住宅営業ノウハウ

2020年に改正された建築士試験の受験資格について解説

建築士試験は一級・二級・木造の3種類があり、試験を受けるには一定の受験資格を満たす必要があります。受験資格の一つに“実務経験”が含まれていることで、これまで建築士試験をすぐに受けられなかった方もいるのではないでしょうか。

しかし、2020年3月1日に施行された改正建築士法によって、建築士の人手不足や高齢化を背景に、建築士人材を安定かつ継続的に確保することを目的として受験資格の内容が改正され、受験要件が変わりました。

これから建築士試験の受験を検討している人は、受験資格の改正内容について把握しておくことが大切です。この記事では、2020年から改正された建築士試験の受験資格について解説します。

(出典:国土交通省 住宅局建築指導課『令和2年から建築士試験の受験要件が変わり、新しい建築士制度がスタートします!』)

目次[非表示]

  1. 1.建築士の資格について
  2. 2.建築士試験における受験資格の改正内容
  3. 3.一級建築士
  4. 4.二級・木造建築士
  5. 5.まとめ

建築士の資格について

建築士は、建築士法において国家資格に位置づけられており、建築物の設計や工事監理などを独占業務として行うことができます。

建築士の資格には3つの種類があり、建築物の規模や用途、構造などによって対応できる建築物が異なります。それぞれ3つの資格と対応できる建築物は、以下のとおりです。

▼建築士の種類

種類

免許の許可

内容

一級建築士

国土交通大臣

一級建築士の名称を用いて、建築物の設計・工事監理などの業務を行える資格
二級建築士

都道府県知事

二級建築士の名称を用いて、建築物の設計・工事監理などの業務を行える資格
木造建築士

都道府県知事

木造建築士の名称を用いて、木造建築物の設計・工事監理などの業務を行える資格


​​​​​​​▼【種類別】対応できる建築物例

種類

内容

一級建築士
  • 高さが13m、または軒の高さが9mを超える建築物
  • 鉄筋コンクリート造または鉄骨造等で、延べ面積が300m2を超える建築物 
二級建築士
(一級建築士も対応可)
鉄筋コンクリート造または鉄骨造等で、延べ面積が30m2から300m2以内の建築物
木造建築士
(一級・二級建築士も対応可)
2階建てまでの木造建築物で、延べ面積が100m2から300m2以内のもの


(出典:国土交通省『建築士制度』/e-GOV法令検索『建築士法』)

建築士試験における受験資格の改正内容

2020年3月1日に施行された改正建築士法によって、建築士試験の受験資格が見直されました。受験資格が見直された目的として、建築士の人材を継続的かつ安定的に確保することが挙げられます。

法改正によって、試験合格後の免許登録までに実務経験を積んでいればよいことになりました。受験前の実務経験が必須でなくなったため、受験機会の拡大につながっていくと考えられます。

ただし、受験資格の内容や学歴によって実務経験の有無・年数が異なるため、事前によくチェックしておくことが重要です。

ここからは、一級・二級建築士および木造建築士の受験資格について解説します。

一級建築士

これまで建築士試験の受験要件とされていた“実務経験”について、2020年からの法改正後は“免許登録要件”に変更されています。

一級建築士の試験に関する、新たな受験資格と免許登録の要件については、以下のとおりです。

▼一級建築士の受験資格と免許登録要件

受験資格

  • 大学・短期大学・高等専門学校の卒業者(建築学科の指定科目を修めた者)
  • 二級建築士の有資格者
  • 国土交通大臣が同等と認める者

免許登録要件

  • 4年制大学:2年以上の実務経験
  • 短期大学(3年):3年以上の実務経験
  • 短期大学(2年)・高等専門学校:4年以上の実務経験
  • 二級建築士:二級建築士として4年以上の実務経験
  • 国土交通大臣が同等と認める者:所定の年数以上の実務経験


(出典:国土交通省 住宅局建築指導課『令和2年から建築士試験の受験要件が変わり、新しい建築士制度がスタートします!』)

二級・木造建築士

二級・木造建築士についても、一級建築士と同様に、学歴の要件を満たしている場合は、実務経験なしで試験を受験できるようになりました。

一級建築士と異なるのは、受験資格のなかに建築に関する学歴が必須になっていない点です。二級・木造建築士については、建築に関する学歴がない方でも受験できるケースがあります。

ただし、建築学科の学歴がない場合には、法改正前と同じく所定の年数の実務経験が受験資格要件として必要です。

二級・木造建築士の新たな受験資格と免許登録の要件は、以下のとおりです。

▼二級・木造建築士の受験資格と免許登録要件

受験資格

  • 大学・短期大学・高等専門学校・高等学校の卒業者(建築学科の指定科目を修めた者)
  • 7年の実務経験(学歴なしの場合)
  • 都道府県知事が同等と認める者

免許登録要件

  • 大学・短期大学・高等専門学校:実務経験なしで登録可能
  • 高等学校・中等教育学校:2年以上の実務経験
  • 都道府県知事が同等と認める者:所定の年数以上の実務経験


(出典:国土交通省 住宅局建築指導課『令和2年から建築士試験の受験要件が変わり、新しい建築士制度がスタートします!』)

まとめ

この記事では、建築士試験の受験を検討している方に向けて、以下の内容について解説しました。

  • 建築士の資格について
  • 2020年から改正された建築士試験の受験資格の内容

2020年3月1日から施行された改正建築士法によって、一級・二級・木造建築士における受験資格の要件が緩和されました。

これまで建築士試験を受ける要件として、建築関連の実務経験が必要でしたが、改正後は実務経験を積んでいない方でも受験が可能になりました。実務経験が免許登録要件となったため、試験に合格したうえで、所定の実務経験を積めば建築士としての登録を受けられます。

これまで実務経験がなく受験を断念していた方も、建築士試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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