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工務店が追客を効率化するためのLINE公式アカウント活用法

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住宅展示場や完成見学会、Webサイトの資料請求など、日々さまざまな経路から顧客との接点獲得に努めていらっしゃることと思います。そしてその後の追客次第で商談、成約へと至るわけですが、あなたの会社の追客はうま くいっていますか?

接点を得た時点では、住宅購入に至るまでの顧客の検討段階はまちまちです。その段階を見極めて効率よく追客を行うための手法として、LINE公式アカウントも広く活用されています。

この記事では、工務店やハウスメーカーが追客を効率化するために使われているLINE公式アカウントの機能や、アカウント運用における注意点を解説します。

LINE公式アカウントのススメ

総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年の国内のLINE利用率は94.9%(13歳~69歳のうち)に上っています。高齢者層でも、60代では91.1%が利用しているとのことです。LINEはいまや全国民的なコミュニケーションプラットフォームになっているといえます。

LINEはビジネスにおける顧客との連絡にも使われるようになっています。通知による受信の気づきやすさやメッセージ送信の手軽さ、読まれたかどうかを把握しやすいことはEメールよりも優れる点です。しかし通常のLINEアプリを使うと、営業担当者と顧客との間でやり取りされる情報を会社側では管理しづらく、不正や情報漏洩のリスクもあります。

ビジネス利用のために提供されているサービスとしてLINE公式アカウントがあり、昨今では多くの工務店やハウスメーカーにも利用されています。モビルス(株)が2025年に実施した調査では、企業等のLINE公式アカウントを友だち登録している20代・30代の回答者のうち7割以上が、企業等への相談や質問をLINEで行いたい意向を示しました。

また、企業等のLINE公式アカウントを友だち登録している回答者では、年代を問わず8割程度がLINEによる企業等とのやり取りを便利と感じていることが示されています。

(出典:モビルス株式会社『消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025』)

追客にEメールを使っている場合、メールマガジンの開封率が低かったり、個別メールを送っても返信をもら えなかったりすることにお悩みの方もいらっしゃることでしょう。こうした課題への対応策として、LINE公式アカウントを使うのもおススメです。

LINE公式アカウントの基本情報

LINE公式アカウントでは、通常のLINEと同じように個別にメッセージのやり取りができるほか、友だち登録している人に対して同じメッセージを一斉配信することができます。ただし個別にメッセージをやり取りするには、登録してもらった相手から一度スタンプ等何らかのメッセージを送信してもらう必要がある点に注意が必要です。

一斉配信のメッセージは開封率を把握できるほか、特定のメッセージを開封した人のみを「オーディエンス」として抽出し、別のメッセージを一斉配信することもできます。WebサイトやYouTubeなどへのリンクをタイル状に表示できる「リッチメニュー」や、ショート動画等を投稿できる「LINE VOOM」の機能もあります。

一つのビジネスIDに対して複数のアカウントを作ることができるため、たとえば会社で一つのビジネスIDとメインアカウントを作ったうえで営業担当者ごとのサブアカウントも作る、という使い方ができます。この形であれば営業担当者と顧客との間でやり取りされる情報を会社側でも管理でき、セキュリティ上のリスクを低くすることができます。

料金プランによって月間に配信できるメッセージの数に上限が設けられますが、月200通を超えるようになるまでは無料でも使い始められる点も魅力の一つです。

効率よく追客するためのLINE公式アカウント利用

展示場への来場やWebサイトからの資料請求などから接点を得た時点では、顧客の見込み度合いはさまざまです。近いうちに住宅を購入する意思のある人もいれば、購入時期を決めずに情報収集している段階の人もいます。そうした顧客の見込み度合いに応じてアプローチの内容や頻度を分けるというのが、限られた営業リソースで効率よく追客するためには重要な考え方となります。

LINE公式アカウントの「ステップ配信」機能を使えば、接点を得た顧客の見込み度合いを把握するまでの段階を自動化できます。

たとえば、友だち登録 日からの経過日数を条件に、登録へのお礼、住宅購入に関するお役立ち情報、自社の理念や強みの説明、個別相談への誘導、といった形で段階的にメッセージを自動配信する利用例があります。メッセージの扱いは受け取る側に委ねられるので、情報収集段階で営業担当者からの積極的なアプローチを嫌う顧客にも心理的な負担をかけずに情報提供でき、営業担当者は個別相談を申し込んでくれた見込み度合いの高い顧客への対応に専念できます。

