SFA(営業支援ツール)とは? CRMとの違いと導入効果、注意点を解説
SFA(営業支援ツール)は、営業活動を効率化できるツールとして多くの企業に導入されています。
営業に関わる情報を“可視化”することで、業務の効率化や売り上げの向上など、さまざまな効果が期待できます。
しかし、「具体的にどのようなメリットがあるのか」「CRMと何が違うのか」などの疑問をお持ちの担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、SFAの基本知識をはじめ、CRMとの違いを踏まえた導入メリット、失敗しないためのポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.SFAとは
- 2.SFAとCRMの違い
- 3.SFAの基本機能
- 4.SFAの導入で期待できる4つの効果
- 4.1.①営業業務を効率化できる
- 4.2.②属人化を解消し、生産性を向上できる
- 4.3.③営業スキルを平準化できる
- 4.4.④ボトルネックの解消に役立つ
- 5.SFAの導入に失敗しないための注意点
- 5.1.社内の理解を得る
- 5.2.KPIを設定する
- 5.3.PDCAサイクルを繰り返す
- 6.まとめ
SFAとは
SFAはSales Force Automation(セールス フォース オートメーション)の略で、営業支援ツールと呼ばれます。
アポイントメントの獲得から商談、成約と、さまざまプロセスで活用することにより、営業活動の各プロセスや顧客から得た情報の一元管理が可能です。
営業に関わる顧客情報や進捗状況などをデータとして蓄積・管理し、営業担当者間で共有すれば、営業活動の効率化を実現できます。
SFAとCRMの違い
SFAとCRMの違いは、対象とするデータや管理の目的です。
SFA |
商談~成約のプロセスに必要な案件管理や数字管理 |
CRM |
成約後の顧客化からロイヤル顧客化(※1)のプロセスに必要な顧客管理 |
CRMはCustomer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、顧客管理ツールと呼ばれます。
顧客との関係性を維持し、満足度の向上、さらに売り上げにつなげることが目的です。
CRMには、顧客へのメール配信やイベント管理などの機能も含まれます。なかには、営業活動の支援や管理に役立つSFAの一部の機能が含まれているツールもあります。
※1:企業もしくは企業の商品・サービスに愛着を持ち、リピート購入によって企業の利益向上につなげてくれる顧客のこと
SFAの基本機能
SFAに備わっている機能はツールによっても異なりますが、ここでは基本的な機能をご紹介します。
顧客管理
顧客情報を一元管理する機能です。
顧客や取引先の名前、住所、連絡先、担当者の属性情報などを管理します。必要な顧客情報を社内で共有、検索できます。
案件管理
各案件の詳細情報を管理する機能です。
案件の担当者や進捗状況、提案内容、商談履歴などを管理します。案件状況を可視化することで、チーム内の情報共有や引き継ぎがスムーズになります。
行動管理
営業担当者の業務プロセスを管理する機能です。
各営業担当者の活動状況や案件の対応スケジュールなどを管理します。テレフォンアポイントメント数や訪問数、成約率などの行動を数値化して蓄積することが可能です。
予実管理
売り上げ予測と実績を可視化して管理する機能です。
レポート機能により、自社の目標に対する売り上げ達成状況を把握できます。
分析
データ分析を行える機能です。
営業活動で得た情報を基に営業担当者別、商材別など、さまざまな条件から効果分析を行うことができます。
SFAの導入で期待できる4つの効果
顧客管理や案件管理、分析などの機能を持つSFAを導入すると営業の進捗状況やプロセスの管理が可能になるので、営業活動においても効果を期待できます。
ここでは、導入で期待できる4つの効果を見ていきましょう。
①営業業務を効率化できる
顧客情報や案件状況を一元管理できるため、営業担当者による個別の管理が不要です。
必要な情報をすぐに取り出せるため、顧客への素早いアクションを行うこともできます。
また、担当者間の引き継ぎもスムーズになるため、「同じ顧客にアプローチする」「アプローチのタイミングを逃してしまう」といったミスを防ぎ、営業業務の効率化につながります。
②属人化を解消し、生産性を向上できる
営業データを社内で蓄積し、チームで共有することで属人化を解消できます。
「担当者でないと分からない、対応できない」といった状態を解消し、社内で分担して業務を進められるようになります。
アポイントメントの獲得までインサイドセールスで対応し、顧客の購買意欲が高まった段階で訪問営業に引き渡すといった対応も可能です。営業組織全体の生産性向上につながります。
③営業スキルを平準化できる
SFAの活用により、営業担当者の業務プロセスを可視化できます。
優秀な営業担当者の営業活動データを蓄積できるほか、商談での提案内容や履歴などを分析して、より効率的で効果的なアプローチ手法を見いだすことも可能です。
営業担当者の育成に生かせば、営業スキルのレベルを平準化し、組織全体の営業力強化に役立てられます。
④ボトルネックの解消に役立つ
一人ひとりの営業プロセスを蓄積して、どのような手法や経緯で成約に至ったかを把握できます。
効果が得られなかった施策や不要なプロセスを洗い出すことにより、ボトルネックの解消に役立ちます。
SFAの導入に失敗しないための注意点
SFAの導入後、備わった機能を活用して効果を得るためには、いくつか注意点があります。
社内の理解を得る
SFAの導入によって現場の業務フローが変わります。
導入後、スムーズに運用を進めるには、事前に現場で働く従業員にツールの扱い方をトレーニングし、理解を得ることがポイントです。
▼導入時に必要な対応
- 目的や導入の背景を社内で共有する
- 営業活動における活用方法やメリットを説明する
- 最終的な目標を明確化する
KPIを設定する
営業活動における各プロセスで目標達成の指標となるKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があります。
KPIが設定されていない場合、営業担当者が自身の指標で活動し、属人化してしまう可能性があります。
KPIの設定によって目標達成ための営業プロセスが明確になれば、再現性のある営業活動が可能です。KPIは、企業の現状に応じて設定することがポイントです。
PDCAサイクルを繰り返す
SFAは、ただ導入するだけでは効果を最大化できません。
KPIを設定した後は、目標の達成度合いを測定し、改善を繰り返します。
営業効率の向上や売り上げの向上を狙うにはKPIでその都度施策の効果を測定しながらPDCAサイクルを回すことが重要です。
成果が得られない場合は、KPIが正しく設定されているかどうかを見直す必要があります。
まとめ
SFAは、効果的に活用することで営業活動に関わる業務のサポートになるほか、営業プロセスや履歴の蓄積による企業のボトルネックの洗い出し、分析・改善にも役立てられます。
SFAを導入する際は社内で目標やゴールを共有するとともに、適切にKPIを設定し、PDCAサイクルを回しながら効果検証・改善を繰り返すことがポイントです。
「属人的な業務が多く営業活動が非効率になっている」
「営業活動が可視化できず、改善策が見つけられない」
という企業さまは、SFAの導入で営業組織の強化を図ってみてはいかがでしょうか。