建設業の独立開業で起こりやすい3つの失敗例と回避策
建設業での就業経験があり、一定の技術を持つ人でも、独立開業に失敗してしまうケースは少なくありません。
独立開業を検討しているものの、「問題なく経営していけるだろうか」「安定した収入を得られるだろうか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
失敗例を踏まえつつ、どのような取組みや知識が必要になるのか、自身の状況と照らし合わせて開業準備を進めることが大切です。
この記事では、建設業の独立開業で起こりやすい失敗例と回避策について解説します。
【失敗例①】仕事を得られない
独立開業後に思うように仕事を得られないことで、経営が軌道に乗らずに失敗してしまうケースがあります。
建設業で独立開業する場合、これまで勤めていた工務店・ビルダーの社名を利用できないため、認知されていない状態からのスタートとなります。知名度や実績がない状態では、新規顧客の獲得は困難です。
また、顧客を紹介してもらうために、これまで築いてきた人脈や取引先に頼ってばかりでいては、新規の仕事を思うように獲得できずに苦労してしまうこともあります。
考えられる要因
独立開業後に仕事を得られない要因の一つとして、十分な集客ができていないことが考えられます。
たとえば、飛び込み営業や新聞広告など、集客方法がオフラインに偏っている場合、思うように認知拡大を実現できない可能性があります。
また、既存顧客との関係性を維持できていない場合には、知人の紹介やリフォーム依頼などにもつながりにくくなります。
回避策
独立開業後に安定して仕事量を獲得するためには、集客につながる仕組みを構築することや、既存顧客と継続的な接点を持つことが重要です。
集客につなげるには、自社の認知度を高めて、競合他社との差別化を図ることがポイントです。ターゲットが利用しそうな複数のチャネルで露出を増やすことで、認知度の向上が期待できます。
また、既存顧客と継続的な接点を持つことで、紹介や再依頼につながる可能性があります。
▼集客を促すための施策
- ホームページを開設する
- 建設会社のポータルサイトに広告を掲載する
- SNS(Social Networking Service:シーシャル・ネットワーキング・サービス)アカウントで施工事例や自社の魅力を発信する
- 施工後のアフターフォローを充実させる
- 定期的な様子うかがいや、メンテナンス・点検サービスを実施する
【失敗例②】経営の知識がなかった
建設業の独立開業で失敗するケースの一つに、経営に関する知識が十分になかったことが挙げられます。
建設業の経営には、建設工事に関わる技術やノウハウ、資格だけでなく、売り上げ管理、融資ローンの返済、税金などのさまざまな経営知識が必要です。
経営知識がないまま開業すると、事業をうまく軌道に乗せられずに、経営に失敗してしまう可能性があります。
考えられる要因
失敗する要因として、現場での経験に頼りすぎていて、経営に関する知識が不足していたことが考えられます。
資金計画や収支管理、会計処理、資産管理などを適切に行えていない場合、経営状態の悪化を招いてしまいます。
「融資ローンの返済ができない」「想定していた利益を得られない」といった状態によって、事業継続が困難になることもあります。
回避策
健全な経営を行うためには、経営に必要な知識・スキルを開業前に習得しておくことが大切です。独学での習得が難しい場合は、セミナーや研修会に参加する方法もあります。
▼建設業の独立開業に必要な知識・スキル
- 事業計画の策定能力
- 計数管理能力(貸借対照表や損益計算書の作成・経営実態の把握)
- 財務会計の知識・実務能力
- 税金・保険の知識
【失敗例③】一人で業務を遂行できなかった
一人親方として独立開業する場合の失敗例として、業務を遂行できなくなるといったケースが挙げられます。
建設業の経営には、顧客管理や会計処理などの事務作業、営業活動、資材調達などが必要です。今までは、事務・経理の従業員がしていた業務も、独立後はすべて自分で対応しなければなりません。
その結果、仕事を獲得するためのコア業務に時間を充てられなくなり、経営をうまく軌道に乗せられないことがあります。
考えられる要因
必要な業務を考えないまま独立開業して、すべての業務を一人でこなそうとしたことが要因です。独立開業直後は、従業員を雇用するための資金に余裕がないことから、一人で開業する人もいます。
しかし、経営に関する業務量や内容を考えずに独立することで、開業後にさまざまな業務の対応に追われてしまいます。そのため、顧客対応や工期の遅延によってトラブルが起きたり、働きすぎによる健康障害につながったりする恐れがあります。
回避策
開業後に円滑な経営を行うためには、発生する業務について洗い出しておくことが重要です。一人で対応が難しい場合は、人手を増やしたり、外部サービスの利用を検討したりすることも必要といえます。
▼円滑に業務を行うための施策
- 経理や総務事務を依頼できる従業員を雇用する
- 労力のかかる業務に業務支援サービスを活用する
- 経営の業務をアウトソーシングする
まとめ
この記事では、建設業の独立開業について、以下の内容を解説しました。
- 建設業の独立開業で起こりやすい3つの失敗例
- 考えられる要因と回避策
建設業における独立開業の失敗例には、仕事を得られない、経営の知識がない、業務を一人で遂行できなくなるといったケースが挙げられます。
独立開業を成功させるためには、ホームページやSNSなどの集客施策に力を入れる
ほか、経営に関する知識を身につけたり、業務量に応じて人手を増やしたりといった対策が必要です。今回挙げた失敗例と回避策を参考に、建設業の独立開業準備を進めてはいかがでしょうか。
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