【建築の基礎知識】平面図と立面図とは? 設計図書の4種類について徹底解説!
設計図書とは、住宅建築に必要な情報を複数の視点からまとめた図面、工事目的・方法が記載された仕様書などを指します。
複数ある図面のなかでも、住宅建築の基本的な設計について記した平面図と立面図は、施主に住宅の全体イメージをつかんでもらうための重要な図面です。
工務店・ビルダーの担当者は、施主からの質問や問合せなどに対して適切な回答ができるように、平面図と立体図について理解しておくことが重要です。
この記事では、設計図書の種類をはじめ、平面図・立面図の意味について解説します。
目次[非表示]
- 1.設計図書の主な4種類
- 2.平面図と立面図の違い
- 3.まとめ
設計図書の主な4種類
住宅建築に用いられる設計図書には複数の種類がありますが、主に4種類に分類されます。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
①意匠図
意匠図(いしょうず)は、建物の形態や間取りなどデザインを重視した図面です。専門的な知識のない方にも全体像をイメージしやすいのが特徴です。平面図・立面図についても意匠図に含まれており、ほかにも配置図・屋根伏図・展開図などが挙げられます。
②構造図
構造図は、柱や梁などの材料、接合部の形式、寸法、施工手順などの建物建築に必要な情報が詳細に記された図面です。構造図を基に、建物が建設されます。
▼構造図の例
- 標準図
- 伏図
- 軸組図
- 詳細図
③設備図
設備図は、電気や電話などの配線、給排水管・ガス管・冷暖房などの配管について記した図面です。配線・配管器具などの取りつけ位置のほか、コンセントの位置・数なども記載します。
▼設備図の例
- 電気設備図
- ガス設備図
- 給排水衛生設備図
- 空調換気設備図
④外構図
外構図は、建物を除いた設置物や造作物の位置、部材などを記した図面です。エクステリア図面とも呼ばれます。
▼外構図に記される設置物の例
- フェンス
- 植栽
- 通路
- 駐車スペース
- 庭
これらの設計図書は、設計者の意図を正確に伝えて、施主の希望に沿った住宅を建築するために欠かせません。着工後の設計変更は困難なため、事前に施主に分かりやすく説明していなければ、トラブルに発展するリスクがあります。
そのような事態を避けるためにも、工務店・ビルダーの担当者は、設計図書について理解を深めて、施主・設計者との間で丁寧な説明・確認を行うことが重要です。
平面図と立面図の違い
平面図と立面図は、どちらも建物の大まかなイメージを伝える意匠図に含まれていますが、図面の視点や記されている情報が異なります。
平面図とは
平面図とは、建物内の間取りや寸法などを記しており、意匠図のなかでも基本的な図面とされています。ほかの図面の見出しや索引として使用されることもあります。
建物各階の床面から一定の高さを基準として、水平の断面を真上から見下ろした図を表しているため、住宅の間取りを一目で把握しやすいことが特徴です。
間取り図と呼ばれるケースもありますが、平面図のほうがより正確な寸法が記されています。たとえば、建物の間取り・部屋の用途・窓や扉の構造・床高・面積・主要設備のほか、キッチンカウンター、収納などの造作家具も記されています。
施主と設計計画を立てる際に、建物内の大まかな配置や生活動線をイメージするのに役立ちます。ただし、平面図では外観の仕上がりや高さ、細かなデザインを確認することはできないため、立面図と併せて確認・説明することが重要です。
なお、平面図は50分の1の縮尺、もしくは100分の1の縮尺で記載されることが一般的です。
立面図とは
立面図とは、建物の外観を東西南北の4方向から真横に見た様子を捉えて、建物外観の仕上がりを確認する図面です。姿図とも呼ばれています。
立面図には、建物の高さ・幅、軒先の高さ、窓・ドアの位置、屋根の勾配、地盤面との関係など、建物の外観デザインに関する内容が記されています。
平面図だけでは把握できない上下階のつながりや開口部の高さなどが明確になり、住宅完成後の外観をイメージしやすいため、施主との確認に使用されるのも特徴です。色づけされた立面図は、設計の計画段階において住宅のイメージを伝えることに役立ちます。
なお、立面図は、100分の1の縮尺で示されるのが一般的です。ただし、場合によっては50分の1の縮尺で示されることもあります。
まとめ
この記事では、住宅建築に必要不可欠な設計図書の平面図と立面図について、以下の項目で解説しました。
- 設計図書の種類
- 平面図と立面図の意味
設計図書は、建物のデザインを確認するだけでなく、設計者の考えを施主へと正確に伝えるために欠かせません。
施主の理解を得られないまま工事を進めてしまうとトラブルになる可能性があります。工務店・ビルダーに携わる担当者は、設計図書の種類や特徴などについて理解を深め、丁寧な説明・確認を行うことが重要です。
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