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工務店に利益が残らない3つの理由| 対策案や見直しポイントを解説

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「売り上げは伸びているのに、なぜか利益が残らない」。そう感じている工務店の経営者は少なくありません。

原因を受注不足だけに求めてしまうと、本当の問題を見落とすおそれがあります。

粗利率の低下や固定費の増加、入金と支払いのズレが重なると、黒字でも手元資金は薄くなっていきます。

この記事では、工務店に利益が残らない理由を整理し、固定費の削減や資材高騰への対策、広告費の見直しまで、利益を守るための対策案と見直しポイントをわかりやすく解説します。

売り上げ増でも工務店に利益が残らない3つの理由

工務店で売り上げが伸びているにもかかわらず利益が残らない場合、原因は受注不足だけではありません。

粗利率の低下、資材高騰分の価格転嫁不足、固定費の増加、入金と支払いのズレが重なることで、黒字でも手元資金が薄くなります。

利益は収益から費用を差し引いた会計上の数字であり、収入や支出のタイミングとは一致しないためです。

ここでは、その3つの理由を見ていきましょう。

粗利率が下がっている

工務店の利益率を見るときは、まず完成工事高から工事原価を差し引いた粗利を確認します。

資材費・外注費・労務費が上がっているのに、請負価格へ反映できていない場合、売り上げが増えても粗利は残りにくくなります。

利益が残らない原因を探るうえで、粗利率の動きはまず押さえておきたい指標です。

利益と現金の動きがズレている

建設業は、材料費や外注費の支払いが先行し、工事代金の入金が後になるケースが多い業態です。

売り上げを計上したあとも入金まで時間がかかるため、利益が出ていても資金繰りが苦しくなることがあります。

資金繰り表で将来の現金収支を把握しておくことが重要です。

固定費が売り上げ増に合わせて膨らんでいる

展示場・モデルハウス・社用車・オフィス・広告費・サブスク費用などが固定化すると、受注が落ちた月でも支出は止まりません。

利益が残らない原因を探るときは、原価だけでなく固定費全体を見渡す必要があります。

建設業の固定費削減で損益分岐点を下げる考え方

建設業の固定費削減は、単なる経費カットではなく、損益分岐点を下げるための経営改善です。

損益分岐点売上高は「固定費 ÷ 限界利益率」で算出できるため、固定費が下がれば、必要な売上高や必要な契約棟数も下がります。

ここでは、固定費を見直す考え方を解説します。

固定費を月額ではなく年額で見る

月額の費用だけを見ていると、負担感を見誤りやすくなります。

たとえば月10万円の固定費は年間120万円であり、粗利率25%なら、その回収に480万円の売り上げが必要になります。

展示場費・車両費・広告費・システム費は、年額に直して並べてみることをおすすめします。

固定費・変動費・準固定費に分ける

材料費や外注費は変動費、家賃や展示場の維持費は固定費、広告費や車両費は運用しだいで増減できる準固定費です。

削減しやすい費目からではなく、損益分岐点への影響が大きい費目から見直すことが効果的です。

必要契約棟数から判断する

年間の固定費・平均請負単価・粗利率・契約率を基に、「何棟売れば固定費を回収できるか」を逆算してみましょう。

建設業の固定費削減では、費用そのものの大小だけでなく、契約棟数への影響で判断することが大切です。

資材高騰対策で工務店の利益率を守る対策案

資材高騰の局面で工務店の利益率を守るには、見積もりの精度・価格転嫁・標準仕様・契約条件を同時に見直す必要があります。

資材価格の上昇を現場の努力だけで吸収しようとすると、粗利率が下がり、最終的には施工品質や人員体制にも影響しかねません。

ここでは、具体的な対策案を解説します。

見積単価を定期更新する

過去の見積単価を使い回すと、受注時点で想定した粗利と、完工時の着地の粗利に差が出ます。

主要な資材・外注費・運搬費・廃材処分費は定期的に更新し、案件ごとに実行予算へ反映することが大切です。

価格転嫁の根拠を残す

国土交通省は、資材価格が高騰したときの請負代金の変更や価格転嫁を円滑に進めるため、契約書への変更方法の記載などを示しています。

施主への説明では、単なる値上げとしてではなく、資材費・労務費・物流費の上昇という根拠を示すことが重要です。

標準仕様と代替提案を整える

利益率を守るには、品質を落とすのではなく、標準仕様の再設計・代替資材の選定・仕入先の複数化・発注ロットの調整を行うことが有効です。

顧客満足を保ちながら、原価の上振れを抑える体制を整えましょう。

契約前の説明を徹底する

