成約率を高める!土地なし顧客向けの提案術と土地探しの秘訣
工務店・ビルダーの営業活動では、土地を持たない顧客から問合せがくるケースもあります。この場合、顧客の要望に沿った土地探しから始める必要があるため、成約につながりにくいといった課題があります。
土地を持たない顧客へ提案を行う際は、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
そこでこの記事では、土地を持たない顧客への住宅営業が難しいとされる理由をはじめ、提案時のポイントについて解説します。
目次[非表示]
土なぜ土地を持たない顧客は契約が難しいのか?主な理由とは
土地を持たない顧客への住宅営業が難しいとされる理由は主に3つあります。
①要望を満たす土地が見つけにくい
・希望エリア・形状・価格・環境など“100%理想”の土地は希少。
・建築基準法や規制によって建てたい家が建てられないケースも。
・人気の条件は競争が激しく、土地情報のスピード勝負。
ひと口に土地といっても、エリア・形状・周辺環境・価格など、条件はさまざまです。顧客の要望にマッチする土地を見つけることは決して容易ではありません。
たとえ顧客の要望を満たす土地が見つかったとしても、建築基準法や規制区域などによる制限によって、希望する建物を建てられない場合もあります。
また、条件のよい土地というのは、ほかの工務店・ビルダーや土地の仕入れ事業者からも人気です。土地の売り出し情報をすばやく収集できる業界内のつながりがなければ、顧客への土地付けが難しくなり、土地提案の時点で失注してしまうケースがあります。
②成約までの道のりが長い
・土地+建物で予算が膨らむため、決断まで時間がかかる。
・「もっと良い土地があるかも」と迷い長期化しやすい。
・時間が経つほど購入意欲が下がり、他社流失のリスクが高まる。
土地を持たない顧客の場合、建物のみを購入するよりも費用がかかるため、契約への決断がより慎重になりやすいです。
顧客が「もっとよい土地があるのでは」と考え、納得できる土地が見つかるまでに長い時間がかかる可能性もあります。
このような理由で土地提案の期間が長期化すると、顧客の住宅購入に対するモチベーションが低下し、契約につながりにくくなることもあります。
③競合が多く選択肢が多い
土地を持たない顧客は、住宅業界での競合性が高くなります。理由は、土地を持たない顧客の場合、注文住宅以外にもさまざまな選択肢があるためです。
▼土地を持たない顧客が住宅を購入する際の選択肢
- 建売住宅
- 建築条件付きの土地
- マンション
- 既存物件のリノベーション
これらのように複数の選択肢があるため、顧客が納得する土地を提案できなければ、競合他社で契約されてしまう可能性が高まります。
土地なし顧客への住宅提案成功のための4つのポイント
土地を持たない顧客への住宅営業を成功させるには、提案時にいくつかのポイントがあります。
ここからは、土地探しを円滑に進めて契約につなげるための提案ポイントを4つ紹介します。
①土地要望のハードルを下げる説明を徹底
土地探しをスタートする前に、顧客へ100%の要望を満たす土地を見つけるのは難しいと伝えることがポイントです。
たとえば、地価を気にして土地探しを行う顧客に対しては、地価が需要・供給によってつねに変動している旨を伝えます。これにより、現在の地価が将来の地価を保証するものではないことを理解してもらえます。
土地や地価の仕組みを説明して土地探しの難しさを理解してもらうことで、顧客が抱く土地に対する要望のハードルを下げてもらえます。
それにより土地条件の許容範囲が広がり、購入ラインとなる土地を見つけやすくなります。
また、条件をある程度満たす土地が見つかった場合に、その土地に対する満足感を得やすくなり、契約につながる可能性も高まります。
②土地の予算・相場を早い段階で明確化
土地提案の前に予算と相場を伝えることも重要です。
まず、土地 + 建物の総予算、建物に対する顧客の要望をヒアリングします。そのうえで、「この予算・この建物なら土地に○○万円充てられる」といった土地予算の目安を示すことがポイントです。
さらに、「ご要望の土地なら○○万円くらいが相場です」という土地の相場価格も伝えましょう。
予算で購入できる土地の条件、相場観を顧客に把握してもらうことで、土地選びにおいて現実的な視点が生まれ、契約につなげやすくなります。
また、「この条件でこの価格なら好都合」といった納得感も訴求することが可能です。
③検討期限・提案回数を約束して“ズルズル長期化”を防ぐ
土地を提案する前に、土地の提案回数・検討期間をあらかじめ顧客に提示することもポイントです。検討期限を決めておくことで、慎重な方や要望が多くなかなか契約に踏み切れない方に対して決断のきっかけを与えられます。
顧客自身が「期限に間に合うように土地を探そう」と前向きに検討できるようになれば、土地提案の長期化を防ぐことが可能です。
スムーズに土地探しが進むことで、顧客の住宅購入に対するモチベーションを維持できます。
④検討度合い・他社状況を確認し、差別化戦略を立てる
土地を持たない顧客のなかには、複数の住宅会社で土地探しを行っているケースもあります。
注文住宅に限らず、建売やマンションなどの住宅を検討している可能性も考えられるでしょう。
競合他社で先決されてしまうのを防ぐには、土地提案の際に「自社での契約をどの程度検討しているのか」という検討度合いを確かめることがポイントです。
▼土地提案の際に確認する内容
- 競合他社での土地探しの状況
- 現時点で候補となっている土地の有無
- 注文住宅以外で検討している住宅の有無
顧客の検討度合いを確認することで状況に応じた効果的な提案を検討できるようになり、契約につなげやすくなります。
まとめ
土地を持たない顧客への住宅営業では“売れる営業マンの4原則”が重要!
・要望を現実的なレベルに整理してもらう
・予算と相場を数字で具体的に伝える
・検討期限・回数を最初に決めておく
・状況を聞き取り自社の強みで差別化する
この4つの流れを意識することで、土地探しから住宅契約までグッと短縮&成約率UPを実現できます。
土地なし顧客のフォローや失注が多いと感じたら、今回紹介したノウハウをぜひ商談現場で活用してください。