《住宅建築》施工管理技士と建築士の資格一覧!試験概要・時期・難易度もご紹介
住宅建築の営業において、役立つ資格が施工管理技士と建築士です。施工管理技士や建築士には複数の種類があるため、今回は施工管理技士と建築士の資格一覧を、試験概要や時期、難易度と共にご紹介します。
目次[非表示]
- 1.施工管理・建築士が取得したい資格一覧
- 1.1.一級・二級建築施工管理技士
- 1.2.一級・二級建築士
- 1.3.電気工事施工管理技士
- 1.4.管工事施工管理技士
- 1.5.木造建築士
- 2.資格の合格率や難易度とは?
- 2.1.施工管理技士
- 2.2.建築士
- 2.3.電気工事施工管理技士
- 2.4.管工事施工管理技士
- 2.5.木造建築士
- 3.2020年に建築士の受験資格が緩和された
- 4.まとめ
施工管理・建築士が取得したい資格一覧
施工管理技士には、以下の種類があります。
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 管工事施工管理技士
また、建築士には以下の種類があります。
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
ここからは、それぞれの資格の概要について詳しくご紹介します。
一級・二級建築施工管理技士
施工管理技士の基本となる資格は、一級建築施工管理技士と二級建築施工管理技士です。それぞれ第二次検定と第一次検定があり、第二次検定は実施試験、第一次検定は学科試験が行われます。
施工管理技士検定は、令和3年度から試験内容が大きく変更されました。従来の学科試験の内容に加えて、第二次検定(実技試験)の内容が一部追加されています。過去の教材を使う場合は特に注意が必要です。
試験はマークシート方式で行われ、全体の得点の60%以上正答で合格です。
一級・二級建築士
建築士として、最も一般的な資格といえるものが一級建築士と二級建築士です。一級建築士も二級建築士も出題範囲が広く、後ほど合格率をご紹介しますが難易度の高い資格です。十分に勉強時間を確保して、しっかりと理解を深めておかないと合格は難しいでしょう。
一級建築士も二級建築士も、学科試験と製図試験の両方に合格しなければ、取得できません。製図試験は学科試験に合格できないとそもそも受験できないため、まずは学科試験に確実に合格する必要があります。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事の現場を管理するために必要な資格です。一級と二級があり、二級は一級に比べて管理できる現場に制限があります。
具体的には、ビルや商業施設など総額4,500万円以上の規模の大きい案件は一級電気工事施工管理技士しか管理できません。
電気工事施工管理技士が社内にいると、電気工事の技術の評価が上がって案件を受けやすくなることから、電気工事施工管理技士の需要は非常に高いといえます。
なお、試験は一次試験と二次試験があり、どちらも合格すると資格が与えられます。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、配管工事の施工計画の作成や工程・安全・品質の管理等ができる資格です。
配管工事を行うために必要なエキスパートということで重宝されるため、転職でも有効に活用できます。
管工事施工管理技士にも一級と二級があります。二級は専任技術者と主任技術者にのみ就任できますが、一級になると専任技術者と主任技術者に加えて監理技術者にも就任可能です。
資格を取得するためには、一次試験(学科試験)と二次試験(実技試験)の両方に合格する必要があります。ただし、二級管工事施工管理技士を取得している人が一級管工事施工管理技士を受験する場合、一次試験が免除されます。
木造建築士
木造建築士は、木造の建築物に関する設計ができる資格です。ただし、設計できるのはあくまでも木造の建築物のみであり、一級建築士や二級建築士のように木造以外の建築物は設計できません。
また、木造建築士は国家資格ですが、国土交通大臣ではなく道府県の知事から認可を受けることで取得できる資格です。
木造建築士には一級と二級があり、どちらも学科試験と製図試験の両方に合格しなければなりません。学科試験は7月、製図試験は10月に行われるため、まずは学科試験に重点を置いて学習を進めましょう。
資格の合格率や難易度とは?
資格を取得したいと考えた場合、気になるのが合格率と難易度でしょう。そこでここからは、それぞれの資格の合格率や難易度をご紹介します。
施工管理技士
一級建築施工管理技士及び二級建築施工管理技士の合格率は一次試験、二次試験ともに40%前後です。一級の方が取得が難しいとされていますが、合格率にさほど大きな差はありません。とはいえ、どちらも合格率が50%を切っているため難易度は高めです。
建築士
建築士は一級と二級があり、どちらも難易度が高めですが一級の方が難易度が高いです。合格率を見ると、二級の合格率は約25%であるのに対し、一級は約10%です。先述した施工管理技士の合格率と比較しても、一級、二級ともに合格率が極めて低いため、非常に難易度が高いことがわかります。
建築士の合格率が低い理由として、出題範囲が広いことと問題自体が難しいことが考えられます。特に、一級建築士は二級建築士のように業務に制限がない分試験範囲が広く、難易度が高いです。
電気工事施工管理技士
一級電気工事施工管理技士の合格率は、一次試験が45.5%、二次試験が66.7%でした。建築施工管理技士の合格率が40%前後であることから、比較的難易度は低めということがわかります。
また、二次試験は66.7%と合格率が高めです。とはいえ、一次試験に合格しないと二次試験を受験できないため、まずは一次試験の勉強から始めるとよいでしょう。
管工事施工管理技士
一級管工事施工管理技士の合格率は、一次試験が40%前後、二次試験が50%前後です。このことから、管工事施工管理技士の難易度は建築施工管理技士よりも易しく、電気工事施工管理技士より若干難しいことがわかります。
管工事施工管理技士には一級と二級がありますが、一級は制限がないため合格率を見ても一級管工事施工管理技士の取得がおすすめです。
木造建築士
公益財団法人建築技術教育普及センターによると、木造建築士の過去5年間(2018年~2022年)の平均合格率は学科試験が55.80%、製図試験が64.62%であることがわかっています。試験全体の合格率は35.08%であり、二級建築士より合格率は高めです。
とはいえ、木造建築士は木造建築物しか設計できないため制限が多いという点から、建築士としての制限を減らしたい場合は一級建築士か二級建築士を取得することをおすすめします。
2020年に建築士の受験資格が緩和された
2020年、建築士の資格取得に大きく関係のある建築士法が改正されました。これに伴い、建築士の受験資格が緩和されて資格が取得しやすくなりました。
2020年の建築士法の改正により、実務をこなしていない人でも建築士の資格が受けられるようになったのです。法改正以前は、二級建築士と木造建築士も一定の実務経験がないと受験できませんでした。しかし、法改正後は、建築学科なら大学・短期大学・高等専門学校・高等学校の卒業者にも受験資格があります。
また、受験資格以外にも防火・避難関係規定の緩和や遊戯施設の客室部分に係る構造基準の具体化なども施行されています。
まとめ
建築業界に携わる場合、建築士や施工管理技士の資格があると担当できる仕事が増えたり、キャリアアップに役立ちます。それぞれの資格概要や受験資格を知り、必要な資格を取得しましょう。
なお、LIFULL HOME'Sでは住宅業界に関するノウハウを多数掲載しています。ぜひ他のコラムもご覧ください。