営業トーク成功の鍵は“聞く力”? 効果的な商談に必要な5つのポイント
自社の商品やサービスの売り上げに直結する営業トーク。「熱心に取組んでいるはずなのに、なかなか業績につながらない」とお悩みの方や、営業職に就いたばかりで「何から話せばよいのか分からない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、商談を効果的に進めるための5つのポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.顧客心理を知ろう
- 1.1.お客様が知りたい情報をくみ取る
- 1.2.ヒアリングで潜在欲求を聞き出す
- 1.3.ニーズに合ったメリットをうまく伝える
- 2.売れる商談の基本! 4つのプロセスで展開する営業トーク
- 3.売れる営業トークを進めるための5つのポイント
- 3.1.商談の目的を伝える
- 3.2.質問はできるだけ具体的に行う
- 3.3.お客さまの目指すゴールや目的を確認する
- 3.4.自社商品の説明は事例を交えて行う
- 3.5.反論は一度受け止めて肯定する
- 4.まとめ
顧客心理を知ろう
営業において、お客さまの心理を理解することは非常に重要です。
お客さまの行動や話の内容を理解し、どのようにアプローチするかで、営業の質や成約率が大きく変わってきます。
お客様が知りたい情報をくみ取る
初めてお客さまと対面する際、お客さまは「どのような家を建てられるのか」という疑問を持つ以前に、「営業担当者が親身になってくれるか」「この会社に任せられるか」という点に着目しています。
そこで注意が必要になってくるのは、営業担当者が一方的に情報を伝えるのではなく、お客さまの要望を把握することです。
住宅展示場に来場されたときは、どのような家を建てたいのか決まっていなかったり、一戸建てかマンションかで迷っていたりすることもあるでしょう。
こうしたお客さまの悩みを聞き取りもせずに注文住宅に関する情報を伝えるのはよくありません。お客さまにとっては具体的なイメージが湧かず、話を聞いていただけないでしょう。
お客さまに耳を傾けてもらうためには、まずは知りたい情報を引き出すことが重要です。たとえば、第三者の意見を使って質問をするという方法が挙げられます。
「よくほかのお客さまから、住宅の建設にかかる予算はどれくらい必要なのか聞かれることがありますが、お客さまはご存じでしょうか?」
というように、お客さまが知りたそうな情報を質問を交えながら伝えることで、お客さまが本音を話しやすくなります。
こうした会話を続けることで、お客さまに「もっと詳しく教えてほしい」と感じてもらえるようになり、自然とコミュニケーションが取りやすくなります。
ヒアリングで潜在欲求を聞き出す
住宅営業の最初のステップは、お客さまの希望をヒアリングすることから始まります。一般的には、はじめに簡単なアンケートを取得したあと、予算や年収、家族構成などを聞き出し、その内容に合わせたプランを提示するという手順です。
しかし、これらはあくまで家を建てるために必要な最低限の情報です。
どのような家を建てたいのか、理想をきちんとヒアリングできていなければ、「営業担当者だけで話を進めている」などと感じさせてしまうでしょう。
お客さまから進んで相談してもらうためには、お客さまがどのような理想や要望を持っているのかを聞き出すことが大切です。
どのような要望があるのかをじっくり聞くことで、提案できる選択肢の幅が広がります。また、お客さまと一緒に考えながら住宅づくりを進められるようにもなるでしょう。
ニーズに合ったメリットをうまく伝える
ヒアリングによってお客さまの要望を把握したあとは、そのニーズに合わせた自社の強みやメリットをアピールすることが重要です。
たとえば、こだわりのデザインや選べるプランが強みの場合で考えてみましょう。
「当社では数十種類のデザインから好きな床材や壁が選べます」と伝えるよりも、「お客さまがお好きなブルックリンスタイルのお部屋が実現できます」と伝えて事例写真を見せるほうが、イメージが湧きやすく購買意欲の向上につながります。
そのほか、ライフステージの変化にともなってリノベーションを検討しているお客さまには、「お子さまが増えたときや、夫婦のセカンドライフに合わせて間仕切りが調節できます」など、将来的に有益となる情報を伝えることも効果的です。
お客さまがまだ気づいていないニーズを見極めることで、満足度も向上します。
売れる商談の基本! 4つのプロセスで展開する営業トーク
お客さまとの商談を効果的に行うためには、営業トークをどのように組み立て展開するかが重要です。
まずは、営業の基本とされる4つのプロセスをおさらいしましょう。
- アイスブレイク
- ヒアリング
- プレゼンテーション
- クロージング
商談では、自社や商品・サービスの魅力を理解してもらうことが大切なのは言うまでもありません。しかし、それ以上に重要なのが、お客さまにその魅力を理解してもらうことです。
まずは、アイスブレイクで緊張した雰囲気をほぐすために、共通の話題やお客さまがよろこぶような話題を振りながら、お互いの自己紹介を行います。
その後、お客さまの感じる不安や悩みを聞き出すヒアリングに移ります。
ヒアリングでは、お客さまが現在抱えている課題や悩み、詳しい状況を聞き出して、その後のプレゼンテーションで商品・サービスの提案につなげるのがねらいです。
