工務店・ビルダーの持続的な安定経営をサポートする3つのポイント
近年、新型コロナウイルス感染症の流行やウッドショックなどによって、材料不足や木材の価格高騰が起きています。そのため、工務店・ビルダーの経営状況に影響を及ぼしているケースも少なくありません。
先行き不透明ななか、工務店・ビルダーが安定した収益を得るためには、経営者だけでなく、従業員が集客力や営業スキルを向上していくことも重要です。
本記事では、工務店・ビルダーの安定した経営の実現に向けて、従業員が取り組みたい3つのポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.ポイント①集客力を強化する
- 1.1.Web集客を取り入れる
- 1.2.Web広告を掲載する
- 1.3.イベントを開催する
- 2.ポイント②コミュニケーション力を養う
- 3.ポイント③計数感覚を身につける
- 4.まとめ
ポイント①集客力を強化する
工務店・ビルダーの経営を安定させるためには、継続的に顧客を獲得できる集客力を強化することが重要です。
集客力を強化するための有効な方法として、以下の3つが挙げられます。
Web集客を取り入れる
国土交通省が公表している『令和2年度 住宅市場動向調査報告書』によると、インターネット上で住宅に関する情報収集をする人の割合は、以下のようになっています。
▼インターネット上で物件の情報を収集する人の割合
収集する情報 |
割合 |
分譲一戸建て住宅 |
41.9% |
分譲マンション |
49.4% |
中古一戸建て住宅 |
44.3% |
中古マンション |
43.7% |
このように、約半数の方が分譲・中古物件に関する情報を取得する際にインターネットを利用していることが分かりました。
Web集客を行うことで、自社の認知拡大や問合せの増加、ブランディングにつながることが期待できます。
▼工務店・ビルダーにおけるWeb集客の例
- ホームページを作成して、Web検索ユーザーの流入、またはフォームからの問合せを促す
- SNSで企業アカウントを作成して、情報発信やユーザーとの交流を図る
ホームページ作成やTwitter活用のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
≫ 工務店・ビルダー集客を成功に導くホームページの構成要素と作成ポイント
≫ 工務店・ビルダーの集客を向上させるTwitter活用のポイント
(出典:国土交通省『令和2年度 住宅市場動向調査報告書』)
Web広告を掲載する
前述のように、インターネットで情報収集をする人が一定数いることから、Web広告の掲載についても工務店・ビルダーの集客に有効といえます。
Web広告とは、インターネット上のメディアに掲載する広告のことです。代表的な例としては、リスティング広告やディスプレイ広告、動画広告、SNS広告などが挙げられます。
これらのWeb広告を利用し自社の住宅商品や展示会・キャンペーン案内などを発信することで認知拡大や問合せ・来店の増加が期待できます。さらに、チラシやフリーペーパーなどと組み合わせると、集客の間口を広げられます。
▼Web広告の活用例
- リスティング広告で住宅商品ページに誘導する
- SNS広告で展示会や相談会などのイベント情報を案内する
- 工務店・ビルダー専用の、または住宅購入検討者向けのポータルサイトに自社情報を掲載する
工務店・ビルダーに適した広告施策については、こちらの記事でも解説しています。
≫ 工務店に適した広告とは?
また、リスティング広告の予算や運用方法については、こちらの記事もぜひご覧ください。
≫ 工務店・ビルダーの集客にリスティング広告は有効? 予算や運用方法を解説
イベントを開催する
住宅購入を検討している顧客との接点をつくりやすい場所として、イベントが挙げられます。『令和2年度 住宅市場動向調査報告書』によると、施工者に関する情報収集の方法として「住宅展示場」と答えている方が48.9%と最も多いことが分かりました。
画像引用元:国土交通省 住宅局『令和2年度 住宅市場動向調査報告書』
自社でイベントを開催する、または複数の工務店・ビルダーが参加するイベントに出展することで、認知拡大や商談への移行が期待できます。
また、新型コロナウイルス感染症の流行によって、住宅展示場や大規模な住宅フェアなどの開催が難しい場合は、オンラインでイベントを開催することも有効な方法の一つです。
▼オンラインイベントの開催方法
- バーチャルモデルハウスを公開する
- オンラインツールを活用してWeb相談会やセミナーを実施する
バーチャルモデルハウスについては、こちらの記事でも解説しています。
≫ 住宅展示場の新しいスタイル“バーチャルモデルハウス”で営業を効率化!
