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【工務店の見積書】基本的な書き方と作成時の注意点

工務店・ビルダーが建築工事を受注する際は、見積書を作成して顧客に提示します。建築工事の見積書は記載事項が多岐にわたるため、明確に記載しないと顧客との認識に相違が生まれて、のちにトラブルに発展する可能性があります。

このようなリスクを防ぐためには、見積書の役割を把握して、顧客が理解しやすい書き方に配慮することが重要です。

この記事では、工務店・ビルダーにおける見積書の役割や書き方、作成する際の注意点について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.見積書の役割
  2. 2.見積書の基本的な書き方
    1. 2.1.①表紙
    2. 2.2.②内訳書
    3. 2.3.③条件書
  3. 3.見積書を作成する際の注意点
  4. 4.まとめ

見積書の役割

工務店・ビルダーの見積書には、工事内容や費用項目、金額などを明示して顧客との合意形成を図り、スムーズに契約につなげる役割があります。

見積書には、工事内容や施工方法、使用する資材などの詳細が記載されており、建築条件を明確に提示することが可能です。

いくらの金額でどのような住宅が建てられるのかを、顧客が具体的に理解できるため、予算調整や発注可否の判断がしやすくなります。見積書の内容に合意が得られた際には、受注契約の締結へとスムーズに進められます。

また、見積書を示して事前に詳細な条件を伝えることで、顧客に安心感を与えて、信頼を得やすくするといった役割もあります。各工事の内容や費用内訳を説明することによって、トラブルを防止することも可能です。

見積書の基本的な書き方

見積書は、一般的に表紙・内訳書・条件書の3部で構成されています。


①表紙

表紙には、工事の概要を記載します。記載する主な情報は、タイトル・作成日・宛名・合計金額・建築工事事業者名の5項目です。

▼表紙に記載する主な項目

項目

内容

記載例
①タイトル
見積書の表題
  • 見積書
  • 御見積書
②作成日
見積書を作成した日付

見積書作成日:

2023年2月1日
③宛名

工事の依頼主(顧客)の名前

※顧客が会社の場合は正式名称で書く(上様や(株)などの省略はしない)
  • 東京 太郎 様
  • 株式会社 〇〇 様
④合計金額

建築工事の合計金額

※金額の改ざん防止のために、コンマと末尾に「-」を記す

御見積金額:

¥48,002,578-(税込み)
⑤建築工事事業者名
工事を請け負う事業者名と問合せ先

株式会社〇〇

TEL:〇〇〇-〇〇〇

FAX:〇〇〇-〇〇〇


②内訳書

内訳書には、見積書の表紙に記載した金額の内訳を記載します。

工事内容の種類や資材、機器など住宅建築に必要なものを項目別に階層分けして記載することがポイントです。

▼内訳書に記載する主な項目

項目

内容

記載例
①項目(名称)
工事内容・必要材料・諸経費などの項目名
  • 地盤改良工事
  • 仮設工事
  • 内装工事
  • 電気設備工事
  • 造作材
②数量
項目ごとの数量

仮設工事:1

床下地〇〇材:4
③単位
項目1つの単位

内装工事:式

造作材(下地〇〇材):本または束
④単価
項目1つごとの価格

内装工事:600,000円

空調設備工事:100,000円
⑤金額
項目ごとの数量と単価を掛けた合計金額
下地材×4本・単価8,000円の場合:32,000円
⑥備考
項目内容に補足がある場合に使用する

下水本管引き込み工事:110,000円

アスファルト復旧費:150,000円


③条件書

条件書には、見積書の内容で工事を行うための条件を記載します。

工事を行うための条件について漏れ・抜けなく記載することで、顧客と認識を合わせて、着工後のトラブルを防止できます。

条件書に記載する主な情報は、支払い条件・工事場所・工事内容・工期・見積書の有効期限の5項目です。

▼条件書に記載する主な項目

項目

内容

記載例
①支払い条件
工事費用の支払いに関する条件
  • 別途資料を用意
  • 協議のうえ
②工事場所
実際に工事する場所の詳細な住所
〇〇県〇〇市〇〇番地
③工事内容
実施する工事の概要
  • 新築一戸建て住宅の建築
  • キッチンリフォーム
④工期
工事を行う期間
約3ヶ月間
⑤見積書の有効期限
見積書で提示した条件・金額で契約できる期間
  • 約30日間
  • 本見積提出後〇週間

見積書を作成する際の注意点

見積書を作成する際は、金額の記載方法や書面の管理方法に注意します。

金額は、顧客との認識の相違を避けるために、税込み・税抜きのどちらで表記しているのかを記載することが必要です。合計金額とは別に、消費税額と税別価格も記載しておくことが望ましいといえます。

また、設計変更や仕様変更をした場合、変更した経緯・内容が分からなくなると、情報が不正確になり、対応がスムーズに進まなくなる可能性があります。見積書の修正を行う際は、上書きせずに修正前の内容を残しておくことが重要です。

なお、見積書の作成時には、見積書番号を記載しておくと管理しやすくなります。顧客から問合せがあった際にも、顧客が持っている見積書に記載された見積書番号と照らし合わせることで、すばやく案件を検索することが可能です。

検索しやすい管理体制を整えることで、スムーズな顧客対応ができるほか、案件の取り違えや社内の伝達ミスなどのトラブル防止にもつながります。

まとめ

この記事では、工務店・ビルダーにおける見積書について、以下の内容を解説しました。

  • 見積書の役割
  • 見積書の基本的な書き方
  • 見積書を作成する際の注意点

工務店・ビルダーが作成する見積書には、工事の条件や費用項目、金額を明確化して顧客との合意形成を図る役割があります。

建築工事の詳細が分かる見積書を作成・提示することで、顧客が予算調整や受注可否の判断がしやすくなり、スムーズに契約へと移行することが可能です。さらに、金額や工事内容が明確化されることで、顧客の安心感・信頼感を得ることにもつながります。

また、見積書は、表紙・内訳書・条件書の3部から構成されており、内訳書は項目別に階層分けすると見やすくなります。

顧客とのトラブルを防ぐためには、税抜き・税込み表記を明示するとともに、修正時に上書きしない、見積書に番号をつけて管理することも重要です。

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編集部
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