注文住宅カタログの作り方| 資料請求を来場につなげる見直しポイントを解説

資料請求は届いているのに、来場や商談につながらない。
そう感じている工務店の担当者は少なくありません。
原因を追客の回数や電話のタイミングだけに求めてしまうと、本当の問題を見落とすおそれがあります。
検討者は複数社に同時に資料を請求し、届いたカタログの印象で次に会う会社を絞り込んでいるケースが多いためです。
この記事では、来場につながらないカタログの共通点と若年層の情報収集の実態を整理し、注文住宅カタログの作り方と請求後の追客まで、来場率を高める見直しポイントを解説します。
資料請求から来場につながらないカタログの共通点
資料請求は増えているのに来場につながらない場合、原因は追客の頻度ではなく、カタログの中身にあるケースが少なくありません。
資料請求の段階の検討者は、比較のために複数社へ同時に請求し、届いたカタログの印象で次に会う会社を絞り込んでいると考えられます。
そこでカタログが工法や設備のスペック、自社の沿革といった「会社が伝えたいこと」中心になっていると、読者の「自分の暮らしがどう変わるか」という関心に応えられません。
その結果、他社との違いも伝わりにくくなるでしょう。
さらに、Webサイトに載っている情報の焼き直しであれば、わざわざ来場して話を聞く理由も生まれません。
カタログの役割を「会社案内」ではなく「来場したくなる理由をつくる販促物」と捉え直すことが、来場率を改善する出発点になります。
Z世代・ミレニアル世代は家づくり情報をどう集めているか
注文住宅の主な取得層は30歳代であり、今後の中心はミレニアル世代とZ世代へ移っていきます。
この層は性能の数字だけでなく、共感できるストーリーとリアルな暮らしのイメージを重視する傾向があります。
ここでは、若年層の情報収集の特徴を見ていきましょう。
施工者を探す手段はインターネットが展示場に並んだ
国土交通省の住宅市場動向調査では、注文住宅取得世帯が施工者を探した方法を調べています。
令和7年度の調査では、全国で「住宅展示場」と「インターネット」がともに45.8%となり、同率で最も多い結果となりました。
前年度からの動きを整理すると、次のとおりです。
施工者を探した方法 | 令和6年度 | 令和7年度 |
|---|---|---|
住宅展示場 | 50.8% | 45.8% |
インターネット | 46.6% | 45.8% |
※(出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」(令和8年7月公表))
展示場の割合が下がる一方でインターネットは横ばいで、両者が並んだ形です。
来場する前の絞り込みが、Web上で進んでいる可能性を示す数字といえるでしょう。
スペックより「共感・ストーリー」で判断する
性能値の比較は前提条件にすぎず、それだけでは決め手になりにくいのが実情です。
誰がどんな想いでつくっているのか、実際に住む人がどう暮らしているのか。
物語の部分が「会いたい」という気持ちをつくります。
数値の裏づけを示したうえで、その先にある暮らしを描くことが大切です。
口コミやSNSでの評判を重視する
広告的な美辞麗句よりも、施主の本音や第三者の評価を信頼する傾向が強く見られます。
LIFULLとオープンハウスグループの共同調査「住宅購入に関する意識調査2024〜Z世代 VS X世代編〜」では、住宅購入にあたって参考にする情報源としてSNSを挙げた人の割合が、Z世代で38.3%、X世代で20.3%でした。
若い世代ほど、企業発の情報だけでなく第三者の声を確認したうえで判断していることがうかがえます。
来場につながる注文住宅カタログの作り方
カタログの見直しは、デザインの刷新だけでは効果が出にくいものです。
若年層の情報行動に合わせて、視覚・導線・透明性の3点をセットで設計することが重要になります。
ここでは、具体的な作り方を4つの視点から解説します。
視覚は「SNSテイスト」に寄せる
余白を活かした大きな写真と、実際の暮らしが想像できるスタイリングで構成しましょう。
設備の物撮りを並べるよりも、朝食の場面や子どもが遊ぶ場面など、生活のワンシーンを見せるほうが伝わります。
読者が自分と家族の姿を重ねられるかどうかが、ページをめくる動機につながるはずです。
QRコードでWeb・SNSへつなぐ
カタログのなかに、ルームツアー動画や社員インタビュー、施工事例のSNSアカウントへのQRコードを配置します。
紙で興味を持った読者を動画やSNSへ誘導できれば、接触の回数を増やせるでしょう。
紙とWebを行き来させる設計は、検討期間の長い注文住宅で効果を発揮しやすくなります。
掲載の作法を守って「先輩施主の声」を載せる
成功事例だけでなく、施主が迷った点や工夫した点、率直な感想も載せましょう。
第三者の声を扱う際は、事実に基づく内容とし、広告であることを隠す表現にならないよう注意が必要です。
とくにSNSで施主やインフルエンサーに投稿を依頼する場合は、広告であると分かる表示が欠かせません。
事業者の広告であるにもかかわらず第三者の感想を装う表示は、2023年10月から景品表示法上のステルスマーケティングとして規制の対象になっています。