また、コロナ禍で住宅フェアに参加してリアルイベントを開催する際の注意点については、こちらをご確認ください。
≫ 関連企業が一堂に会する! コロナ禍で住宅フェアに参加するための注意点
ポイント②コミュニケーション力を養う
工務店・ビルダーの営業活動で成約につなげるためには、顧客と良好な信頼関係を構築することが欠かせません。そのためには、営業担当者のコミュニケーション力を養う必要があります。
Web経由の問合せや来店などの集客が十分あるにもかかわらず、商談で成約につながらないという場合、顧客と信頼関係を構築できていない可能性が考えられます。また、積極的に住宅商品・サービスを売り込もうとするあまり、かえって顧客から避けられてしまうこともあります。
顧客との信頼関係を構築するには、一方的な会話は避けて相手の話をよく聞き、気持ちに寄り添いながら話をすることが大切です。売り込む姿勢ではなく、顧客のニーズ・課題に対応するための提案を心がけると、相手の心理的抵抗感がなくなり、信頼を得やすくなります。
さらに、顧客によってニーズや課題が異なるように性格のタイプも異なります。相手の性格に合った話し方を取り入れると、より円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
コミュニケーション力を養うために身につけたいスキル・知識は、以下が挙げられます。
▼工務店・ビルダーの営業担当者に求められるコミュニケーションスキル
スキル |
スキル内容 |
傾聴力 |
相手の話を受け止めて、理解・共感する姿勢を示す力 |
論理的表現力 |
筋道を立てて分かりやすく伝える能力 |
顧客タイプ別の接客法 |
顧客の性格を分類して、そのタイプに応じて接客方法を変える力 |
顧客タイプ別の接客法や傾聴力については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
≫ 工務店・ビルダーの営業に役立つ顧客タイプ別の接客法を徹底解説
≫ 工務店・ビルダー営業で活躍できる傾聴スキルとは? 営業力アップのコツ
なお、売り込まない営業のコミュニケーション方法についても、こちらの記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
≫ 『売り込まない』営業はなぜ売れる? 必要な姿勢やコミュニケーション
ポイント③計数感覚を身につける
企業数字を捉えるための計数感覚を身につけることも重要なポイントの一つです。
計数感覚とは、資金計画や業績評価などの会社数字の変化と営業・マーケティング活動などの経営活動をリンクして考える力のことです。
計数感覚を身につけることで、数字を使って物事を捉えられるようになり、事業戦略に基づいた的確な営業判断・行動につなげられます。
工務店・ビルダーにおいては、住宅商品・サービスの新開発をはじめ、資材・設備におけるサプライチェーンの見直しなどに役立てられます。
計数感覚を身につけると、以下のような営業活動が可能になります。
▼計数感覚の体得によってできること
- 会社の資金計画に基づいて、住宅商品・価格・導入設備・資材などを見直す
- 業績の評価を踏まえて、非効率な営業プロセスやマーケティング手法を洗い出す
- 経営分析を行い、費用対効果の低い住宅商品広告の掲載を見直す
まとめ
この記事では、工務店・ビルダーの安定した経営に向けて従業員が取り組みたいポイントについて、以下の項目で解説しました。
- 集客力を強化する
- 営業コミュニケーション力を養う
- 計数感覚を身につける
工務店・ビルダーの安定した経営の実現には、継続的に顧客を獲得できる集客力が必要です。また、顧客と良好な関係性を構築して、成約につなげるためのコミュニケーション力も欠かせません。
さらに、具体的な会社数字に基づいて営業戦略やマーケティング活動を行うために、計数感覚を身につけることも大切です。
今回のポイントを押さえつつ、集客方法の見直しや営業スキルの習得などに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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