『売り込まない』営業はなぜ売れる? 必要な姿勢やコミュニケーション
住宅営業を行うなかで「自社の魅力やメリットをしっかりアピールしているはずなのに売れない」といったケースに直面し、なかなか成果を上げられないというお悩みはないでしょうか。
商品やサービスを積極的に売り込むスタイルは、お客さまから避けられてしまうことがあります。
お客さまからの信頼を獲得し、自社に興味を持ってもらうためには『売り込まない姿勢』が必要です。
今回は工務店やビルダーの営業担当者さまに向けて、売り込まない営業に必要な姿勢やコミュニケーション方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.『売り込まない』営業が売れる理由
- 2.売り込まない営業に必要な3つの姿勢
- 2.1.①話すのではなく「聞く」
- 2.2.②対等な関係性を築く
- 2.3.③潜在ニーズに目を向ける
- 3.売り込み感をなくすコミュニケーションのポイント
- 3.1.①お客さまに関することをヒアリングする
- 3.2.②決断をお客さまに委ねる
- 4.まとめ
『売り込まない』営業が売れる理由
営業担当者さまのなかにはお客さまに対して、より有益な情報を伝えようと住宅やサービスに関する内容を積極的に話す人がいます。
しかし、一方的なアプローチはお客さまの警戒心をあおることがある点に注意が必要です。お客さまのことを思って伝えている情報が、お客さまにとっては必要ではない場合もあります。
また、お客さまのなかには、「売り込まれたくない」という防御の心理が働き、会話を避けたり、営業担当者に不信感を持ったりする人もいます。
こうした状態では、会話を通じて自社のサービス内容に対して興味や関心を持ってもらうことが難しくなってしまいます。
それに対して、売り込まない営業ができる人は、お客さまに対して一方的に話を進めようとはしません。
自分が話すよりもお客さまの話に耳を傾けて、質問を繰り返しながら提案を進めていきます。そうすることで、お客さまが必要としている情報を聞き分けられます。
これらの緻密な戦略によって、お客さまは「売り込まれている」という心理的な抵抗感をなくし、営業担当者を信頼していきます。
営業担当者をはじめ、自社への信頼を得られることで、成約へ一歩近づけることができます。
売り込まない営業に必要な3つの姿勢
住宅営業を成功させるには、巧みな話術が必要だと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、必ずしも話し上手な営業担当者ばかりが成果を上げているわけではありません。ここでは、売り込まない営業に大切な3つの姿勢を紹介します。
①話すのではなく「聞く」
はじめに大切なのは、お客さまの話を聞く姿勢です。
営業担当者が一方的に住宅・サービスについて話すのではなく、お客さま自身の問題や課題、希望などに関する質問を投げかけ、お客さま中心の会話を心がけます。
お客さまが抱える課題や希望を明確にすることで、必要とする情報をアドバイスとして的確に説明することが重要です。
②対等な関係性を築く
お客さまから売り込みだと思われるのを避けるためには、お客さまと対等な関係性を築くことも重要です。
必要以上に腰を低くしたり、顔色をうかがいながら話したりといった対応は、「買わないといけないのでは」というお客さまのプレッシャーにつながることもあります。
対等なスタンスを意識して会話することで、お客さまがプレッシャーを感じるのを防ぎながら営業を進めやすくなります。
③潜在ニーズに目を向ける
お客さまと会話する際、質問に対する回答をうのみにするのではなく、お客さまの本心に目を向ける姿勢が必要です。
お客さまが持つニーズのなかには、本人がまだ自覚していない潜在ニーズが存在するケースもあります。
「こうであるに違いない」と決めつけて話を進めてしまうと、お客さまとのコミュニケーションに乖離(かいり)が生じてしまうかもしれません。
潜在ニーズを引き出すには、お客さまからヒアリングした話を基に問題提起を行い、「たしかにそういう悩みもあった」「言われてみればそこに困っていたんだ」などとお客さまに自身が抱える課題に気づいてもらうことが重要です。
売り込み感をなくすコミュニケーションのポイント
売り込まない営業を実践するためには、お客さまとどのようにコミュニケーションを図ればよいのでしょうか。ここでは、営業担当者が身につけるとよい2つのポイントを紹介します。
①お客さまに関することをヒアリングする
すぐに住宅やサービスの提案を行うのではなく、お客さま自身に関することをヒアリングすることが大切です。
▼ヒアリング内容の例
- 家族構成
- 現在のお住まい
- 仕事
- 休日の過ごし方
- 趣味
上記の項目について話しつつ、希望する住宅のイメージや現在の悩みなどを聞き出すのがポイントです。お客さまのライフスタイルや価値観を知ることは、住宅設計を行ううえでも重要な要素となるためです。
ヒアリングを通してお客さまの潜在ニーズを捉えることで、お客さまが求める情報や解決策を提示することが可能です。
お客さま本人に自身のニーズを自覚させることができれば、次のアクションへつなげられます。
②決断をお客さまに委ねる
クロージングの際には、最終的な決断をお客さまに委ねることが重要です。
最終段階で無理に成約につなげようとすると、不安や焦りから断られてしまうことがあります。たとえば、以下のような選択肢を与えてお客さまが断れる余裕を持たせることがポイントです。
▼クロージングの例
- 「お返事は〇日までにいただければ結構です」
- 「ご家族さまで十分に話し合ってからお返事をください」
- 「今すぐご契約いただく必要はございません」
このように、売り込み感をなくし、お客さまの不安や焦りを払拭(ふっしょく)することで成約につなげやすくなります。
また、お客さま自らが選択したと認識してもらうことで商品・サービスへの満足度を高めることも期待できます。
まとめ
営業活動においては、お客さまに「売り込みだ」と感じられると警戒心や抵抗を持たれやすくなります。
売り込み感をなくすためには、営業担当者からの一方的な提案ではなく、お客さまの話に耳を傾けながら、対等な関係性を築く姿勢が必要です。
同様に、ヒアリングを通じてお客さま中心の会話を心がける、最終的な決断を急がせないといったコミュニケーションも重要なポイントです。
「営業活動がなかなか成果につながらない」とお困りの営業担当者さまは、お客さまと接する姿勢やコミュニケーションの取り方を見直してみてはいかがでしょうか。