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平屋建てという選択、平屋建てのメリット・デメリット

お客さまが住宅を建てたいと夢を持ったとき、そこには2階以上の一戸建てだけではなく、平屋建ても選択肢のひとつに入ります。

平屋建ては、同じ面積の住宅を建てようとすると、2階建て以上の一戸建てより広い土地が必要となりますが、その分得られるメリットが多くあります。

今回は平屋建てを選択する理由や、平屋建てのメリット・デメリットを暮らしやすさ・機能面・コストの面から解説していきます。知識の幅を広げてお客さまの住宅づくりのサポートに生かしましょう

目次[非表示]

  1. 1.平屋建てを選択する理由とは?
    1. 1.1.核家族数の増加
    2. 1.2.住宅性能やデザインの向上
  2. 2.平屋建てのメリット
    1. 2.1.メリット1. 強風や耐震面で安心
    2. 2.2.メリット2. 広々とした空間や動線と自由な間取り設計
    3. 2.3.メリット3. フラットで暮らしやすい居住環境
    4. 2.4.メリット4. 密なコミュニケーションが取れる
    5. 2.5.メリット5. メンテナンス費用の軽減
    6. 2.6.メリット6. 自然をより感じられる
  3. 3.平屋建てのデメリット
    1. 3.1.デメリット1. ある程度の土地の広さは必要
    2. 3.2.デメリット2. 基礎部分・屋根部分の建築費用は上がる
    3. 3.3.デメリット3. 水害時には対応策が必要
  4. 4.平屋建ての魅力を伝えよう

平屋建てを選択する理由とは?

総務省統計局が2018年4月に発表した住宅・土地統計調査によると、一戸建の1階建ての住宅数は、平成20年4,370件、平成25年4,017件、平成30年3,687件となっており、年々減少傾向にあることがわかります。

(出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」

こういった平屋建ての住宅が減少しているなかでも、平屋建てを選択するお客さまがいることは事実です。そのお客さまが何故平屋建ての住宅を選択するのか、その理由を探ります。

核家族数の増加

以前の日本では3~4世代が共に住み、生計も一緒という家庭が一般的でした。

しかし現在の日本では核家族、いわゆる1~2世帯ごとに住宅を持つことが主流になり、大人数で暮らす家庭が少なくなっています。

2019年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した、国勢調査を基に2015年からの25年間について人口推計を行った情報によると、2023年を過ぎたころから一世帯の人数自体が減少するという予想が出されました。

世帯の人数は減少し、世帯は高齢化が進み、高齢者の独居率は上昇すると推計結果が出されています。そのような結果からも読み取れるように、住居に多くの部屋数を求めていないお客さまが増加していることが背景にあると考えられます。

(出典:国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)

住宅性能やデザインの向上

平屋建ては広い土地が必要のため、贅沢でコストの高いイメージがありますが、現在は住宅性能の向上と高いデザイン性の設計により、ある程度の土地の広さがあれば平屋建ての建築が可能となりました。

人による技術の進歩もあって、平屋建てが選択肢に加わる要因にもなっています。

平屋建てのメリット

ここからは平屋建てのメリットを紹介していきます。多くのメリットがあるので確認していきましょう。

メリット1. 強風や耐震面で安心

地震大国とも呼ばれる日本は耐震性を重視して住宅は建築されています。平屋建ては上層部分の重みがないため、上層階のある住宅に比べると耐震性が高くなっていることがメリットのひとつです。

地震に限らず、台風などの強風の際も平屋建ての方が安全性は高いです。崩壊するなど危惧せずに暮らせるのはうれしい点です。

メリット2. 広々とした空間や動線と自由な間取り設計

上層階がないということは、上下移動するための廊下や階段が不要ということになります。

上層階部分を支えるための柱も不要になるため、その分のスペースを有効活用でき、生活動線にもゆとりのある間取りにすることが可能です。構造の制限が少なくなるため、お客さまの希望が叶いやすい間取り設計が可能になります。

メリット3. フラットで暮らしやすい居住環境

上層階のある住宅の場合、階段部分では小さな子どもの転落事故の心配や対応策を施さなくてはなりません。小さな子どもでなくても、足を踏み外して怪我を負ってしまう事例もあります。

また、家事のため階段を往復するなど負担が大きくなってしまう要因になります。今は健康でも将来を想像したときに階段の使用を不安に思う人は少なくありません。このように平屋建ては世代を問わずに暮らしやすい居住環境が実現できます。

メリット4. 密なコミュニケーションが取れる

平屋建てはワンフロアのため、各部屋に向かうためにリビングを必ず通るようにするといった間取りにすることで、一緒に住む家族とのコミュニケーションは取りやすくなります。

コミュニケーションが取りやすいと、小さな子どもの気配や行動を確認しながら家事ができたり、家族の体調面なども察しながら生活することができたりと、密なコミュニケーションが取れるメリットがあります。

メリット5. メンテナンス費用の軽減

住宅は、一度建てたら一生快適に住めるというものではありません。傷みが目には見えなくても定期的にメンテナンスを施し、住宅の耐久性を維持していくことが大切です。

外壁や屋根部分にメンテナンスを施す場合、上層部へ上がるためには足場を組む必要があります。メンテナンスのためには必要な費用ですが、足場の費用も安くはありません。

平屋建ては足場が不要、もしくは少なくて済むというメリットがあるのでメンテナンス費用を節約することができます。
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メリット6. 自然をより感じられる

平屋建ては地面と近い距離で生活するので四季折々の気候や風情を感じながら生活できるようになります。上層階のある住宅に比べると風通しがいいので、夏にはエアコンいらずで過ごせる日もあるでしょう。

日当たりによっては冬も自然光の暖かさで過ごすこともできます。部屋によって気温が大きく異なることも少ないため、光熱費の節約が期待でき、健康面にもメリットがあります。

平屋建てのデメリット

続いては平屋建てのデメリットを紹介します。お客さまの後悔のない住宅づくりをサポートするためにもデメリットをしっかり踏まえ、必要に応じて案内することが大切です。

デメリット1. ある程度の土地の広さは必要

住宅性能やデザインは向上しているものの、生活に必要不可欠な土地スペースがないと、平屋建ての住宅設計は難しいものとなります。まずは家族構成や必要な部屋数、床面積を確認しましょう。

デメリット2. 基礎部分・屋根部分の建築費用は上がる

上層階のある住宅と比べると、広い敷地面積で基礎部分・屋根部分の資材や工事が必要であり、その部分のみを比較すると費用がかかってしまいます。

しかし、廊下や階段がない分は建築費用のコストカットが可能です。メンテナンス費用も上層階のある住宅よりも安価にできるメリットもあるので、その点も含めてお客さまに案内できるようにしましょう。

デメリット3. 水害時には対応策が必要

地震や台風などの災害には安定感を発揮する平屋建てですが、水害には弱い面があります。海抜の高さや、もしものときはどう対応するかという面も検討して土地探しや設計をする必要があります。

平屋建ての魅力を伝えよう

今回は平屋建てのメリット、デメリットを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。お客さまが最善の住宅づくりの選択ができるように、平屋建てを検討していない方にも、平屋建ての提案をしてみる価値はあるでしょう。

今回紹介した平屋建てのメリット、デメリットを住宅メーカーの営業担当者として、知識に蓄え、役に立ててみてください。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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