テレワークや業務効率化にも役立つ! 工務店向けクラウドサービス6選
現在、さまざまな分野でクラウドサービスが提供されています。クラウドサービスを利用している企業の割合は、2019年時点で64.7%と6割以上。企業活動に切り離せないサービスとして、社会に根付いていることが分かります。
住宅販売に関わるクラウドサービスは、社内の情報共有・顧客管理・営業支援などさまざまな種類が展開されています。種類が多いため、選び方が分からないという企業さまも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、工務店に適したクラウドサービスを業務内容別に6種類に分けて、サービスを選ぶ際のポイントを解説します。自社の課題に合わせて選定し、業務効率化や生産性向上に役立ててはいかがでしょうか。
目次[非表示]
- 1.1.現場管理に役立つクラウドサービス
- 1.1.あると便利な機能
- 1.2.このような課題を解決
- 2.2.予実管理・発注管理ができるクラウドサービス
- 2.1.あると便利な機能
- 2.2.このような課題を解決
- 3.3.商談情報が管理できるクラウドサービス
- 3.1.あると便利な機能
- 3.2.このような課題を解決
- 4.4.営業業務を支援するクラウドサービス
- 4.1.あると便利な機能
- 4.2.このような課題を解決
- 5.5.顧客との打ち合わせを効率化するクラウドサービス
- 5.1.あると便利な機能
- 5.2.このような課題を解決
- 6.6.電話対応を円滑にするクラウドサービス
- 6.1.あると便利な機能
- 6.2.このような課題を解決
- 7.まとめ
1.現場管理に役立つクラウドサービス
工程や図面などのデータを一元で管理・共有できるクラウドサービスは、地域の工務店から大手まで幅広い層に採用されています。
サービスを選ぶ際は、現場管理を円滑に行える機能はもちろん、管理者と現場で作業する従業員がうまく連携できるコミュニケーション機能の有無にも着目するとよいでしょう。搭載されていると便利な機能の例としては、下記が挙げられます。
あると便利な機能
- 現場の進捗状況を可視化できる工程表作成機能
- 担当者別に振り分ける工程チェック機能
- 写真や図面への朱書き機能
- スムーズな情報伝達が可能な掲示板・チャット機能
工程表で進捗状況を可視化することで、担当者の重複を防ぎ、作業内容や工期に問題がないかを一目で把握できるようになります。
そして、クラウド上での情報共有が可能になると、現場に“集まる”“手渡す”といった対面でのやり取りによるタイムラグをなくし、円滑な連携が可能になるでしょう。
また、工程別のチェック機能などが搭載されている場合、施工ミスや報告忘れの防止に役立てられます。とくに大人数で作業している場合は、管理者一人ですべてを確認するのは時間がかかります。抜けや漏れの防止にも効果が期待できるでしょう。
さらに、朱書き機能があれば、保存されている写真や図面に直接訂正できるため、修正箇所や変更点を確実に、かつスピーディに伝えられます。掲示板やチャットなどのコミュニケーション機能を活用すればいつでも履歴を確認できるため、伝達ミスの防止にもつながるでしょう。
このような課題を解決
施工現場の管理向けに展開されているクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 複数部署の情報を一元管理・共有できておらず、スケジュールの重複や空白が発生することが多い
- 工程を一部の管理者だけしか把握しておらず、現場作業員が段取りよく仕事を進められていない
- 病欠やトラブルなどによる工程遅れが共有できておらず、実際の進捗状況にズレが生じている
- 写真や図面のチェック・訂正依頼を忘れていた、図面を取り間違えてしまったなどのミスが生じている
2.予実管理・発注管理ができるクラウドサービス
予実や受発注などのデータを一元化できるクラウドサービスは、生産性アップや働き方改革に関する施策に効果が期待できます。このタイプのクラウドサービスの場合は、電子決済に対応しているかどうかも選ぶ際のポイントです。
あると便利な機能
- 関係先との受発注をペーパーレス化する電子受発注機能
- リアルタイムで作成できる予実管理機能
