住宅営業の心得「商品ではなく、自分を売る」の意味とは?
「モノ(住宅)ではなく自分を売れ」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
「自分を売る」とは、自社のサービスを押しつけるのではなく、営業を担当する自分の価値を示すことです。
さまざまなモノであふれている時代となった今、お客さまにはたくさんの選択肢があります。そのなかで自社を選んでもらうには、「この人から買いたい」「この人に任せたい」と思ってもらうことが大切になります。
本記事では、自分を売るという言葉の意味について解説します。
自分を売るとはどういう意味か?
「売るのは商品ではなく自分」という言葉をよく耳にしますが、どういう意味なのでしょうか。
商品を売るとは、お客さまにとって本当に必要か価値があるかはさておき、商品自体の魅力やスペックなどで勝負して、お客さまに買ってもらうことといえます。
有名な大手企業や、競合他社と比べて商材に突出した魅力がある場合は、その商品・サービスの力だけでお客さまに選んでもらえることもあるでしょう。
しかし、商品・サービス自体をアピールするだけで、必ずしもお客さまに選んでもらえるとは限りません。
提供する側の営業担当のなかにも、「数字を稼ぐためにとにかく売る」という姿勢になっている人もいるでしょう。こうした状況では、お客さまから十分な満足を得られなかったり、営業担当自身が疲弊してしまったりといったことが起こり得ます。
一方、自分を売るとは、商品やサービス以外の自分自身の価値を示すことです。自分を売ると聞くと、「自己アピールが強い」「能力を自慢している」などとイメージしがちですが、実際はそうではありません。
自分の能力や経歴を自慢するのではなく、自分の魅力となる要素を知り、日々のやり取りを通じて相手に自分自身を知ってもらうこと。そして、商品やサービスではなく、営業担当個人に価値を感じてもらうことといえます。
お客さまにとって大切なのは「誰から買うか」ということ
どこでも同じ価格・どこでも買えるといった商品であれば、購入する場所を選ぶ必要性は薄れます。しかし、購入する商品の価格が高額になるほど、お客さまは商品そのものの価値だけでなく「その会社・営業担当から買いたいと思うか」が重要な判断基準となります。
つまり、住宅営業で必要なのは、住宅を売り込むことよりも、お客さまに自分の人間性を買ってもらい、信頼してもらうことです。そのためには、つねに「お客さまのためになりたい」「喜んでもらいたい」という意識を持ち、自分の価値を提供することが必要となるでしょう。
まずは自分の“売り”とは何かを考えよう
お客さまに人間性を買ってもらうには、まず自分自身のことを知ってもらう必要があります。自分の売りは何なのか、自分自身や他者の意見を取り入れながら考えてみましょう。売りを見つけるためには、以下のような方法が効果的です。
自己分析
自分の売りとなる部分を自己分析してみましょう。ただし、自分の強みだと思っているところが必ずしも売りになるとは限らないため、客観的になることが重要です。
- 本質的な強み:生まれ持った性格や思考パターンなどを洗い出す
- 好きなこと:仕事やプライベートで好きなことを挙げて、共通する特徴を見つける
- 得意なこと:人から褒められたこと、優れたスキルを備えた分野をリストアップする
- 克服できたこと:これまでの弱みや失敗を克服したことを挙げる
このように、自分自身の傾向や強みを知ることで、売りとなる要素を見つけられます。
他者評価の分析
自分の売りを考えるうえで、他者からの評価は非常に重要です。
家族や上司、同僚などから自分の評価をしてもらうと思わぬ売りが出てくることもあります。
たとえば、このようなことを聞いてみるとよいでしょう。
- 自分自身の強み
- 他の人より優れていると思う点
- 自分への印象
ただし、自分を売るというのは、単に能力をアピールすることではありません。他者評価で得られた情報をそのまま受け入れるのではなく、評価を基に売りを見つける作業が必要です。
たとえば、以下のような内容です。
- お客さまの気持ちをくみ取り、寄り添う姿勢
- 多角的な視点から、新たな提案ができる発想力
- お客さまに応じて適切な提案ができる柔軟性
どのような売りがあるのか、具体的な行動や姿勢・スキルなどを分析することがポイントです。
まとめ
営業活動において、商品・サービス以外の自分の価値を示すことを「自分を売る」といいます。商品そのものを売る行動とは異なり、お客さまの課題やニーズを踏まえたうえで、自らの能力を用いて役に立とうとする姿勢こそが「自分を売る」の意味といえます。
さまざまなモノやサービスであふれ、情報を簡単に収集できる時代になった今、「誰から買うか」ということも重要なポイントのひとつになっています。
お客さまに必要とされ、人間性を買ってもらうためには、自分の持つ価値を提示することが重要です。自己分析や他者評価を分析し、自分の“売り”となる部分を見つけましょう。
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