経営・マネジメント

工務店・ビルダーの粗利率の平均値はどれくらい? 利益の向上につながる経営のポイント

工務店・ビルダーの経営において、収益性を測る指標に粗利率や営業利益があります。安定した経営を継続していくためには、一定の利益を確保することが重要です。

ところが、平均的にどれくらいの粗利率があればよいのか、目安が分からずにお悩みの経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、工務店・ビルダーにおける平均的な粗利率、利益の向上や安定した経営につながるポイントを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.工務店・ビルダーの平均的な粗利率
  2. 2.工務店・ビルダー経営を安定させるポイント
    1. 2.1.①コストを削減する
    2. 2.2.②付加価値をつけて販売単価を上げる
  3. 3.まとめ

工務店・ビルダーの平均的な粗利率

工務店・ビルダーの平均的な粗利率は25%前後で、20%を下回ると経営が困難になるといわれています。

粗利率とは、売上高から売上原価を引き、売上高に占める割合を指す指標です。一般的には、粗利率が高ければ収益が多く、低ければ収益が少ないと判断できます。

粗利率の計算式と例は以下のとおりです。

▼粗利率の計算式

粗利率 = 粗利 ÷ 売上高 × 100(%)
※粗利とは、売上高から売上原価を引いた額を指します。


▼例:コスト1,500万円の住宅を2,000万円で販売した場合

粗利:2,000万円 - 1,500万円 = 500万円
粗利率:500万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 25(%)

この場合の粗利率は25%と計算できます。

粗利率の指標やボーダーラインは、会社の規模や販売管理費のコストなどによって異なります。自社の粗利率が20%以下になっている場合は、25%以上を一つの目標として、経営の見直しを行うことが重要です。

ただし、粗利率には人件費や広告費、販売管理費などは含まれないため、25%からさらに支出が発生します。人件費や広告費などにコストをかけたい場合は、高い粗利率を設定する必要があります。

工務店・ビルダー経営を安定させるポイント

工務店・ビルダーの営業利益を高めつつ、安定した経営を行うためにはコストの削減や売り上げの向上を図ることが重要です。

ここでは、経営を安定化させる2つのポイントについて解説します。


①コストを削減する

住宅商品やサービスを販売する際にかかるコストを減らすことで、粗利率の向上につながります。

ここでいうコストとは、商品やサービスを売る際にかかった原価のことです。工務店・ビルダーにおいては、以下のような費用が該当します。

▼工務店・ビルダーにおけるコストの例

  • 材料費:住宅建築に必要な資材や設備・機械の仕入れにかかった費用
  • 労務費:従業員への給与、社会保険料などの費用
  • 経費:設計費、製造設備・機械にかかる水道光熱費やメンテナンス費用
  • 外注費:設計や工事などを外部の事業者に委託する場合の外注費 など

これらのコストを削減するには、建築資材の仕入れ先や工事の外注先、業務方法などを見直すことがポイントです。

ただし、単なるコスト削減を目的とした資材や建築工程の変更は、住宅品質の低下を招くおそれがあります。自社の住宅品質を維持しながら、削減できるコストを洗い出すことが重要です。

▼工務店・ビルダーがコストを削減する方法

  • 工事の作業工程を見直して、作業人数の適正化を行う
  • 仕入れ事業者に見積もりを取り、同じ資材を割安で購入できる事業者に変更する
  • インフラ事業者との契約を見直して、通信費、光熱費などの固定費を削減する
  • ITツールを導入して、顧客管理・営業管理などの業務をオンライン化することで業務効率化と人件費の削減を行う など

コストについて定期的に見直しを行うことで、効率的な経営活動が期待できます。


②付加価値をつけて販売単価を上げる

粗利率を高めるために、住宅商品・サービスの販売単価を上げることも一つの方法です。ただし、住宅商品・サービスの販売単価だけを上げた場合、顧客離れによって売り上げの低下を招くおそれがあります。

販売単価を上げる際は、顧客にとって魅力的な付加価値をつけることがポイントです。工務店・ビルダーが付加価値を創出する方法には、以下が挙げられます。

▼工務店・ビルダーが付加価値を創出する方法

  • 対応の早さや丁寧さなど、会社・人材面のアピールポイントをつくる
  • 耐震性・耐久性・断熱性・省エネ性など、住宅の安全面・性能面の強みをつくる
  • 競合他社と差別化を図れる独自のコンセプトをつくる(若者向けの低価格住宅、高齢者向け住宅、自然素材の住宅など)
  • 保証やアフターサービスを充実させる(独自の長期保証、無料の定期メンテナンスなど)

自社の住宅商品に付加価値をプラスすることで、値上げを行った場合でも顧客に納得してもらいやすくなります。さらに、付加価値によって競合他社との差別化やサービス品質の向上につながれば、顧客満足度の向上も期待できます。

まとめ

この記事では、「粗利率の平均値を知りたい」「利益率を高められる経営のポイントについて知りたい」という工務店・ビルダーの方へ向けて、次の項目を解説しました。

  • 工務店・ビルダーの平均的な粗利率
  • 工務店・ビルダー経営を安定させる2つのポイント

現状のコストを洗い出したうえで、仕入れ事業者やインフラ事業者を見直したり、ITツールを活用して業務効率化を図ったりして、コストを削減することが重要です。

また、販売単価を上げて利益率を向上させるには、顧客満足度を高めるための付加価値の創出も求められます。独自性のあるコンセプトの策定、競合他社と差別化を図れるサービス・保証の導入などを検討してみてはいかがでしょうか。

以下のページでは、工務店・ビルダーの売り上げ向上や業務効率化に関するノウハウを掲載しています。こちらもぜひご一読ください。

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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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