「オーディエンス」機能も、顧客の見込み度合いに応じたアプローチに活用できます。特定の一斉配信メッセージを開封した人のみを抽出して別のメッセージを配信できるので、たとえば施工事例や施主インタビューのコンテンツを配信したうえで、開封した人のみに住まいの意向に関するアンケートを配信する、といった使い方ができます。

施工事例や住まいのお役立ち情報などのコンテンツを定期的に一斉配信して検討期間の長い顧客との接点も保ちつつ、検討段階が進んで見込み度合いの高まった顧客をタイムリーに見つけ出す仕組みづくりが成功の秘訣です。

LINE公式アカウントを利用するうえでの注意点

LINE公式アカウントを運用するうえで気をつけておきたいことについても解説します。 

まず、友だち登録してくれた人からアカウントをブロックされてしまうと、ブロックを解除してくれない限りはメッセージを送ることができなくなってしまうことに注意してください。多すぎない頻度で、良質な情報の発信に努めましょう。頻度の目安は1週間に1~2回までといわれています。また、情報に誤りが含まれていれば当然会社の信用を損なうため、できればダブルチェックの体制も備えておきたいところです。

配信するコンテンツの作成やステップ配信、オーディエンスの設定など、アカウントを運用するためにはそれなりの手間がかかることにも注意が必要です。コンテンツはInstagramなど他のSNSでも使えるものを作ったり、運用を補助するツールを導入したりと、手間を最小限に抑える効率化の手立ても考えておきましょう。

友だち登録を促す二次元バーコード 等はアカウントの管理ページから発行できますが、勝手に色や形を変えたり他の要素をつけ加えたりすると、利用規約やガイドラインへの違反となる恐れがあることにもご留意ください。会社の信用にも関わるため、LINEのロゴ等は細心の注意を払って適切に取り扱いましょう。

(出典:LINEヤフー株式会社『ロゴガイドライン|LINEヤフー for Business』)

記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:LINE公式アカウントと通常のLINEはどう違うの?
A:
LINE公式アカウントでは個別にメッセージのやり取りができるほか、同じメッセージを一斉配信することもできます。会社で一つのビジネスIDを作ったうえで営業担当者ごとのサブアカウントを作れば、セキュリティ上のリスクを低くすることができます。

Q:LINE公式アカウントで追客をどう効率化できるの?
A:
顧客の見込み度合いに応じたアプローチを行うために「ステップ配信」や「オーディエンス」の機能を活用できます。検討期間の長い顧客との接点も保ちつつ、見込み度合いの高まった顧客をタイムリーに見つけ出す仕組みづくりが成功の秘訣です。

Q:LINE公式アカウントを利用するうえでの注意点は?
A:
ブロックされないよう多すぎない頻度で、誤りのない良質な情報の発信に努めましょう。手間を最小限に抑える効率化の手立ても考えておきたいところです。LINEのロゴ等は利用規約やガイドラインへの違反とならないよう気をつけて取り扱ってください。

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執筆者

杉山 啓(IMASSA認定マーケティング実務士、行政書士、統計調査士)

インターネット行動履歴データに基づくマーケティング支援を行うベンチャー企業に勤めていた際に、住宅、情報通信、出版、化粧品など多岐にわたる業界の大手企業を対象とするコンサルティングや法人営業に従事した。

2018年にマーケティング・ビジネス実務検定A級(IMASSA認定マーケティング実務士)、統計調査士、統計検定2級に合格。Uターン後は愛媛県内の道の駅でEC運営を担当し、月間のサイト訪問者数を前年比約2倍、売上を前年比約1.3倍に増やした経験ももつほか、非営利で哲学対話・哲学カフェのワークショップも継続的に主宰している。2024年に行政書士に登録し、企業間の契約書類作成等の法律業務も担う。

編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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