経営・マネジメント

住宅営業のスキルUPを目指す! 目標の設定方法と押さえておくべきポイント

どのような業種でも、事業を継続していくための経営目標を設定し、達成に向けてさまざまな施策を講じています。

とくに営業という仕事には目標管理が不可欠。適切な目標を設定して管理することで、利益だけでなく、営業スキルの向上やモチベーションアップなどの相乗効果も期待できます。

しかし、目標設定の方法を誤ると、「ひたすら達成できない目標を追い続けなければならない」というような問題が生じることもあります。

そこで本記事では、有効な目標管理を行うために、管理者が知っておきたいポイントや設定方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.営業マネジメントに欠かせない目標設定
  2. 2.営業目標を設定する3つのポイント
    1. 2.1.1.根拠のある目標数値に設定する
    2. 2.2.2.目標数値は適度にストレッチさせる
    3. 2.3.3.営業目標をブレイクダウン(細分化)する
  3. 3.営業目標の設定方法“SMARTの法則”を活用しよう
    1. 3.1.Specific(明確性)
    2. 3.2.Measurable(計量性)
    3. 3.3.Achievable(達成可能性)
    4. 3.4.Relevant(関連性)
    5. 3.5.Time-bound(期限設定)
  4. 4.まとめ

営業マネジメントに欠かせない目標設定

営業目標は、企業の経営目標を達成するために、営業部や営業担当個人が設定する目標のことです。目標設定が必要とされるのは、以下の理由があります。

  •  営業成績を数字で計測する
  •  最終的な経営目標の達成を目指す
  •  営業担当の自己分析・スキルアップを促す
  •  営業担当のモチベーションを高める

設定する目標は売上高に限らず、アポイントメント獲得数やリピート数なども含まれます。個人の成績や取り組みを数値で管理するための指標にもなります。

営業目標を設定する際は、管理者や上司からのトップダウンではなく、営業担当自らが目標を設定し、進捗や達成状況を管理させるということも大切です。

経営陣や上司が一方的に決めた目標では、営業担当も数値の意味が分からず、具体的な行動計画も立てにくいでしょう。目標を達成できても、さらに高い目標の達成を求められ、営業担当が疲弊してしまうケースもあります。

主体的に考えさせることで、自己分析やスキルアップにつながるだけでなく、目標達成への意識が強まり、モチベーション向上も期待できます。

営業目標を設定する3つのポイント

個人の営業目標は、経営という大きな視点で見ると些細なことのように思われます。しかし、個人の目標達成は、チームやグループの目標達成につながり、最終的には経営目標の達成につながります。会社が目標とする利益を確保するためにも、適切な営業目標の設定は重要です。

  • 達成することだけ考えればよいという投げやりな目標
  • 全体の売り上げ目標を単純に割っただけの数値目標
  • 前年比よりも〇%以上など、現状を分析せず過去実績を参考にした数値目標
  • 「やればできる」といった精神論を唱えた目標

このように、抽象的であったり合理的でない目標設定は、かえって逆効果になってしまうこともあります。具体性・妥当性を持った目標設定を心がけましょう。


1.根拠のある目標数値に設定する

トップダウンで目標数値を設定する際は「なぜその数値なのか」という根拠を示し、営業担当が納得できる数値を設定することが重要です。

アポイントメント獲得率が〇割のため、売り上げ目標の〇円を達成するためには月に〇組の新規顧客のアポイントメントを取得する

見積もり提出のうち成約率は〇割のため、月に〇件の商談を実施する

このように、根拠のある数字と理由を明確にして納得できる説明をすることで、今後の行動計画の設定にも役立ちます。


2.目標数値は適度にストレッチさせる

「簡単に達成できる目標にして最低限の努力しかしない」というケースが見られる一方で、「目標が高すぎて現実的に達成できない」というケースもあります。

いずれの目標も、モチベーションを高く保つことが難しく、やる気を失いかねません。

営業目標の数値を決める際は、営業担当のスキルや経験に応じて、少し背伸び(ストレッチ)した目標を設定するのがポイントです。

それぞれの努力や改善によって達成できる程度の目標を設定することで、意欲的に仕事に取り組めるようになるでしょう。上司や管理者は、設定した目標設定が「高くも低くもない」目標かどうか、個別に判断することが重要です。


