住宅営業ノウハウ

【2026年】省エネ住宅キャンペーンまとめ|変更点や活用方法など

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新築住宅や既存住宅の省エネリフォームを検討する施主や住宅事業者にとって、「どの補助金をどのように組み合わせて申請すればよいのか」は悩ましいポイントです。

住宅省エネキャンペーンを知らないと本来受けられるはずの補助を逃し、結果的に工事費用の負担が増えてしまう可能性もあります。

本記事では、各対象事業の概要をはじめ、申請時の注意点について分かりやすく解説します。補助金申請をスムーズに進めるためにぜひ参考にしてください。

「住宅省エネ2026キャンペーン」とは?

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して住宅の省エネ化を強力に支援する補助金制度の総称です。

住宅分野の脱炭素化・省エネ化を一気に進めることを目的としています。

2025年キャンペーンから大きく4つの変更点

2026年の住宅省エネ補助金は、住宅事業者に関わる新築の着手基準が「基礎工事そのものの着手」に変わり、予算が上限に達すると申請期限が前倒し終了になる可能性もあります。リフォームは窓工事が必須となり、給湯器など設備要件も厳格化するため、住宅省エネキャンペーンの要点を押さえておく必要があります。

ここでは大きく変わる4つのポイントについて解説していきます。

新築の着手基準が「基礎工事」に変更された

新築住宅の補助金については、着手の基準が「基礎工事完了後の工程」から「基礎工事そのものの着手時点」へと厳格化されています。

原則として、2025年11月28日以降に基礎工事を開始した物件のみが対象となり、それ以前に着手している場合は補助の対象外となります。

そのため、設計や契約の時期も含めて全体の工程を逆算し、基礎工事の開始日を厳密に管理することが重要です。

※具体的な手続きや最新の制度内容については、必ず公的機関や専門家の最新情報をご確認ください。

新築の補助金額が調整された

標準的なZEH水準住宅については、補助額が35万円へと減額される一方で、より高い省エネ性能を備えた「GX志向型住宅」には、最大110万〜125万円という手厚い補助が用意されています。

また、注文住宅のZEH水準枠は普及が進んだことを理由に、交付申請期限が2026年9月30日までとされています。補助を活用する場合は、目指す性能水準とあわせて、補助金申請の終了時期を早めに確認しておくことが重要です。

リフォームで「窓工事」が必須化された

みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠では、補助金を受けるために窓工事が必須条件になっています。

工事は次の3つに分類されています。

  1. 開口部(窓・ドアなど)の断熱改修
  2. 外壁・屋根・天井・床などの断熱改修
  3. エコ住宅設備の設置

どの組み合わせにも必ず窓やドアなど開口部の断熱改修が必須です。

従来のようにキッチンやトイレの交換だけを行うリフォームでは補助金の申請ができないので注意してください。

設備機器の要件が厳しくなった

給湯器補助において、エコキュートは従来の標準モデルが対象外となり、翌日の天気連動機能などを持つ「A要件」以上の高性能機種が必須となります。

窓リノベ事業でも断熱性能の低い「Aグレード」の一部は対象外となります。給湯器・窓ともに、単に省エネ機器を導入するだけでなく、「より高性能な機器への更新」を促す制度へと移行しつつあります。

※本稿では便宜上、事務局が示す要件区分(通称)を「A要件」等と表記しています。

要件の正式表現は公表資料をご確認ください。

【事業別】補助対象・金額・要件まとめ

「住宅省エネ2026キャンペーン」が始まり、リフォーム内容に応じた申請が必要になります。

ここでは、それぞれ4つの事業内容について解説していきます。

みらいエコ住宅2026事業

子育て世帯を対象とした長期優良住宅・ZEH水準の新築や、全世帯が対象となる高性能なGX志向型住宅の建設、さらに幅広い省エネリフォームを支援する補助事業です。

概要をまとめると以下のとおりです。

区分

対象世帯

対象

補助金額(1戸当たり)

新築

全世帯

GX志向型住宅

110万円(1〜4地域:125万円)

新築

子育て世帯/若者夫婦世帯

長期優良住宅

75万円(1〜4地域:80万円)

※除却あり +20万円

新築

子育て世帯/若者夫婦世帯

ZEH水準住宅

35万円(1〜4地域:40万円)

※除却あり +20万

リフォーム

全世帯

省エネ改修(性能で上限が変動)

上限40〜100万円

(下の4パターン)

リフォームの「上限40〜100万円」の内訳(4パターン)

  • 平成4年省エネ基準未満 → 平成28年基準相当:上限100万円
  • 平成4年省エネ基準未満 → 平成11年基準相当:上限50万円
  • 平成11年省エネ基準未満 → 平成28年基準相当:上限80万円
  • 平成11年省エネ基準未満 → 平成11年基準相当:上限40万円

リフォームでも、断熱性や省エネ性など住宅の性能を上げる工事に対して、1戸当たり最大100万円の補助金が交付される場合があります。

先進的窓リノベ2026事業

窓の断熱改修に特化した補助事業です。断熱性に優れた窓交換・ガラス交換に対して、1戸当たり最大100万円の補助を受けられます。

概要をまとめると以下のとおりです。

工事
一戸建て(小→特大)
中高層集合(小→特大)

ガラス交換

SS 1.1〜7.8万円 / S 0.7〜5.3万円 / A 0.5〜4.1万円

SS 1.2〜8.6万円 / S 0.8〜5.9万円 / A 0.6〜4.5万円

内窓設置

SS 3.6〜14.0万円 / S 2.2〜7.6万円(※Aなし)

SS 4.0〜15.2万円 / S 2.4〜8.3万円(※Aなし)

外窓交換(カバー工法)