「来場して得られること」を明記する
モデルハウスでしか体感できない性能、来場者だけに渡す資料や特典、予約の方法を具体的に示します。
カタログの最後を「次にやること」で締めると、読者の行動の指針になります。
読み終えた読者が迷わず動ける状態をつくることが、来場率の改善につながるでしょう。
資料請求後の追客で来場率を引き上げる方法
カタログの中身を磨いても、届けた後の動きが設計されていないと来場にはつながりません。
請求から来場予約までを、一連の流れとして組み立てておくことが大切です。
請求後の初回接触は早く・軽くする
資料が到着する前後に、お礼と簡単な自己紹介を短く届けましょう。
いきなり商談を持ちかけるのではなく、「気になる点はいつでもどうぞ」と伝えて心理的なハードルを下げます。
早さと軽さを両立させた接触が、その後のやり取りを続けやすくします。
メールの配信はルールを守って設計する
広告や宣伝のメールを送る場合は、特定電子メール法に基づく事前の同意の取得と、配信停止の導線が必要です。
同法の対象は電子メールとSMSであり、LINEなどのメッセージングアプリは対象外とされています。ただし対象外の手段であっても、配信停止の受け皿は用意しておくと安心でしょう。
取得した個人情報の利用目的についても、請求フォームの段階で明示しておくことが求められます。
来場予約の選択肢を複数用意する
完成見学会、モデルハウス、オンライン相談など、検討の温度感に合わせて選べる導線を用意します。
「いきなり展示場はハードルが高い」と感じている層には、オンライン相談や個別相談が受け皿になるでしょう。
入り口を増やすことが、来場率そのものを底上げする方法のひとつです。
魅力的なカタログを届けるなら、LIFULL HOME'Sで
カタログを磨き上げても、届く相手が少なければ来場者は増えません。
見直したカタログの効果を最大化するには、家づくりを検討している層により多く届けるプラットフォームの活用が有効です。
LIFULL HOME'S 注文住宅は、注文住宅を検討するユーザーがテーマやこだわり条件から住宅会社を探し、カタログを請求できるサービスです。
反響に応じた費用で運用できるため、固定費を抑えながら資料請求の母数を増やしたい工務店に活用できます。
磨き上げたカタログと、検討度の高いユーザーが集まる場を組み合わせることが、「資料請求で終わらない集客」につながります。
「資料請求を来場につなげたい」「若年層への集客を強化したい」とお考えの場合は、カタログの見直しとあわせて、届ける手段も点検してみてはいかがでしょうか。
【関連サービス】
≫LIFULL HOME'S 注文住宅
記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで振り返っておきましょう。
Q:資料請求が来場につながらないのはなぜですか?
A:追客の頻度ではなく、カタログの中身に原因があるケースが多く見られます。検討者は複数社へ同時に請求し、届いた資料の印象で次に会う会社を絞り込んでいるためです。スペックや沿革中心の内容では、来場して話を聞く理由が生まれにくくなります。
Q:Z世代・ミレニアル世代はどのように家づくりの情報を集めていますか?
A:国土交通省の令和7年度の調査では、施工者を探す方法として「住宅展示場」と「インターネット」がともに45.8%で並びました。民間の調査でもSNSを参考にする割合は若い世代ほど高く、第三者の声を確認したうえで判断する傾向がうかがえます。
Q:来場につながる注文住宅カタログの作り方を教えてください。
A:視覚・導線・透明性の3点をセットで設計しましょう。余白を活かした暮らしの写真、動画やSNSへつなぐQRコード、迷った点も含めた施主の声、来場で得られることの明記という4つを押さえると、読者の行動につながりやすくなります。
Q:資料請求後の追客ではどのような点に気をつければよいですか?
A:資料到着の前後に、お礼と自己紹介を短く早めに届けることが基本です。広告メールを送る場合は特定電子メール法に基づく同意の取得と配信停止の導線が必要で、個人情報の利用目的も請求フォームで明示しておきましょう。
Q:カタログを見直したあとは何をすればよいですか?
A:届ける相手を増やす工夫が必要になります。テーマやこだわり条件から住宅会社を探せるポータルサイトを活用すれば、検討度の高い層に資料を届けやすくなります。反響に応じた費用で運用できる媒体なら、固定費を抑えながら母数を増やせるでしょう。
執筆者
瀧澤 成輝(二級建築士)
住宅リフォーム業界で5年以上の経験を持つ建築士。
大手リフォーム会社にて、トイレや浴室、キッチンなどの水回りリフォームを中心に、外壁塗装・耐震・フルリノベーションなど住宅に関する幅広いリフォーム案件を手掛けてきた。施工管理から設計・プランニング、顧客対応まで、1,000件以上のリフォーム案件に携わり、多岐にわたるニーズに対応してきた実績を持つ。
特に、空間の使いやすさとデザイン性を両立させた提案を得意とし、顧客のライフスタイルに合わせた快適な住空間を実現することをモットーとしている。現在は、リフォームに関する知識と経験を活かし、コンサルティングや情報発信を通じて、理想の住まいづくりをサポートしている。