3.営業目標をブレイクダウン(細分化)する

営業担当には、売り上げ金額や成約数、アポイントメント取得数などさまざまな目標が課せられます。

しかし、組織全体の売り上げといった大きい目標ほど具体的なイメージが湧かず、達成までのゴールを考えにくいという問題があります。「具体的に何をすればよいか分からない」「後先考えずに行動してしまう」など、非効率な事態を招きかねません。

目標達成に向けて意欲的に取り組んでもらうためには、目標を全体からチーム、個人へとブレイクダウン(細分化)することがポイントです。チームや個人といった小さな範囲で考えられるため、それを達成するための具体的な道筋が見えやすくなるでしょう。

「何をしたら目標を達成できるか」を現実的に捉えられるほか、達成に向けたモチベーションアップも期待できます。

ブレイクダウンの例には以下が挙げられます。

 企業の年間売り上げ目標が1億2,000万円
  └ 月間の売り上げ目標は1,000万円
   └ 毎月1,000万円の利益を出すには2件の契約が必要
    └ 成約率は20%のため、2件の契約を取るには月10件の商談が必要

このように、大きな目標から小さな目標へとブレイクダウンしていくことで、現実的な目標が見えてきます。目標を設定した後は、「1日〇件のアポイントメントが必要」と個人の行動計画まで落とし込みましょう。

営業目標の設定方法“SMARTの法則”を活用しよう

目標設定の方法には、さまざまな方法があります。SMARTの法則は、目標設定に特化した考え方で、目標をより実現可能にするとされています。以下では、SMARTの法則について解説します。


Specific(明確性)

Specificは、目標の明確化です。「売り上げアップ」という漠然とした内容ではなく、「売り上げを〇%上げるために、月に〇件の契約を取得する」など、より具体的な根拠を明確にします。細かく数値を設定して行動計画に反映させましょう。


Measurable(計量性)

Measurableは、目標の計量化です。「お客さまに週に1度は電話をかけてコミュニケーションを取る」など、具体的な数値を含めます。進捗率や目標達成率を客観的に判断でき、結果を検証しやすいよう、計量化できる目標にしましょう。


Achievable(達成可能性)

Achievableは、その目標を達成できるかどうかを示します。「1日100件のアポイントメントを取得する」といった理想を掲げるのではなく、「午前の商談がない日は毎日10時から11時までテレアポを行う」など、実行可能な目標にします。

成果を求めすぎて無理な設定をするとモチベーション維持が難しくなるため、根拠に基づく現実的な目標にしましょう。


Relevant(関連性)

Relevantは、その目標と営業戦略との関連性です。「アポイントメントの件数を増やす」とするだけでなく、その先にある目標を見据えます。「営業部の売り上げ〇%アップのためには〇件の契約、〇〇件のアポイントメントが必要」など全体目標との関連性を意識しましょう。


Time-bound(期限設定)

Time-boundは、目標達成までの期限設定です。年間・半期・四半期・1ヶ月……など、それぞれの目標を設定していくと、進捗状況を把握しやすくなります。年間の売り上げ目標から、半年で達成したい数値、1ヶ月で達成したい数値を考えましょう。

まとめ

営業目標は、企業の売り上げ目標を目指すためだけでなく、営業担当の実績や進捗状況を客観的に把握して、意欲的に仕事に取り組むための指標にもなります。企業と個人の成長を図るためにも、適切な目標管理が不可欠といえるでしょう。

目標を設定する際は、なぜその目標・数値なのか、具体的な根拠を明確にしましょう。いくら根拠があっても、目標が高すぎる・低すぎるとモチベーションに影響して成果を生みにくくなります。営業担当の努力や改善で達成できる数値にしておくのがポイントです。

また、目標を達成するためには、全体的な目標だけでなく、チームや個人の目標へとブレイクダウンし、行動レベルまで落とし込むことが必要です。「何をすればよいか」が具体的に捉えられるため、達成に向けて取り組みやすくなります。

営業目標を設定したあと後は行動です。住宅営業のスキルを磨きたいとお考えなら、業務効率化やスキルアップに役立つサービスもご活用ください。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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