工務店・ビルダーの集客にリスティング広告は有効? 予算や運用方法を解説
インターネットの普及によって消費者が自ら情報を収集できるようになったことをきっかけに、住宅購入の消費者行動が複雑化しています。
チラシやフリーペーパーなどの従来の集客手法を取り入れながら、「思うように集客が得られない」「ターゲットになかなか情報が届かない」とお悩みの工務店・ビルダーの営業担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
工務店・ビルダーがリスティング広告を活用すれば、集客の間口を広げられ、認知度向上や問合せの増加などが期待できます。
この記事では、工務店・ビルダーの集客に役立つリスティング広告の予算や運用方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.リスティング広告とは
- 2.リスティング広告の予算
- 2.1.予算の決め方
- 2.2.工務店・ビルダーのリスティング広告活用におけるCPAの目安
- 3.リスティングの運用方法
- 4.リスティング広告費を無駄にしないためのポイント
- 4.1.①優先順位を決めて予算を配分する
- 4.2.②配信停止・増額の基準を定める
- 4.3.③代理店に運用を委託する
- 5.まとめ
リスティング広告とは
リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことです。
検索結果の上部または下部に広告を表示することでユーザーのクリックを誘導し、Webサイトへの流入や問合せなど、次のステップにつなげます。
リスティング広告の大きな特徴といえるのは、自社と関連するキーワードを選定し、すでに住宅購入に興味関心のあるユーザーにアプローチできる点です。
成約につながりやすい優良顧客をターゲットにする場合にも活用できます。
リスティング広告は1クリックごとに課金されるクリック課金型広告のため、低予算で始めやすいという特徴もあります。
リスティング広告の予算
リスティング広告は、中小規模の工務店・ビルダー場合、月間約10~30万円の予算でスタートするのが一般的です。大企業の場合には月に数百万円の予算で運用するケースもあります。
ただし、キーワードの競合性や商材、業界の市場規模によって予算が異なるため、目標CPA(Cost Per Acquisition)(※)を設定したうえで適切な予算設定が必要です。
※CPAとは新規顧客を1人獲得するのにかかった広告コストのこと。CPA は 広告費 ÷ 成果数で求められます。
予算の決め方
リスティング広告の予算は、目標CPA×目標CV(コンバージョン)数という計算式で求められます。
CV数とは、リスティング広告の最終成果(問合せや資料請求など)の数を指し、月間どれくらいの目標を達成したいのかを設定したものが目標CVです。
▼目標CPAを1,000円、目標CV数が50の場合の予算例
1,000円(目標CPA)× 50(目標CV数)=5万円(予算)
あらかじめ設定した目標値を実際のCV数やキーワードの入札単価の変動に応じて調節することで「予算を費やしすぎた結果、1人当たりの獲得単価が高くなった」という事態を防げます。
また、適切な予算設定のためにCPAの目安を知っておくことも重要です。
工務店・ビルダーのリスティング広告活用におけるCPAの目安
工務店・ビルダーが運用するリスティング広告における目標CPAの目安は以下のとおりです。
▼目標CPAの目安
・資料請求をCVとする場合:8,000〜1万5,000円
・展示会予約をCVとする場合:5万〜7万円
展示会予約をする人は、資料請求をする人よりも成約につながる可能性が高いため、目標CPAも高く設定します。
リスティングの運用方法
ここからは、リスティング広告の運用方法について、5つのステップに分けて解説します。
①アカウントの開設
まずは、GoogleやYahoo!などの広告アカウントの開設が必要です。
1サービス当たり1アカウントの開設が原則です。アカウント開設では、メールアドレスやパスワード、支払い方法などを登録します。
②キーワード選定
次に、ユーザーが検索する際にヒットするキーワードを設定します。設定するキーワードには2つのパターンがあります。
▼キーワードのパターン
ビッグワード |
|
スモールワード |
|
検索数が多いビッグワードは競合率も高く、単価が高くなりやすい特性があります。
より細かな検索ニーズにマッチさせるためには、スモールワードとのかけ合わせが重要です。
③配信条件の設定
キーワードを設置した後は、配信開始日や配信値域、1日当たりの予算、入札単価などの詳細を設定します。
予算については優良顧客・見込み顧客・潜在顧客の順番で割り振ることで、より効果的な運用が可能です。
④広告文の作成
検索結果画面に表示される広告文を作成します。
実績や価格、具体的な数値などを取り入れると、ユーザーの興味関心を引く訴求効果の高い広告文にできます。競合他社の広告文を分析したうえで差別化を図ることも重要です。
⑤効果検証
広告を出した後は、目標CPAや目標CVにどれくらい到達したのかを検証します。
広告効果を高めるためには、こまめに分析・改善を繰り返し、キーワードやクリック率、予算配分などを見直すことが欠かせません。
PDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルを回すことで、検索ニーズにマッチする広告配信を可能にします。
リスティング広告費を無駄にしないためのポイント
リスティング広告では、費用対効果をつねにチェックしつつ、予算を調節することが重要です。広告費用を無駄にしないよう、3つのポイントを押さえましょう。
①優先順位を決めて予算を配分する
成約に至る可能性が高いキーワードと低いキーワードを分類して、優先順位を決めます。
CVの見込み度が高いキーワードから予算を割り振ることで効率的にリスティング広告を運用できます。
②配信停止・増額の基準を定める
十分な広告効果が得られない場合を想定し、配信停止の基準を定めておくこともポイントです。配信を継続しても目標CPAの到達までほど遠い場合に予算を消費してしまうのを防ぐためです。
一方、広告効果が好調な場合を想定して予算増額の基準も定めます。予算不足による機会損失を防ぎ、CV数の増加を狙うことが可能です。
③代理店に運用を委託する
リスティング広告の運用には、適切なキーワード選定や分析・改善が不可欠です。
専門的な知識やノウハウ、人材リソースが必要となるため、自社のみで対応できないケースもあります。
こうした場合には、代理店に運用を依頼するのも一つの方法です。
豊富なノウハウや実績のもと、広告の運用から分析、改善についてもアドバイスを受けられるため、コストを踏まえうえで検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
リスティング広告は、住宅購入に興味関心を持つユーザーにアプローチできる有効なマーケティング手法です。検索ニーズに沿った広告配信により、資料請求や問合せ、展示会予約などにつなげられます。
ただし、運用時には目標CPAや目標CVを定め、適切なキーワード設定や予算設定を行う必要があります。自社のみでの運用が難しい場合は、代理店への委託も検討してみてはいかがでしょうか。