニーズ・課題に対して、自社と契約するメリットを分かりやすく伝えるプレゼン力が必要です。
プレゼン力を高めるコツには、次の2つが挙げられます。
具体的な数値や事例を挙げる
住宅は商品単価が高額なため、お客さまの予算との折り合いが困難です。施工プランや設備などを提案する際には、費用について具体的に説明する必要があります。
「○○万円から」という説明よりも、「Aプランは○○万円となります。ただし、設備によって○○万円ほど高くなります」のように具体的な数値を挙げましょう。
また、過去の事例を挙げることも効果的です。「この住宅はこのようなオプションを付けて○○円です。ローン審査から引き渡しまで○○ヶ月かかりました」など、具体的に伝えましょう。
費用や期間などを現実的にイメージできるため、お客さまの納得度も高まり、提案内容を受け入れてもらえる効果が期待できます。
伝わる話し方を意識する
あいまいな表現や専門用語は使用せず、お客さまが分かりやすい言葉で伝えることが重要です。不安や疑問を感じていそうな場合は、話をいったんストップし、しっかり伝わっているか確認しながら話を進めましょう。
そのためには、お客さまの表情や相づちをチェックするとともに、「ここまでで何か分からない点はございますでしょうか?」のように、話がひと段落した時点で質問を投げかけ、不安を解消しながらトークを進めていく心づかいも大切です。
また、ゆっくりとしたペースで話し、「えっと」「あの」などのドッグワードをなくすこともポイントです。お客さまが聞きやすい話し方を意識しましょう。
まとめ
住宅営業において、提案力はなくてはならないスキルのひとつです。
今回紹介した提案力とは、商品やサービスを熱心に紹介することではなく、お客さまの課題・疑問などの潜在的なニーズを明確にして最も適した提案ができるスキルです。
商談では専門的な知識や人間力ももちろん重要です。しかし、お客さまが持つ課題や悩みに耳を傾け、適切な解決策を導き出すことも住宅営業の重要な役割といえるでしょう。
「なかなか住宅が売れない」「最後で失敗する」という場合は、提案力が不足している場合があります。
お客さまの問題に適切な解決策を提案するためには、一方的なトークになっていないか、いま一度対応を振り返ってみてはいかがでしょうか。
ヒアリング力・予測力・プレゼン力を磨くことで、提案力が身に付き、営業レベルの向上が期待できます。
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