マーケティング

商品企画+モデル住宅設定+情報発信のリンク化で受注につながる集客へ

注文住宅事業の集客策はどうしても、広告宣伝の表現方法や媒体の使い方、あるいはイベント来場特典のような販促活動に焦点が当たりがちです。もちろんこのような直接的な部分の検討も必要ですが、それ以前に自社注文住宅事業の狙いの客層へ自社商品が提供できる「暮らしのコト」は何かという、注文住宅事業全体に対する考え方の整理をした上で集客企画を進め、情報発信する必要があります。

住宅産業以外の多くの業界では、お客様の関心事を如何につかみ、対応するのかが成功のポイントになっています。Amazonにしても利用時に「この商品を購入された方へ」と必ず傾向を掴んで「おすすめ」を提示してきます。スマホも自身が関心のある分野のアプリをダウンロードして、好きな「コト」を中心とした「自身専用のスマホ」で使いやすくする仕組みが設定されています。全てお客様が中心発想の事業展開です。

自社の住宅というハード(モノ)の特長を活かして、どのような「暮らし(楽しい暮らしのコト)」を狙いの客層へ提供するのかという視点で商品企画をまとめ、その楽しい暮らしが体感体験できるモデル住宅は暮らしが見える設えを徹底して実現します。この楽しい暮らしが伝わるようにビジュアル情報で、各媒体を活用して集客するという視点はまさにこうした、お客様を中心に置いた集客企画です。

目次[非表示]

  1. 1.商品企画+モデル住宅+情報発信=集客企画
  2. 2.商品企画
  3. 3.モデル住宅設定
  4. 4.情報発信
  5. 5.注文住宅事業を成功へ導く一環(リンク)した集客の考え方
  6. 6.注文住宅事業は集客においても「お客様の暮らしを中心に考える」ことがポイント
  7. 7.まとめ

商品企画+モデル住宅+情報発信=集客企画

集客企画を進めるためには狙いの客層を想定し、新たな暮らしの気づきを触発する「商品企画」と、その体感体験ができる「モデル住宅」という集客の場を前提に、「こんな暮らしが実現できる」という「手に入る暮らし」のビジュアルな情報発信と一体になって進めるのが最も集客効果が高くなります。

商品企画


根幹の商品開発は狙いの客層(ライフステージ/所得層他)を明確化して

  1. 安全/安心/快適(耐震性能、耐久性能、断熱気密性能etc.)
  2. 生活利便性(収納、動線etc.)
  3. 心豊かな暮らし(家族、夫婦、親子、個人etc.)

の3軸で考えるのが商品企画の王道です。

開発された商品は安全/安心/快適(耐震性能、耐久性能、断熱気密性能etc.)と活利便性(収納、動線etc.)は基準を設けて設定されており共通項だと思います。ここでいう集客のための商品企画は集客の場として建てるモデル住宅ごとの商品企画のことを指します。つまりモデル住宅に住む仮想の住人の「こんな暮らしを実現する」ために、という商品企画の具体的な内容です。具体的な暮らしの内容設定が集客時の魅力訴求の根幹になります。

例えば幼稚園児と小学生のいる家族の住まいで「サンクンリビング」での「毎日が家族パーティ(ボードゲームや任天堂Switch)」を食後に楽しむといった具体的な、暮らしを楽しむシーンを考慮し、モデル住宅の集客と併せて営業の場として運用することを考慮した商品企画です。

モデル住宅設定

集客の場としてモデル住宅を運用する場合は「サンクンリビング」での「毎日が家族パーティ(ボードゲームや任天堂Switch)」ばかりではもちろんなく、同じ「サンクンリビング」でも「週末の友人とのアフタヌーンティー」をリビングの開口部を開け放して「テラスと一体化」で、「光と風と緑を楽しみながらアフタヌーンティー」を楽しむ等その場のシーンの作り込みを行います。

ご来場者がパッと観ても、SNSを見たお客様も直ぐに「これは楽しそう」とピッーンと来る伝わるモデル住宅の設えが重要です。お客様が行ってみたいと思う魅力あふれる暮らしのシーンの設えがモデル住宅設定です。

情報発信

こういう暮らしがしてみたいという「暮らしのシーンが1枚の画像で伝わる」のが情報発信です。細々とした説明や解説抜きにダイレクトにビジュアルで、「実現してみたい暮らしのシーン」が伝わることが情報発信のポイントです。「行ってみたい」「体感体験してみたい」と思っていただければ「予約方法」や「場所」等の情報については、記載さえしていれば、お客様が情報の中から探して見つけてくださいます。

何を一番に伝えたいのかを絞ることです。

注文住宅事業を成功へ導く一環(リンク)した集客の考え方

お客様の「ライフステージ」を大まかに分けてみると「暮らしの中心」は下図のように7つに分かれます。

例えば住宅を建てようとするお客様の中でライフステージが一番若い方は「未婚のカップル」です。この方たちは「二人暮らし」の実態さえ見えていない場合が多々あります。「新婚」のお客様は「子供は2人程度欲しい」とおっしゃられていても、子供のいる暮らしの実像は見えていません。

このように住まいづくりにおいてはお客様の見えている暮らしの領域は狭く、「少し先の楽しい暮らし」これに気づいていただくためには、営業がお子様のいらっしゃるOB宅訪問を企画する必要もありますが、「次のライフステージでの楽しい暮らし」が具体的に見えてこそ「自分たちが実現したい暮らしへの触発」につながります。「行ってみたい」と思っていただく集客企画は、その次のステージである営業ステージで確実に受注につながるべきです。

これを実現するためには、まず、集客策として「商品企画+モデル住宅+情報発信=集客企画という『一環』した考え方」の導入が必要です。これを起点に注文住宅事業を貫く「商品企画から受注までのお客様の暮らしを中心に考える『一貫』した考え方」に基づいて営業と設計が続くというのが本来の注文住宅事業のカタチです。

注文住宅事業は集客においても「お客様の暮らしを中心に考える」ことがポイント

注文住宅事業では商品企画、営業手法、設計手法等の全ての場面に於いて、「お客様の暮らしを中心に考える」ことが求められますが、「集客企画」に於いてはなおさらこの考え方重要です。

小手先の広告表現よりも「お客様に生涯心豊かに暮らしていただく」という注文住宅事業の目的軸をブレることなく貫き通す考え方が、受注につながる質の高い集客を生み出します。

まとめ

集客策として発信している「集客のための情報発信」は、気づかぬうちに広く自社の住まいづくりのポリシーを発信していることにもなります。どのような視点で、お客様の住まいづくりに取り組んでいるのかというブランドを高めるための情報発信でもあります。

小手先の集客企画から「商品企画+モデル住宅+情報発信=集客企画という『一環』した考え方」での集客戦略を組み立てることで「営業、設計」という集客後の受注活動にも好影響を与えることができます。

注文住宅事業の目的は「お客様に生涯心豊かに暮らしていただく」ということであり、注文住宅事業の本質は「お客様の暮らしを中心に考える」ことです。


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株式会社ハウジングラボ 松尾俊朗
株式会社ハウジングラボ 松尾俊朗
松下電工勤務で木造軸組改良工法(木と鉄の混構造/テクノストラクチャー工法)をはじめ様々な注文住宅事業形成手法を開発。ハウジングラボ設立後、様々な形態の161社の注文住宅事業サポートを実施。幅広い視点で各社の強みを活かした各社独自の注文住宅事業へナビゲート。

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