- 申請・承認のフローをスピード化する電子決済機能
発注書などの書面を電子データに切り替えることでペーパーレスな働き方が実現し、書類の保管場所の縮小やCO2の削減といった効果をもたらします。書類の発送にかかる労力や印紙代などのコスト削減もペーパーレス化のメリットです。
また、予算に対する実績管理ができると、リアルタイムで数字の変化を追えるため、商機を逃さない早期の経営判断が可能になります。
さらに電子決済に対応している場合は、社内の申請・承認もクラウド上でスピーディに完結できます。決済期間の短縮や不正防止にもつながるため、ワークフローの改善に役立つでしょう。
なお、情報資産をクラウド上で保管することにより、災害が起きたときの事業継続・早期復旧も可能になります。重要な情報の安全性を担保するという観点からも、大きな役割を担うサービスといえます。
このような課題を解決
予実管理・受発注管理ができるクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 業務が属人化していて、引き継ぎのミスや急な欠勤で業務がストップすることが多い
- 受発注における関係先とのやり取りが多く、書類の作成や発送作業に多くの労力や時間を費やしている
- 予算と実績をリアルタイムで把握できておらず、現状の課題が分かっていない
3.商談情報が管理できるクラウドサービス
氏名や連絡先などの基本的な顧客情報だけでなく、これまで交わした商談情報も記録できるクラウドサービスもあります。
ただし、顧客情報や商談情報がまとめられても、提示した見積書を別で管理するとなると煩雑さから免れられません。選ぶ際は、見積書なども含めて一元管理できるサービスに着目してはいかがでしょうか。
あると便利な機能
- 顧客・商談情報を細かく確認できる管理機能
- テンプレートを使った見積書作成機能
- アフターサービスの管理機能
基本的な顧客情報と併せて商談情報も一元管理できるようになると、より充実した顧客対応が可能になります。見える化によって業務の属人化を解消できることも大きなメリットといえるでしょう。
また、見積書の管理だけでなく、テンプレート付きの見積書作成機能があると、業務効率化にもつながります。
建設時の情報はもちろんですが、建設が終わった後のアフターサービスの予定までをしっかり管理できるようになれば、顧客との継続的な関係を構築することも可能になります。
このような課題を解決
商談情報や見積書を管理できるクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 営業業務が属人化していて、顧客情報や商談内容の確認に時間を要している
- 見積書の作成など事務作業に労力を費やしていて、管理者の長時間労働が負担になっている
4.営業業務を支援するクラウドサービス
数多くこなさなければならない営業業務は、最も効率化したい業務のひとつです。そうした営業業務を効率化するサービスは多数展開されていますが、選ぶ際には、Webサイトへの訪問状況やメールの開封状況など、顧客の具体的な行動を可視化してくれるかどうかがポイントになります。
あると便利な機能
- Webサイト来訪者の動きが分かるトラッキング機能
- メールの開封通知機能
- テンプレートでのメール返信機能
メール対応は意外と時間を費やす業務のひとつです。状況に合わせてテンプレートから選べると、スムーズなメール対応を可能にし、業務効率化の手助けになります。
また、自社のWebサイトで顧客がどのような情報をたどったのかという経緯やメールの開封状況を把握できれば、どのような情報に興味・関心を持っている顧客なのかといった分析をすることができます。
すぐにアプローチするべき顧客の選別や、要点・質問事項を絞った打ち合わせが可能になるでしょう。
このような課題を解決
営業業務を支援するクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 顧客情報の管理が複雑化していて、興味・関心の高いお客さまを取りこぼしてしまっている
- 問合せやカタログ請求があったのに、なかなか実店舗へ来店してもらえない
- WebサイトやDMを見てもらえているか反応が分からず、誰にフォローしてよいか分からない
5.顧客との打ち合わせを効率化するクラウドサービス