プレゼンテーションでは、カタログや提供資料に掲載されていることだけでなく、お客さまが抱える課題と結びつけて導入のメリットを説明すると、より熱心に耳を傾けてもらえるでしょう。
さらに、リスクやデメリット、その対策方法まで説明すると、契約後のトラブル防止になるだけでなく、お客さまにも「正直な会社」と感じてもらえるはずです。
最後のクロージングでは、次回の訪問日や、契約を交わした場合の担当者名など、具体的な内容を詰めていきます。
この際、強制感が出ないように、お客さまに選択肢を与えたり、詳しいスケジュールを提案したりして、契約後のスケジュールをイメージしやすいようにすることが大切です。
売れる営業トークを進めるための5つのポイント
商談のねらいは、自社商品やサービスの魅力やよさを理解してもらい、購入を決めてもらうことですが、重要なのは、「この人から買いたい」と思ってもらうことです。
ほかの営業との差別化を図り、売れる営業トークをスムーズに展開するために、下記5つのポイントを心得ておきましょう。
商談の目的を伝える
まず、商談の目的をお客さまにしっかりと伝えておくことです。
商談開始前には、素朴な疑問や共通の話題を投げかけてお互いに話しやすい場をつくる必要があります。しかし、それによって目的意識が薄まらないようにする必要があります。
「本日は、〇〇さまの課題を解消するための方法を見つけるためのお時間にしたいと考えています。」などと、商談の目的を伝え、お客さまの確認を得ることからスタートします。これにより、お客さまの気持ちにスイッチを入れ、こちらの話に意識を向けてもらえるでしょう。
質問はできるだけ具体的に行う
前述の4つのプロセスで説明したように、ヒアリングの目的は、お客さまの悩みや課題、困っている点を聞き出すことです。
しかし、現状に対する不満や思うような成果を出せない原因が何なのかをはっきりと把握できていないお客さまもいらっしゃいます。
お客さま自身が気づいていない課題や、自社商品やサービスの提案に結びつけるための悩みを引き出すためには、具体的な事例を挙げて答えやすい質問をすることが大切です。
「今回〇〇を変更するに至った背景をお聞かせいただけますか」
「こちらの課題に対してAとBの方法がありますが、お客さまのお気持ちはどちらが近いでしょうか」
「なぜそのようにお思いですか」
など、できるだけお客さまの本音を聞き出せるような質問を投げかけましょう。
そのために、事前にお客さまのニーズや課題をリサーチし、具体的な質問をまとめておくことも必要です。
お客さまの目指すゴールや目的を確認する
具体的な質問によってお客さまの課題やニーズを聞き出したあとは、お客さまの目指すゴールや最終的な目的を確認しましょう。
「現在抱える問題を解決して、どのような結果や状態を手に入れたいですか」「複数ある目的のうち、とくに譲れないことはどれですか」など、お客さまの理想とする結果や目的を聞き出します。
自社の商品やサービスの導入により、お客さまの目指すゴールや目的の実現につなげられるとアピールできれば、お客さまが購入を検討する際の判断材料になるでしょう。
自社商品の説明は事例を交えて行う
これは営業トークに限ったことではありませんが、言葉で分かりやすく説明するという行為には限界があります。
たとえば、あらゆる言葉の表現を使って商品やサービスのよさをいくら熱弁したとしても、お客さまがそれらをイメージできなければ、こちらの説明が伝わったとは言えません。
プレゼンの際、ビジュアルやイラストを用いた説明に加えて重要となるのが、実際に自社商品・サービスを導入している企業の事例、ユーザーコメントなどを交えながら話すことです。
導入によってどのような恩恵を受けられるかを具体的に示すことで、お客さまに自社商品・サービスの魅力をよりイメージしてもらいやすくなります。その際、お客さまが興味を持った事柄から順に話すこともポイントです。
反論は一度受け止めて肯定する
営業トークを展開していくなかで、お客さまからの反論を受けることもあります。ここで大切なのは、「お客さまからの反論=商品・サービスを否定している」と結論づけないことです。
お客さまからの反論の多くは、あくまでも反応であり、営業を否定しているわけではないことを理解しておきましょう。
そして、反論された際は、意見を述べてくれていることに感謝し、「おっしゃるとおりです」「たしかにそうですね」と、一度お客さまの反論を受け止めます。そこから、自社商品・サービスの導入前に不安を抱えていた導入企業の事例を紹介したり、別の商品や方法を提案したりしながら、営業トークを進めましょう。
まとめ
“話術”を身に付けることが重要と思われがちな営業トークですが、商談現場で実際に重要となるのは、お客さまが話しやすい雰囲気をつくることや、お客さまの話にきちんと耳を傾けられる“聞く力”を持つことです。
効果的な営業トークには、“笑顔で挨拶する”“早口にならないよう注意する“といった基本的なポイントを押さえることが大切です。そのうえで、4つのプロセスに沿いつつ、お客さまの悩みやゴールに寄り添い、リスク・デメリットも隠さずに説明するという誠実な対応が求められます。
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「自社の営業レベルにばらつきがある」「営業トークが効果的に行われているか分からない」というお悩みをお持ちの場合には、課題の抽出や商談スキル向上のためにぜひご活用ください。