住宅営業ノウハウ

顧客のニーズを引き出すヒアリングシートの作り方

営業活動ではヒアリングが大切です。いかに顧客のニーズを引き出せるかでその後の提案や商談の進め方が変わるほか、ヒアリングの質は成約につなげられるか否かにも影響します。

しかし、住宅営業でヒアリングしなければいけない内容は数多くあります。

聞き逃しのないように顧客の情報を入手して、真のニーズをスムーズに引き出すためには、ヒアリングシートを活用するという方法もあります。

本記事では、ヒアリングシートを作成するポイントやヒアリングの注意点を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.ヒアリングシートの役割
    1. 1.1.必要な情報の抜け・漏れを防止するため
    2. 1.2.より深く理解するため
  2. 2.押さえておきたい項目
    1. 2.1.現状や課題
    2. 2.2.住宅づくりへの疑問・不安
    3. 2.3.希望の納期
    4. 2.4.予算
    5. 2.5.最終的な決定までの流れ
    6. 2.6.他社を検討しているか
  3. 3.ヒアリングシートを有効活用するためには
    1. 3.1.①項目をすべて確認する
    2. 3.2.②5W2Hを意識する
    3. 3.3.③時系列を意識する
    4. 3.4.④仮説を立てる
    5. 3.5.⑤情報を収集する
  4. 4.ヒアリングフレームワークの活用も効果的
  5. 5.ロールプレイングで具体的にイメージしよう
  6. 6.まとめ

ヒアリングシートの役割

ヒアリングシートは、営業のヒアリングをスムーズに進めるためのツールです。

とくに新人の営業担当の場合は、緊張して必要なことを聞きそびれてしまうこともあるでしょう。商談に慣れたベテランでも、トークが盛り上がって失念してしまうこともあります。

ヒアリングシートに沿ってヒアリングを行えば、商談の経験が浅くても、漏れなく聞くことが可能になります。

ヒアリングシートは、はじめに顧客に記入してもらい、記入内容を確認しながら営業担当が質問をして、回答内容を追記して使うのが一般的です。

文字にして残すことで、途中で担当が変わった場合の引き継ぎもスムーズになります。

以下では、ヒアリングシートの役割をあらためて振り返ってみましょう。


必要な情報の抜け・漏れを防止するため

商談では、話が盛り上がったり緊張してしまったりして顧客の情報を聞き忘れることもしばしば。事前に必要な項目をまとめておけば、聞き忘れてしまうこともありません。

商談の際は、アイスブレイクとして関係のない話題が出ることも多いため、聞く必要があった項目を忘れてしまうこともあるでしょう。

ヒアリングシートを使うことで抜け・漏れを防止して、効率よく情報収集ができます。


より深く理解するため

商談でもっとも引き出したいのは顧客のニーズです。顧客情報を会話のなかで得ていくのもよいでしょう。

しかし、あらかじめ基本情報を知ることができていれば、話題を掘り下げることに時間を使えます。顧客の情報からトークを広げ、ニーズを特定するためにも、顧客理解のきっかけとなる基本的な情報が求められます。

押さえておきたい項目

ここからは、ヒアリングシートを作成する際に追加しておきたい項目を紹介します。


現状や課題

現在どのような住宅に住んでいるか、その住宅のよい点、不満を感じる点など現状を確認する項目です。自分自身で不満を感じていないこともあるものの、現状を分析すると課題を見いだすことが可能になります。


住宅づくりへの疑問・不安

住宅づくりに対して、どのような疑問や不安を持っているかを確認します。状況は人それぞれ異なるため、はじめに顧客の持つ疑問や不安を把握しておくことが大切です。

また、疑問や不安を放置していると信頼性を損なってしまうこともあります。顧客の疑問や不安は早めに解消しましょう。


希望の納期

住宅づくりには長い期間を要するため、スケジューリングも大切です。いつ入居したいのか、希望の引き渡し時期などを確認しましょう。

たとえば、「子どもが高校に入学する前に建てたい」と考えているお客さまがいた場合、「いつまでに成約いただければいつ頃引き渡しが可能」ということを明示できていると、商談をスムーズに進められます。


予算

住宅づくりの予算や資金計画などは、口頭では話しづらい話題でもあります。はじめにヒアリングシートへ記入してもらえれば、口頭で話すよりも抵抗感が少ないでしょう。

あらかじめ予算を把握できれば、住宅そのものはもちろん、設備・外構・オプションなどを提案する際の目安にもなるでしょう。


最終的な決定までの流れ

住宅づくりには高額の費用がかかります。最終的な決断はどのように下すのかあらかじめ確認しましょう。

なぜなら、商談で話をしている相手が決裁権を持っていないことはおおいにあり得るためです。たとえば、ご夫婦で住宅づくりの相談に来店される方がいたとしても、実際に資金を提供するのはそのご両親の場合もあります。

設備の機能について時間をかけて説明しても、相手が決断できなければまた同じ説明を繰り返すのは非効率です。商談の鍵となる相手を把握して効率よく商談を進めることが大切です。


他社を検討しているか

他社を検討しているかはぜひ確認しておきたい項目です。他社と比較している理由は何か、他社のどの商材に興味を持っているのかを把握できれば、顧客の求めているイメージや予算感を知ることにもつながるでしょう。