資材高騰が続く局面では、契約後の価格変更がトラブルになりやすくなります。

見積もりの有効期限、仕様変更時の追加費用、資材価格が変動したときの協議方法を事前に明確にしておくことが、利益率を守る実務的な対策になります。

住宅展示場維持費など固定費の見直すべきポイント

住宅展示場の維持費は、工務店の固定費のなかでも負担が大きくなりやすい項目です。

展示場は認知の獲得や接客には有効ですが、出展料・建築費・光熱費・人件費・広告費・補修費が継続的に発生します。

年間の総投資額が高額になりやすいため、出展前だけでなく、撤退の条件まで設計しておく必要があります。

ここでは、見直すべき固定費のポイントを解説します。

住宅展示場・モデルハウス

来場数・商談化率・契約率・契約粗利を基に、費用対効果を判断しましょう。

維持費を削減する場合は、撤退だけでなく、常設展示場から予約制モデルハウス・完成見学会・オンライン相談へ移行する選択肢もあります。

社用車・オフィス・倉庫

稼働率の低い社用車、来客数に見合わないオフィス、使われていない倉庫は、固定費を押し上げます。

車両費は、リース料だけでなく、保険・燃料・駐車場・整備費まで含めて見直すことが大切です。

サブスク・システム費

使われていない業務ツール、重複したクラウドサービス、過剰な通信契約は、少額でも積み重なると利益を圧迫します。

ただし、原価管理や顧客管理に直結するシステムは、削るのではなく、活用度を上げる方向で見直しましょう。

広告費・販促費

チラシ・紙媒体・看板・定額掲載媒体・Web広告は、同じ基準で比較することが大切です。

見るべき指標は反響数だけでなく、商談化率・契約率・1契約あたりの広告費・受注粗利まで含めて判断しましょう。

工務店広告費の割合を見直し費用対効果を高める方法

工務店の広告費の割合は、売り上げに対する比率だけでなく、反響数・商談化率・契約率・受注粗利もあわせて判断する必要があります。

定額掲載型の媒体は、反響が少ない月でも費用が発生するため、固定費になりやすい点に注意が必要です。

住宅展示場の維持費や広告費を見直す際は、反響に応じて費用が発生するポータルサイトも選択肢になります。

「LIFULL HOME'S 注文住宅」は、固定費を抑えながら集客を維持したい工務店に活用できる手段のひとつです。

広告費を「定額で払い続ける費用」から「成果に応じて発生する費用」へ切り替えることが、費用対効果を高める第一歩になります。

記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで振り返っておきましょう。

Q:売り上げが増えているのに利益が残らないのはなぜですか?
A:粗利率の低下・資材高騰分の価格転嫁不足・固定費の増加・入金と支払いのズレが重なるためです。利益は会計上の数字で、現金の動きとは一致しません。原価だけでなく固定費全体と資金の流れを見渡すことが大切です。

Q:建設業の固定費削減はどこから手をつければよいですか?
A:まず固定費を年額に直し、固定費・変動費・準固定費に分けて整理しましょう。削減しやすい費目からではなく、損益分岐点への影響が大きい費目から見直すと効果的です。何棟売れば回収できるかという視点も役立ちます。

Q:資材高騰のなかで利益率を守るにはどうすればよいですか?
A:見積単価の定期更新・価格転嫁の根拠づくり・標準仕様や代替提案の整備・契約前の説明の徹底が有効です。現場の努力だけで吸収しようとせず、見積もりと契約の両面から対策を打つことが利益率を守るポイントです。

Q:広告費の費用対効果はどう判断すればよいですか?
A:反響数だけでなく、商談化率・契約率・1契約あたりの広告費・受注粗利まで含めて判断しましょう。定額掲載型は固定費になりやすいため、反響に応じて費用が発生するポータルサイトへの切り替えも選択肢になります。

執筆者

瀧澤 成輝(二級建築士)

住宅リフォーム業界で5年以上の経験を持つ建築士。

大手リフォーム会社にて、トイレや浴室、キッチンなどの水回りリフォームを中心に、外壁塗装・耐震・フルリノベーションなど住宅に関する幅広いリフォーム案件を手掛けてきた。施工管理から設計・プランニング、顧客対応まで、1,000件以上のリフォーム案件に携わり、多岐にわたるニーズに対応してきた実績を持つ。

特に、空間の使いやすさとデザイン性を両立させた提案を得意とし、顧客のライフスタイルに合わせた快適な住空間を実現することをモットーとしている。現在は、リフォームに関する知識と経験を活かし、コンサルティングや情報発信を通じて、理想の住まいづくりをサポートしている。

編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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