キッチンにお客さまが求めることとは?
住宅メーカーの営業にとって重要なポイントであるキッチンの接客。
キッチンに強いこだわりを持って住宅づくりを検討するお客さまがいた場合、より的確な提案が必要となるでしょう。
今回は “キッチンに対して、お客さまは何を求めているのか”という点に重点を置いて解説していきます。
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共同作業ができるキッチンがポイント
キッチンに立って料理をする=女性と無意識に考えてはいないでしょうか。
現実的に男性がキッチンに立つことはなく、料理をした経験がないという男性が多い時代もあったでしょう。
2019年に文化庁が発表した「生活文化調査研究事業報告書(平成30年度)」によると、「自分で料理をするか」という設問に対して「ほぼ毎日」と回答した女性は70.6%、男性は15.5%という結果でした。
このことから、男性がキッチンで料理をする割合はまだ低いように感じます。
しかし同設問に対し 「週1回以上料理をする」と回答した男性は40.6%いることもわかりました。
いまだにキッチンに立つのは女性の割合が多いものの、月1回以上料理をする男性も含めると、約5割の男性がキッチンに立つ機会があるので、将来的には夫がパートナーや子どもと料理を作ったり、パートナーと共にキッチンに立ったりすることも十分に可能性があるでしょう。
(出典:2019年 文化庁「生活文化調査研究事業報告書(平成30年度)」)
これからのキッチンづくりでは、夫婦ともにそれぞれの料理の負担を分け合いながら、共同で食事の準備ができるという点がポイントになりそうです。
現代のキッチンに求められていることとは?
時代の流れによってキッチンの使い方が変われば、キッチンの仕様も時代に合わせたものにしなければなりません。現代に求められているキッチンのポイントについて紹介します。
動きやすいキッチンの形
今までは女性1人がキッチンに立つ傾向があったため、効率よく動けるよう“クローズドキッチン”といわれるコンパクトなキッチンが主流でした。
しかし、例えば夫婦2人でキッチンを使うとなると、コンパクトであるがゆえに調理ツールや調味料の収納なども細々したものになったり、すれ違うたびに作業を止めなければいけなかったりと、空間にも使いにくさを感じる要因が出てきてしまいます。
クローズドキッチンは、一部の料理好きな人からは今でも絶大な人気を得ていますが、男性もキッチンに立つことがある現代の家庭ではオープンキッチンや対面式キッチンのほうが動線を広く使うことができ、対話を楽しむこともできることから人気のタイプとなっています。
こういった点に注目して、お客さまが抱いている現在のキッチンへの不満や、将来のキッチンの希望をヒアリングし、その不満や希望を探ることがポイントです。
作業しやすく、デザイン性のあるキッチン
複数で並んで作業がしやすい点から、コンロ・シンク・調理台・収納キャビネットが一体となった“システムキッチン”を採用する人が多くいる点も、現代の背景に対応したキッチンの選び方といえます。
システムキッチンのメリットとして挙げられるのは、天板がキッチン全体でフラットになっているため広々と使えて掃除や料理がしやすい点です。
調理台が広く取れると夫婦や親子などでの2人作業も快適なものになるので、連携プレーで料理を作ることができ、効率よく食事の準備ができます。
システムキッチンはIHクッキングヒーターかガスコンロか、収納にするか食器洗浄機をつけるかなど、その家庭ごとの使いやすい調理台の仕様にカスタマイズできるところも魅力です。
システムキッチンの収納は大きな引き出し型が主流になっていますが、大容量の収納でありながらも開けると一目で中を見渡すことができ、収納しやすい点もメリットです。
ダイニングやリビングから目につきやすいタイプに人気が高まっていることで、キッチンにもデザイン性を求める要望も多くなっています。
キッチンのお手入れのしやすさ
キッチンに対する声の中には“お手入れに時間を有してしまう”という不満が多く見受けられます。
システムキッチンには手入れのしやすさという点でも性能を高めた、不満を解消するようなキッチンが出ています。
例えば、コンロや換気扇の油汚れの手入れがラクなつくりや、シンク内のゴミをわざわざ集めなくても排水口に集まるような仕組みなど、衛生面で清潔に使い続けられる点に注目が集まっています。
住宅メーカーの営業が提案するべきポイントとは?
現代に求められているキッチンのポイントを紹介しましたが、住宅メーカーの営業としてキッチンの提案で行うべきことは何なのでしょうか。
生活の流れやキッチンの使い方についてヒアリング
お客さまの生活に関する質問はプライバシーに関わるため、唐突に営業から聞かれても、お客さまが身構えてしまう可能性もあります。
世間話のようにフランクに自然な流れで聞くことがベストです。
聞く内容としては「共働きなのか?」「帰宅は遅いのか?」「子どもはいるのか?」「料理はどのくらいの頻度で行っているのか?」「キッチンをメインで使う人は誰か?」など、その家庭の生活の面を把握することで提案する幅が広がります。
例えば、忙しい日々の中でしっかり料理をしている人にはダイニングテーブルがキッチンと一体になっているタイプを紹介したり、小さなお子さまがいるご家庭にはIHクッキングヒーターをおすすめしたりと、家事の負担や家族の安全面を考慮するとお客さまの不満や不便に感じている点を解消する提案ができるでしょう。
現在のキッチンの不満な点を聞き出す
現在住んでいる家のキッチンには不満があるのか、あるとしたらどういった点が不満なのかを確認することが大切です。
不満を解消するような提案ができるよう、家族がキッチンに何を求めているのかを探ることがポイントになります。
また、今まで接客をしてきたお客さまから聞いてきたキッチンの不満を頭に入れておくことで、先立って不満を予想することもできます。
営業活動の実績を生かし、提案力をアップさせましょう。
背景を聞き出しそれぞれのお客さまに合った提案をしよう
“キッチンに対して、お客さまは何を求めているのか”について紹介してきましたが、いかがでしょうか。
それぞれの家庭に見合ったオプションを提案し、お客さまの使いやすくて快適な暮らしの実現をサポートすることが、住宅メーカーの営業には求められます。
その家族に合ったキッチンづくりを提案していくためにも、お客さまがキッチンに何を求めているのかを考え、生活背景をしっかりと聞き出すことが、住宅メーカーの営業として大切なポイントになることを覚えておきましょう。