インサイドセールス強化のカギはWebサイトの改善と分析
工務店・ビルダーにおけるインサイドセールスの課題の一つに、“リード(見込み顧客)の獲得”があります。
自社のWebサイトを運用しているものの、アクセスや問合せが少なくリードを獲得できないことから、思うようにアプローチを実施できないケースもあるのではないでしょうか。
効率的にリードを獲得し、成約の可能性が高いリードを商談へとつなげるには、母数となるリードの数を増やすことが重要です。
そこで必要な施策となるのが、Webサイトの改善です。
本記事では、工務店・ビルダーのリード獲得においてカギとなるWebサイト改善について、具体的な施策とともに解説します。
目次[非表示]
- 1.リード獲得に向けたWebサイト改善の方法
- 2.SEO(検索エンジンの最適化)
- 2.1.①コンテンツの質と量の改善
- 2.2.②タイトルと見出しの修正
- 2.3.③内部リンクの設定
- 3.CRO(コンバージョン率の最適化)
- 3.1.①ユーザー動線の改善
- 3.2.②CTAの修正
- 3.3.③入力フォームの改善
- 4.Webサイト改善にはツールによる分析が不可欠
- 5.まとめ
リード獲得に向けたWebサイト改善の方法
Webサイトを改善することで、自社サイトへの流入や問合せ、資料請求、メルマガ登録数の増加が期待できます。リード数が増加することで、工務店・ビルダーのインサイドセールスを強化することも可能です。
ここでは、リード獲得を狙ったWebサイト改善の方法について、具体的な例を用いて解説します。
▼設定例
- 関西圏で展開している工務店・ビルダー
- デザイン・コストバランスに優れた住宅設計が特徴
- Webサイトの改善により、商品(建物)ページへの流入を強化したい
SEO(検索エンジンの最適化)
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの検索結果で上位表示を目指す施策のことです。
リード獲得のためには、ターゲットとなるユーザーにWebサイトに訪れてもらう必要があります。そこから問合せや来店予約、自社ホームページへのアクセスなどのコンバージョンにつなげることがSEOの最終的な目的です。
今回の設定例に基づくターゲットには、以下のような人物が考えられます。
▼ターゲット像
- 関西圏に住む夫婦共働きの世帯
- 結婚や出産を機に住宅購入を検討している
- 予算に余裕はないが、自分たちのこだわりを反映した住宅を建てたい
次に、具体的なSEO施策を紹介します。
①コンテンツの質と量の改善
検索エンジンは、コンテンツの質と量を評価します。上位表示させるためには、コンテンツの文字数や量を確保し、ユーザーニーズにマッチさせる必要があります。
コンテンツを作成する際は、検索意図からニーズを把握し、ユーザーに有益な情報提供を行うことがポイントです。
また、キーワードの競合性を分析し、文字数やコンテンツの質が劣らないようにすることも大切です。
▼コンテンツの例
検索意図 |
注文住宅の相場を知りたい、予算内でどのような家が建てられるのが知りたい、など |
有益な情報 |
自社の注文住宅のプラン、予算、各プランでの施工事例 |
競合キーワード
|
注文住宅、予算/関西、3,000万円以下など |
なお、検索エンジンで評価される一般的な文字数は1,000~2,000字、競合性の高い記事は2,000~4,000字となっています。
②タイトルと見出しの修正
タイトルと見出しは、検索順位に影響する要素の一つです。コンテンツの内容が分かりやすく、かつ長くなりすぎないようにキーワードを含めるのがポイントです。
▼タイトルと見出しの注意点
- タイトルと見出しにキーワードを含める
- タイトルの文字数は30字前後に調整する
- 記事の内容、段落ごとの内容が分かるタイトル・見出しに修正する
▼タイトル・見出しの例
キーワード |
注文住宅、予算/奈良 |
タイトル |
奈良の注文住宅 | 予算3,500万円以下で理想の住まいが叶う |
見出し |
『予算3,500万円のプラン』『各プランの予算』
『奈良で注文住宅を建てる』など
|
③内部リンクの設定
検索エンジンにサイト内のページを認識してもらうために、関連コンテンツに遷移できる内部リンクを設定します。
自社Webサイト内のページをリンクでつなぐことで、品質の高いWebサイトとして評価され、上位表示を狙いやすくなります。
