AI検索で選ばれる工務店・ハウスメーカーになるためのAIOの基礎

生成AIの普及に伴い、人々の検索行動にも大きな転換期が訪れました。
家づくりに関する検索行動も、今では生成AIを使うことが主流になりつつあります。
この記事では、工務店・ハウスメーカーがAIO(AI最適化)に取り組むべき理由とともに、AI検索で選ばれる工務店・ハウスメーカーになるための基本的な考え方や具体的な手法例を解説します。
家づくりも生成AIで検索する時代に
OpenAI社のChatGPTが公開されて以来、生成AIが話題に上らない日は無いといっても過言ではありません。使われる場面も日に日に拡大しており、日常的に目にするさまざまなインターネットサービスにも生成AIが活用されるようになっています。
代表的な検索エンジンであるGoogle検索においても、検索結果の一番上に「AIによる概要」が表示されるようになり、さらにAIモードを使って対話形式で検索できるようにもなりました。
こうした大きな変革の中で、注文住宅をはじめとする家づくりに関してもAI検索が使われるようになってきていることを示したマーケティング調査の事例があります。
(株)伸和エージェンシーとECマーケティング(株)が2026年1月に共同で発表した調査結果で、一戸建て住宅購入検討者に対して情報収集の手段を尋ねており、対象者の約3割が生成AIを活用したとの回答結果でした。具体的な使い方としては、ハウスメーカーの候補の洗い出しと各メーカーの特長の抽出、重視する項目についての比較が主なようです。

(出典:(株)伸和エージェンシー、ECマーケティング(株)『住宅分野における消費者の生成AIを使ったWebでの情報検索行動の実態を可視化 業界初「生成AI対策/LLMO弱点あぶり出し調査」サービスを開始 生成AI時代のWebマーケティング戦略を立案』)
生成AIの性能も急速に発達している中、これからは家づくりに関する検索行動も生成AIを使うことが主流になっていくと予想されます。
SEO(検索エンジン最適化)よりも成果に直結するAIO(AI最適化)
AI検索の普及に伴い、従来のSEO(Search Engine Optimization; 検索エンジン最適化)に加えてAIO(Artificial Intelligence Optimization; AI最適化)も重視されるようになってきました。
AIOとは、AI検索の結果で推奨される選択肢や、Webページへのリンク付きで記載される情報の出典として、自社の情報が選ばれやすくなるようにするための一連の対策のことです。
同じような意味合いで「LLMO(Large Language Model Optimization; 大規模言語モデル最適化)」や「GEO(Generative Engine Optimization; 生成型検索エンジン最適化)」という用語が使われることもあります。
従来の検索行動では、見込み顧客はまず「松山市 注文住宅」のような文言で検索し、結果画面に表示された工務店やハウスメーカーの公式Webサイトを見比べたり、LIFULL HOME'S注文住宅等の情報ポータルサイトに掲載されたレビュー等を見たりしながら比較検討していました。
しかしAI検索を使う見込み顧客は、検索結果としてまずAIが生成する回答文を読み、さらに重視する住宅性能やデザイン性、予算など次々と条件をつけ加えながらAIに比較させ、ある程度検討が進んだ状態になってから工務店やハウスメーカーの公式Webサイトを訪れます。
すなわち、公式Webサイトを訪れる時点ではかなり成約の可能性が高い見込み顧客になっているということです。
AIの推奨する選択肢に挙げられることは、従来の検索流入と比べてずっと成果に直結しやすいといえます。このことが、AIOに取り組むべき理由の最たるものです。
AIOの具体的な手法の例
では、具体的にどのように対策すれば良いのでしょうか。
従来のSEOでもいえることですが、対策の基本は闇雲に文字数を増やすことではなく、読みやすく質の高い情報を掲載していくことです。
Googleが公式に発信している情報でも、SEOと同様に「オーディエンスにとって価値があり、独自性のあるコンテンツを作成する」ことがAI検索に効果的であるとされています。
(出典:Google『Google 検索の生成 AI 機能向けに最適化するための Google のガイド | Google 検索セントラル』)
