住宅営業ノウハウ

物件調査とは?4つの種類と気をつけておきたい注意点

工務店・ビルダーは、顧客から不動産(土地・建物)の購入や建て替え、リフォームなどの相談があった場合に、物件調査を実施します。

物件調査には、対象物件の権利関係や法令上の制限について調べたうえで、「顧客の要望に応えられる建築工事を行えるか」「設計上の制限が生まれないか」などを確認する目的があります。

ただし、物件調査は多岐にわたるため、スムーズに調査を進めるには「どのような調査をするのか」「何をチェックすればよいか」などを事前に確認しておくことが重要です。

この記事では、物件調査の種類や注意点について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.物件調査とは
  2. 2.物件調査の種類
    1. 2.1.①現地調査
    2. 2.2.②法務局調査
    3. 2.3.③役所調査
    4. 2.4.④ライフライン調査
  3. 3.物件調査を実施する際の注意点
  4. 4.まとめ

物件調査とは

工務店・ビルダーが行う物件調査とは、土地購入や住宅建築、建て替えなどを行う際に、対象の不動産について調べる作業です。

住宅の新築・リフォームなどを実施したり、土地・中古物件を購入したりする際は、法令上の制限をはじめ、建築上の問題や立地環境などについて確認しておく必要があります。

物件調査では、現地調査に加えて、法務局調査や役所調査、ライフライン調査など複数の調査を実施します。これは、土地・建物の権利関係を把握するとともに、敷地内で建てられる物件の広さや規制などを把握することが目的です。

物件調査の種類

工務店・ビルダーは、施主とのトラブルを防ぐために、複数の観点から物件調査を行い、施主へと説明を行うことが重要です。

ここでは、物件調査の種類について解説します。


①現地調査

現地調査では、物件の現地に出向いて「建築上支障がない敷地かどうか」「法令上の制限はないか」などを確認します。

物件・周辺環境に関する書類は役所や法務局でも取得可能です。しかし、実際に見ることで、道路の状況、敷地の境界、地図との相違点などを正確に把握できます。

現地調査で確認する項目としては、以下が挙げられます。

▼現地調査の確認項目

  • 境界杭の場所(有無)、地図との相違の有無
  • 接道の長さ、道路の幅員
  • 擁壁、隣地との高低差、越境物の有無
  • 近隣の建物状況、交通状況
  • 周辺施設(学校、スーパー、病院など)
  • 事故・災害リスクの有無
  • 嫌悪施設の有無、騒音

現地調査については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

 ≫ 不動産の現地調査で確認する5つのポイント


②法務局調査

法務局調査では、法務局に備えられた不動産(土地・建物)の公的な情報を確認します。

工務店・ビルダーが土地の購入・住宅設計を行うにあたっては、土地の所有者や境界などの正しい情報を確認することが必要です。

法務局で確認できる書類として、以下が挙げられます。

▼法務局で確認できる書類

書類

概要

登記事項証明書
不動産の所有者や基本情報が記された公的な証明書
公図(地図に準ずる図面)
土地の位置関係や形状を確認できる図面
地積測量図
一筆の土地を測量して、土地の境界や面積を示した図面
建物図面
建物の形状や面積、寸法などを示した図面

なお、自治体によって区画整理された区域や地籍調査が未実施の地域など、法務局で正確な情報が取得できない場合は、自治体への問合せが必要です。

法務局調査については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 ≫ 法務局調査では何をする? 取得できる4つの書類と注意点


③役所調査

役所調査では、建築・設計上の制限や法規制などの情報について確認します。

住宅建築においては、建築基準法や都市計画法などのさまざまな法令上の制限が設けられています。設計段階でのトラブルを防ぐためにも、役所で規制内容や制限の有無などの確認が重要です。

役所調査で確認する内容は、以下のとおりです。

▼役所調査での確認項目

  • 建築基準法や都市計画法による建築制限
  • 建ぺい率・容積率・高さ制限・斜線制限・防火上の制限など
  • 道路の種類
  • ほかの規制の有無(宅地造成等規制法、沿道整備計画、各地域の安全条例など)

役所調査について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

 ≫ 【役所調査】調査の重要性と実施時の注意点


④ライフライン調査

生活に欠かせない電気・ガス・水道などのライフラインについても、物件調査で確認が必要です。

ライフラインの整備状況によっては、別途追加工事が必要になり、費用が増加したり、工期が延長したりすることが考えられます。そのため、事前に以下のような項目を把握しておくことが重要です。

▼ライフライン調査での確認項目

  • 上下水設備の有無
  • 電柱の位置、電線の引き込み状況
  • ガスの種類、供給状況

物件調査を実施する際の注意点

物件調査を実施する際は、対象の物件や施主からの依頼内容に応じて、確認ポイントを洗い出しておくことが重要です。

物件調査では、権利関係や法規制などの基本情報の調査に加えて、不動産の種別によって調査が必要になる項目があります。

そのため、土地購入や住宅建築、マンションのリフォームなどを実施する際は、対象の物件に応じた調査内容の確認が必要です。

たとえば、一戸建て・土地とマンションの調査内容として、以下のような項目が挙げられます。

▼建物別の調査内容

種別

調査内容

一戸建て・土地
  • 近隣建物との距離、日当たり、越境物
  • 接道状況(接道義務を満たしているか、計画道路が入っているかなど)
  • 地盤状況(地盤の強度、地盤改良の有無、埋設物の有無など)
マンション
  • ゴミの収集場所や共用スペースの管理状況
  • 管理規約の内容
  • 隣戸とのトラブルの有無
  • 設備状況(エレベーター、バリアフリーなど)

まとめ

この記事では、物件調査について以下の内容を解説しました。

  • 物件調査とは
  • 物件調査の種類
  • 物件調査を実施する際の注意点

物件調査では、現地調査や法務局調査、役所調査などの複数の調査を行うことで、住宅建築の可否や問題点などを事前に把握できます。

ただし、物件調査の内容は不動産の種別によって異なるため、事前に確認するポイントを洗い出しておくことが重要です。

また、施主とのトラブルを防ぎ、スムーズな施工へと移行できるように、物件調査を実施したあとは必要な情報を正しく伝えておくことも大切です。

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なお、敷地調査に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

 ≫ 【敷地調査】住宅建築を行う前に確認する5つのポイント

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