▼内部リンクの設定例
内部リンクを設定する記事:「ご家族さまに合った資金計画のポイント」 ↓ リンク先の記事:「住宅ローンの種類や選び方」 |
上記のケースでは、資金計画・住宅ローンといったお金に関する関連記事をリンク設定しています。そのほか、初期費用や手数料といったコンテンツも内部リンク先の記事として有効です。
CRO(コンバージョン率の最適化)
CRO(Conversion Rate Optimization)とは、Webサイト内のCVR(Conversion Rate:コンバージョン率)を高めるための施策です。
工務店・ビルダーにおいては、問合せや来店予約、自社ホームページへのアクセスなどが挙げられます。
CROは、訪れたユーザーが離脱するのを防ぎ、コンバージョンを促す設計に改善するために有効です。
ここでは、CROの具体的な施策を紹介します。
①ユーザー動線の改善
Webサイト内でのユーザーの動線設計を改善します。「見たいページがどこにあるか分からない」「ページ全体のレイアウトや文章が見にくい」といった状態は、ユーザーの離脱につながります。
▼改善策の例
- 住宅紹介や会社概要、施工事例、問合せページなどを分かりやすく配置する
- 各ページのコンテンツを充実させ、ユーザーの興味を引く内容にする
- 画像やアイコン、文字の装飾で視認性を高める
▼ユーザーの興味を引くコンテンツの例
- 資金計画の立て方
- 予算調整のポイント
- 子育て家族が住みやすいエリアの選び方
- ◯◯(関西圏)で人気のエリア
②CTAの修正
CTA(Call To Action)とは行動喚起を意味し、コンバージョンへの行動を促す施策のことです。「資料請求の場所が分かりづらい」「ページ遷移の可否が分からない」といった状態は、CVRの低下につながります。
的確にコンバージョンに誘導するためには、CTAの設置場所や文言、デザインなどを見直すことが重要です。
▼CTAの改善例
【施策】アクションのハードルが低いCTAに見直す ↓ 【改善策】『問合せボタン』ではなく、『メルマガ登録』『無料資料請求』に変更する |
【施策】見やすくクリックしやすい場所に移動する ↓ 【改善策】スクロールでCTAが消えないよう、ページ上部や画面サイドにCTAを固定する |
【施策】ユーザーがクリックしたくなるデザインにする ↓ 【改善策】『ほかの施工事例を見る』『年収から予算をシミュレーションする』などの文言が入った装飾や画像を取り入れる |
③入力フォームの改善
「入力項目が多い」「複雑で分かりにくい」といった入力フォームは、ユーザーのストレスとなり、離脱につながりやすくなります。
問合せや資料請求申し込み、来店予約といった入力フォームの完了率を向上するために、以下のような施策が有効です。
▼有効な施策例
入力項目を最小限かつ 簡略にする |
|
半角・全角などを 指定する |
|
必須項目と任意項目を 分かりやすく表示する |
|
入力エラーを具体的に 表示する |
|
入力フォームを最適化することで、コンバージョンの可能性が高いユーザーを逃してしまうのを防ぎます。
Webサイト改善にはツールによる分析が不可欠
Webサイトの改善には、SEOやCROによる施策が有効です。
しかし、SEOやCROを適切に進めるには、施策によってどのような効果が得られたのかの分析が不可欠です。
効果の分析には、サイト流入分析や競合分析、ABテスト(※1)などを実施できるツールを活用することが求められます。
Webサイトの現状と施策に対する効果を可視化することで、適切な改善策を講じられます。
さらに、効果検証と分析を繰り返してWebサイトを改善していくことにより、リード獲得の精度を高めることも期待できます。
※1…ABテストとは、CROを最適化するために実施する工程の一つです
まとめ
工務店・ビルダーがインサイドセールスを行う際、アプローチの対象となるリードの獲得が必須です。
自社Webサイトへの流入や問合せが少ない場合には、リード獲得のためのサイト改善が求められます。SEOやCROなどの施策を取り入れ、サイト流入数やCVRの改善を図ることが有効です。
また、施策の有効性を高めるためには、ツールを用いた効果の分析も欠かせません。
自社のWebサイトを改善し、リード獲得につなげるために、分析ツールの活用も検討してみてはいかがでしょうか。