たとえば、施工事例の記事の情報を充実させることが対策としてまず挙げられます。
単に写真を掲載するだけではなく、施主の予算や要望とそれらへどう対応したか、建物の種類や規模、立地、工法や設備の特徴、デザイン上のこだわりなど、公開しても支障のない範囲でできるだけ詳しく記述することが重要です。完成した物件に対する施主の感想などもあればなお良いでしょう。
検索では地域を指定する文言も必ずといって良いほど入るため、地域性をふまえた家づくりの情報を記述しておくとAIに参照されやすくなります。
霧の出やすい地域で行っている湿気対策、寒冷地で行っている大雪対策など、営業エリアに応じた内容を詳しく記述すると良いでしょう。
競合他社と比べた自社の特徴も詳しく記述しておきたいところです。
AI検索の回答文の中で、推奨される選択肢として短い文章を添えて紹介されることを想定し、自社の特徴をわかりやすく端的にまとめておきましょう。
代表者や従業員の持つ専門資格、家づくりに対する思いなども記述しておくと、AIに対する独自性のアピールになります。
技術的な対策としては、構造化データをマークアップしておくことも重要とされています。これは、Webコンテンツ内の各要素(事業者名、事業内容、所在地、など)の意味合いをAIが認識しやすくなるようにする対策です。
Google公式のマークアップ支援ツールも無料で公開されているので、活用すると良いでしょう。
(出典:Google『構造化データ マークアップ支援ツール - Search Console ヘルプ』)
AIOでは口コミや第三者メディアでの情報も重要
AIはインターネット上の情報を横断的にまとめて回答を生成するため、Googleマップ等に寄せられた口コミや第三者メディアに掲載された情報も重要となります。特に、選択肢として複数の事業者・サービスを列挙する回答が作られる際には、レビューサイト等が出典として選ばれやすい傾向があるともいわれています。
AI検索時代に適応するためにも、口コミへの適切な対応が重要です。LIFULL HOME'S注文住宅等の情報ポータルサイトに掲載されることも、以前より効果が高まっているのかもしれません。
インターネット上の口コミ対応については、過去の記事「悪い口コミも対応次第で好機に変わる| 住宅業界で重要度を増すMEOの一環として」もぜひご参照ください。
【関連サービス】
≫LIFULL HOME'S 注文住宅
記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:家づくりにAI検索は影響する?
A:一戸建て住宅検討者が既にAI検索を活用していることを示したマーケティング調査の事例があります。生成AIの性能も急速に発達している中、これからは家づくりに関する検索行動も生成AIを使うことが主流になっていくでしょう。
Q:AI検索への対応は成果につながるの?
A:AI検索を活用する見込み顧客は、さまざまな条件でAIに比較させ、ある程度検討が進んだ状態になってから工務店やハウスメーカーの公式Webサイトを訪れます。AIの推奨する選択肢に挙げられることは、従来の検索流入と比べてずっと成果に直結しやすいといえます。
Q:AIO(AI最適化)は具体的に何をすれば良い?
A:対策の基本は、読みやすく質の高い情報を掲載していくことです。施工事例や地域性をふまえた家づくり、自社の特徴などの情報を充実させ、構造化データをマークアップしましょう。口コミや第三者メディアに掲載された情報も重要です。
執筆者
杉山 啓(IMASSA認定マーケティング実務士、行政書士、統計調査士)
インターネット行動履歴データに基づくマーケティング支援を行うベンチャー企業に勤めていた際に、住宅、情報通信、出版、化粧品など多岐にわたる業界の大手企業を対象とするコンサルティングや法人営業に従事した。
2018年にマーケティング・ビジネス実務検定A級(IMASSA認定マーケティング実務士)、統計調査士、統計検定2級に合格。Uターン後は愛媛県内の道の駅でEC運営を担当し、月間のサイト訪問者数を前年比約2倍、売上を前年比約1.3倍に増やした経験ももつほか、非営利で哲学対話・哲学カフェのワークショップも継続的に主宰している。2024年に行政書士に登録し、企業間の契約書類作成等の法律業務も担う。