新築住宅の建設は、日をまたいで何度も顧客との打ち合わせを重ねます。ときには前回ヒアリングした顧客の要望が一変して、当日慌ててしまうということもあるのではないでしょうか? そのような課題を解決するには、即時に顧客と情報交換ができるクラウドサービスが便利です。
また、住宅は即決するのが難しい商材です。受注とはいかないまでも、検討段階である顧客に対してアプローチできる機能があると、追客の効率化も可能になるでしょう。
あると便利な機能
- 図面・画像へのコメント機能
- イメージ共有できる画像添付機能
- 見込み顧客への情報配信機能
顧客と図面や画像をクラウド上で共有できれば、情報が散在することなく1ヶ所にまとめることができます。そして、その図面や画像に対して顧客がコメントできる機能が備わっていると、いつでも思いついたタイミングで記録を残してもらえます。
次回打ち合わせの準備にも役立てられるでしょう。クラウド上に情報がまとまっていることで、顧客とはもちろん、社内での情報共有も円滑になります。コメントだけでなく画像も添付できれば、言葉では説明が難しい部位への要望・意見を、関係者全員で認識を共有することができるようになるでしょう。
また、どれだけ打ち合わせを重ねても、正式な受注にはなかなか至らないこともあります。
そうした顧客に対しても適宜アプローチできる情報配信機能があれば、見込み顧客が競合他社へ流れてしまうことを防ぐ効果も期待できます。
このような課題を解決
顧客との打ち合わせを効率化するクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 打ち合わせまでに要望をヒアリングして、ニーズに合った提案ができるよう準備したい
- 営業・設計間での情報共有が複雑化していて、誤解や要望への反映漏れが起こることがある
- 顧客の要望に応じて提案したが、イメージと異なると言われることがある
6.電話対応を円滑にするクラウドサービス
住宅営業にとって電話は欠かせないツールです。一方で、電話相手の特定ができない、相手の声がうまく聞き取れないなど、電話ならではのトラブルも付きものです。
そのような電話対応を円滑にしてくれるクラウドサービスもあります。サービスを選ぶ際は、着信時の画面表示や通話録音機能と併せて、電話対応以外の付加価値となる機能にも着目してはいかがでしょうか。
あると便利な機能
- 着信時に顧客情報や対応履歴を画面に表示する機能
- 後から聞き返せる通話録音機能
- 電話がつながらない場合でも連絡できるSMS送信機能
着信時に顧客情報が画面に表示されることによって、顧客を特定する労力・時間を削減できるほか、これまでの対応履歴を把握したうえで無駄のないスムーズなやり取りができます。
顧客との会話を録音できる機能が備わっている場合、聞き洩らしを防止するとともに、次回の対応にも役立てられるでしょう。
また、電話の場合、外出時や車の運転中など、タイミングによっては相手が応じられないこともあります。そのようなときにSMSの送信機能が備わっていると、取り急ぎメッセージで伝えることも可能です。
このような課題を解決
電話対応を円滑にするクラウドサービスは、このような課題をお持ちの方に適しています。
- 担当顧客が多いため、電話があったときすぐに顧客情報を確認するのが難しい
- 顧客との対応履歴がうやむやになり、言った言わないのトラブルになったことがある
まとめ
工務店では、受注に至るまでの営業活動をはじめ、現場の工事や工程管理、書類管理などさまざまな業務があります。各部署の連携をスムーズにして、伝達ミスや業務の無駄をなくすには、場所を問わず必要な情報にアクセスできるクラウドサービスが有効です。
工務店向けのクラウドサービスには、現場の情報を共有・管理できるサービスから、顧客管理や予実管理など幅広い情報を一元化できる基幹サービス、営業支援に特化した顧客接点ツールなど、さまざまな種類があります。
「各部署の情報共有に時間や労力がかかっている」「営業対応が属人化している」「管理者や現場監督が行う事務作業の負担が大きい」といった点でお悩みの工務店さまは、課題に合わせて必要なクラウドサービスを選定してみてはいかがでしょうか。
LIFULL HOME'Sは、テレワークの業務効率化に役立つ各種サービスをご紹介しております。こちらも併せてご参照ください。