SS 8.9〜23.9万円 / S 6.0〜15.6万円 / A 4.1〜11.6万円

SS 9.2〜30.2万円 / S 6.2〜20.2万円 / A 5.4〜17.4万円

外窓交換(はつり工法)

SS 6.9〜19.4万円 / S 4.4〜11.7万円 / A 2.9〜8.6万円

SS 9.2〜30.2万円 / S 6.2〜20.2万 / A 5.4〜17.4万円

2026年度からは、面積4m2以上の「特大サイズ」区分が新設され、大型の窓を改修する場合の還元がさらに手厚くなりました。

給湯省エネ2026事業

家庭用エコキュートやハイブリッド給湯器、家庭用燃料電池(エネファーム)といった高効率給湯器の導入に対し、1台当たり7万〜最大17万円の補助が受けられる事業です。既存の電気温水器などからの買い替えの場合には、古い機器の撤去費用として2万〜4万円が補助金に加算されます。

初期費用の負担を抑えながら給湯にかかる光熱費削減を強く支援しています。

賃貸集合給湯省エネ2026事業

賃貸住宅のオーナーを対象に、アパートなどの給湯器を高効率型のエコジョーズやエコフィールへ交換する費用を、1台当たり5万〜10万円補助する補助事業です。住戸ごとにバラバラに提案するのではなく、全室まとめて一括交換する提案もしやすくなります。

入居者の光熱費負担を抑えながら、物件の付加価値向上や空室対策にもつながります。

住宅省エネ2026キャンペーンの申請スケジュール

住宅省エネ2026キャンペーンの対象となるのは、2025年11月28日以降に着手した工事であり、実際の交付申請や予約の受付は2026年3月下旬から開始される予定です。

また、いずれの事業も予算上限に達し次第、受付終了となります。

そのため、早期終了の可能性があることを周知しておくのが大切です。

キャンペーンをフックに案件獲得する活用例

住宅省エネ2026キャンペーンをきっかけに、新築だけでなくリフォームや設備更新まで幅広く提案することで、相談や問合せにつなげることができます。

ここでは、工務店・リフォーム事業者にとって有効な活用例をいくつか紹介します。

子育て世代ではない新築でも100万円以上の補助金

年齢や家族構成を問わず、断熱等級6以上を満たす「GX志向型住宅」を提案することで、1戸当たり最大125万円の補助金を活用できるのが大きな特徴です。

これまで補助金の対象になりにくかった単身世帯やシニア世帯に対しても、高性能住宅へのグレードアップを、光熱費の削減や住まいの快適性向上につながる「おトクな投資」として提案しやすくなります。

住宅性能を高めることで、日々の暮らしの質が向上するだけでなく、将来的なランニングコストの軽減にもつながる点は、幅広い世代にとって大きな魅力といえるでしょう。

リフォーム前後の省エネ性能差が大きいほど補助上限額が向上

リフォーム前後の省エネ性能の差が大きいほど、補助金の上限額が高くなる仕組みのため、築古住宅を一気に最新基準レベルまで引き上げるリフォームを提案することで、最大100万円の補助枠を効果的に活用できます。

必須となった「窓の断熱」を入り口に、水まわり設備の更新や床・壁の断熱強化を組み合わせ、「性能向上フルリノベーション」として提案することで、住まい全体の快適性と省エネ性を高めながら、成約単価の向上も期待できます。

賃貸オーナー向けに給湯器交換を提案する

賃貸住宅のオーナーに対しては、補助金を活用して自己負担を抑えつつ、全室の給湯器を一括で高効率機へ更新し、「入居者のガス代削減」を前面にアピールできます。

新しい設備の導入は、長期的な資産価値を高め、空室対策や物件の競争力向上といった経営課題の解決にもつながります。

記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで振り返っておきましょう。

Q:住宅省エネ2026キャンペーンは、どんな仕組みですか?
A:国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して、新築住宅と省エネリフォームを対象とした補助金制度です。

Q:2026年度は、新築やリフォームの条件がどう変わりますか?
A:新築は着手基準が「基礎工事」に変わり、原則2025年11月28日以降に基礎工事を始めた物件が対象となります。また標準的なZEH水準住宅は35万円へ減額し、GX志向型は最大110万円〜125万円と手厚くなります。リフォームは窓改修が必須となり、設備要件も高性能化が求められます。

Q:主な補助事業には、どんなものがありますか?
A:みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業の4つの補助金事業があります。

Q:申請のタイミングと、早期終了の注意点は何ですか?
A:対象は2025年11月28日以降に着手した工事で、交付申請や予約は2026年3月下旬から始まる予定です。各事業は予算上限で終了するため、都度公式HPを確認しておくようにしましょう。

Q:補助金を最大限活用する方法はありますか?
A:子育て世帯でなくても全世帯対象のGX志向型住宅なら最大125万円の補助が受けられます。賃貸オーナーへは給湯器交換を住戸ごとにバラバラに提案するのではなく、全室一括更新を提案することも可能です。

執筆者

瀧澤 成輝(二級建築士)

住宅リフォーム業界で5年以上の経験を持つ建築士。

大手リフォーム会社にて、トイレや浴室、キッチンなどの水回りリフォームを中心に、外壁塗装・耐震・フルリノベーションなど住宅に関する幅広いリフォーム案件を手掛けてきた。施工管理から設計・プランニング、顧客対応まで、1,000件以上のリフォーム案件に携わり、多岐にわたるニーズに対応してきた実績を持つ。

特に、空間の使いやすさとデザイン性を両立させた提案を得意とし、顧客のライフスタイルに合わせた快適な住空間を実現することをモットーとしている。現在は、リフォームに関する知識と経験を活かし、コンサルティングや情報発信を通じて、理想の住まいづくりをサポートしている。

編集部
編集部
工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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