また、
「他社がどのように営業活動を行っているのか」
「どのような商材があるのか」
「営業担当の印象はどうか」
などの情報も入手できます。

顧客の口からどのように感じたかを聞くことができれば、自社の営業活動をよりブラッシュアップするのに役立ちます。

ヒアリングシートを有効活用するためには

基本的な情報を網羅できたら、次は具体的なヒアリングに移ります。

ヒアリングのポイントは以下の5つです。それぞれを見てみましょう。


①項目をすべて確認する

ヒアリングシートの記入が済んだら、記入されていない箇所がないかを確認しましょう。

単なる記入漏れの場合もありますが、「書きたくない」「書けない」などの理由も考えられます。

記入がない箇所については、ヒアリングしながら自然に聞き出しましょう。


②5W2Hを意識する

ヒアリングでは、5W2Hを意識するとスムーズに進められます。

  • Why:なぜ住宅を建てようと思ったのか、なぜ自社を選んだのか
  • What:どのような住宅にしたいのか、新築することで何を求めているのか
  • Who:誰が住むのか、誰が商談・決断するのか
  • When:いつから入居したいか
  • Where:どこに建てる・建てたいのか
  • How:どのような暮らしをしたいか
  • How much:予算はどれくらいを検討しているか

どの項目も、顧客のニーズを引き出すきっかけになります。予算などはローン審査の結果によって変わる場合もあるため、一度で全部聞き出そうとする必要はありません。

ただし、これらの基本情報を基に商談を進めることでニーズが具体的になる場合が多いため、できるだけ早い段階で入手することをおすすめします。


③時系列を意識する

ヒアリングは、過去・現在・未来の時系列を意識するのもポイントです。

まずは、現在の状況や課題を引き出します。現状を把握したうえで、なぜ現在のような状況・感情になったのか、経緯や背景(過去)の話に移ります。その後が未来の話です。過去・現在の課題を踏まえ、これからどのような暮らしをしたいのかを引き出しましょう。

過去から現在までの課題や、それぞれの決断に至った経緯を把握できれば、より顧客に寄り添った提案ができるでしょう。顧客も順序立てて話を展開しているうちに、自分自身も気づかなかった悩みやニーズに気づきやすくなります。


④仮説を立てる

ニーズを引き出すためには、仮説を立てて質問することも必要です。

現在の状況から
「このような家族構成ならこのように悩んでいるのでは?」
「このようなライフスタイルならこのような設備・間取りが欲しいのでは?」
など、顧客の状況から推測して質問してみましょう。

仮説が正しければさらに詳細に話を詰めることができますし、外れた場合でも質問をきっかけに話が広がるでしょう。


⑤情報を収集する

商談の事前予約で顧客情報が分かっている場合は、できる限り情報を収集して準備しておくことも大切です。

たとえば「予算は○○円くらいで建てたい」ということが分かっている場合は、その予算をベースに、さまざまな施工事例を提案するのもよいでしょう。

勤務先が分かっている場合は、業界の情報などを調べておくと話題のきっかけにもなります。顧客も自分に興味を持ってもらえていることが分かれば安心して答えられ、和やかに商談を進められるでしょう。

ヒアリングフレームワークの活用も効果的

ビジネスシーンではヒアリングにフレームワークを活用することもあります。

ヒアリングフレームワークのなかでも一般的なのは“SPIN”です。SPINはヒアリングで行われる質問を大きく4つに分けたときの頭文字に由来します。

  • S(Situation Questions:状況質問)
  • P(Problem Questions:問題質問)
  •  I(Implication Questions:示唆質問)
  • N(Need-payoff Questions:解決質問)

S(Situation Questions:状況質問)
┗顧客の抱えている現状を質問する。

P(Problem Questions:問題質問)
┗現状の課題や不満に思っていることを質問する。

I(Implication Questions:示唆質問)
┗自分自身が気づいていないニーズを知るために仮説を立てて質問する。

N(Need-payoff Questions:解決質問)
┗これまでの質問を踏まえて、課題がなくなったらどのような状態になるかを質問する。

今まで不満に思っていた点や課題がなくなった状態をリアルにイメージできれば、より前向きに商談に取り組んでもらえる可能性があります。

ロールプレイングで具体的にイメージしよう

ヒアリングシートができたら実際に声に出してみましょう。複数人で役割分担をしてロールプレイングするのがおすすめです。

「初回接客がとくに緊張する」という営業担当も多いですが、事前に準備を怠らなければ、落ち着いて商談することができるでしょう。ただし質問責めにするのは避けたほうがよいでしょう。

営業に必要なのは聞く力です。ヒアリングシートを基にしっかりと顧客の声に耳を傾けましょう。

まとめ

商談をスムーズに進め、成約へと導くためにはヒアリングが重要です。顧客のニーズをヒアリングで引き出せるかが商談の結果に大きく影響します。

効率よく顧客のニーズを引き出すためには、ヒアリングシートを活用しましょう。

ヒアリングシートがあれば、新人・ベテランを問わずに必要な項目を漏れなく聞くことが可能になります。

ヒアリングシートをより役立てるためには、質問の内容や順番も考慮が必要です。ヒアリングシートに記入される項目はおおむね顕在化しているニーズです。効果的に質問して、潜在的なニーズを引き出しましょう。

そのためには事前準備が大切です。ロールプレイングを行って自然と商談ができるように練習しましょう。

LIFULL HOME’Sでは、普段の接客を覆面調査で診断するサービスを提供しています。顧客目線でチェックすることで、接客のよい点・悪い点に気づくことができ、より品質・精度の高い接客につながるでしょう。

顧客理解を深め、真のニーズを引き出すため、ぜひ一度接客を客観的に見直してみてはいかがでしょうか。
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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。