【住宅営業コツ】商談で断られたらどう切り返す? 住宅営業で使える4つのトーク術
住宅の提案時には、残念ながら、お客さまからお断りされてしまうケースもあるでしょう。
「お金がない」「まだ検討したいので……」というフレーズは、よく聞かれるお断り文句ですが、今後も良好な関係を維持するためには、お断りされたあとの適切なフォローも大切です。
本記事では、住宅提案時によく聞かれるお断り理由を例に挙げ、具体的なフォロー方法について解説します。
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お客さまがお断りする真意とは?
住宅営業では、お客さまからさまざまな理由でお断りされることがあります。
フォローをせずに会話を終わらせてしまうと、その後の関係性にも影響を与えてしまうため、「なぜこのような断り方をするのか」という真意に目を向けることも大切です。
お断りする真意には、
- メリットや価値を感じていない
- 話を聞くのが面倒
という2つの理由が主に挙げられます。
「時間がない」「お金がない」「今はまだ結構」といったお断りの場合にも、実際には上記のような2つの本音が隠れていることがあります。
住宅は一生に一度の大きな買い物です。商品やサービスに対して悩みや不安を持っていたり、競合他社との選択で迷っていたりと、簡単に購入を決めることは難しいでしょう。
お客さまのニーズに適した提供をし、両者にとってよい成約を実現するためにも、丁寧なフォローが大切です。
フォローの基本ステップ
お客さまからのお断りを受け止め、フォローしていくためには4つの基本ステップがあります。
- 理解
- 質問
- 確認
- 提案・理由付け
それぞれのステップについて詳しく見てみましょう。
1.理解
お断りをされた際、すぐに別のご提案をするのはよくありません。なぜなら、お客さまが「自分の話をきちんと聞いてもらえていない」と感じ、不信感や嫌悪感を抱かれる可能性があるためです。
お客さまの話をしっかり聞いて、心情に理解を示しましょう。また、対応に時間をいただいたことへの感謝や、相づち・復唱で同意を示すことも大切です。
2.質問
「検討します」などのネガティブな反応をされたりすると、「そうですよね」「分かりました」と身を引いてしまいますが、今後の関係性を良好に保つには、「お客さまが本当は何を考えているのか」を明確にすることが重要です。
そのためには、お客さまが一歩踏み出せない理由を確認する質問を投げかけて、本音を引き出し、整理する必要があります。「一番気になっていることは○○ですか?」「何かお悩みの点などはありませんか?」といった質問が効果的です。
3.確認
自身の認識とお客さまの認識にズレがないかを確認するステップも大切です。
「○○の件が気掛かりになっているということですね?」「お話を整理すると、○○について知りたいということでしょうか?」など、お客さまとのやり取りを整理することで、その後のトークをスムーズに進められます。
「自分の気持ちをしっかり汲み取ってくれている」と思ってもらえて、信頼にもつながるでしょう。
4.提案・理由付け
お客さまの本音でもある不安やニーズに対して、適切な解決策を提案しましょう。
具体的には、別の料金プランやサービスを提案する、買う・買わないのメリット・デメリットを伝えるなどの方法が挙げられます。また、解決策を提案する際は、なぜその商品・サービスをお客さまに提案しているのか、根拠となる理由を伝えることも必要です。
このとき、お客さまの考えを否定したり、議論で論破したりすることは目的ではありません。あくまでコミュニケーションを通じてお客さまの本音を引き出し、提案によって不安を解消することがポイントといえます。
住宅営業で使えるトーク術! 4つの例題から解説
ここでは、よくある4つのお断りフレーズをもとに、フォロー方法の例を紹介します。
お断りフレーズ ①:「今は必要ない」「まだ考えていません」
見込み度の高いお客さまでも、提案をした後に「今は必要ないので……」「まだ考えていません」などと断られることがあるでしょう。
このような場合、お客さまは「家を購入したい」と漠然に思いつつも、「具体的にどのような家が欲しいのか」「自分はどうすべきなのか」は明確になっていないことが考えられます。
このようなケースでは、以下のようなフォローが考えられます。
- 私たちのお客さまも、初めはそうおっしゃる方が大半です。一度住宅を見ていただくと、興味を示されます。今後もし購入するとなれば、どのような住宅をお考えですか?
- 一度予算や物件のことを知っていただけると、購入をご決断される方もいらっしゃいます。このような悩みはありませんか?(チェックリストなどを見せるのも有効)
お客さまに自社の住宅の価値を知ってもらうことがポイントです。
お断りフレーズ ②:「忙しい」「時間がない」
電話でのアポイントメントは、仕事や忙しいといった理由で断られることがあります。この場合、お客さまは「営業が長引くから面倒」と感じているケースが考えられます。
「お忙しいところ申し訳ありません。」などのひと言を加えたあと、以下のようにフォローしてみましょう。
- 3分で結構ですのでお時間をいただけないでしょうか?
- お話を聞かせていただくだけで構いません。
お客さまに「ちょっと聞いてみるか」「それくらいの時間なら聞いてみよう」と思ってもらうことが重要です。
お断りフレーズ ③:「他社に決めようと思っている」
すでに検討している他社があると言われた場合には、以下のようなフォロー方法が挙げられます。
- ○○会社さまはおしゃれなデザインで評判もよい会社ですよね。ただ現状で何か気になることや悩みなどはありませんか?
- 住宅は一生ものの買い物ですから、慎重に判断したいと思いますよね。よろしければ、私どもの住宅設備やデザインなども一度ご覧になりませんか?
競合他社の悪口を言う・自社と比べて低評価にすることはよくありません。
お客さまの選択を肯定する姿勢を崩さないようにしましょう。
お断りフレーズ ④:「予算が合わない」「高い」
価格が高いことを理由に断られた際は、別の料金プランを示したり、視点を変えて費用を伝えたりする方法もあります。
- 確かにお高く感じてしまいますよね。ただこの住宅はあくまで一例で、設備や間取りをシンプルにすれば、○○万円内で住宅が建てられます。
- トータル費用は高く感じますが、現在の家賃を考えると、毎月のローン返済額は○○万円と大きく変わらないのです。
- 最近は住宅ローンにもさまざまな種類がございまして、夫婦の働き方に応じて最適なプランを検討いただけます。一度複数のローン返済プランをシミュレーションしてみませんか?
予算内で契約できることを認識してもらい、お金に関する悩みや疑問が解消されることで、その後の提案につなげられるケースもあります。
まとめ
住宅営業では、残念ながら、お客さまからお断りされてしまうこともあります。
そのような際には、お客さまの言葉を真摯に受け止め、今後の関係性を維持するための適切なフォローが大切になります。
丁寧に質問を繰り返しながら真意を探しましょう。
お客さまの不安やニーズを掘り下げることで、本音にアプローチできるようになります。
なお、お客さまとのコミュニケーションスキルを向上するには、覆面調査を通じて接客診断を行う『LIFULL HOME'S接客診断』も有効です。お客さまの目線で課題が抽出されるため、商談スキルや成約率向上に役立つでしょう。