建築・施工管理

施工管理と現場監督の違いは? 年収・業務内容・必要なスキルも併せて紹介!

施工管理と現場監督の違いは? 年収・業務内容・必要なスキルも併せて紹介!

建築業にはさまざまな職種やポジションが存在しており、企業によって取扱い方や呼び名が変わることも珍しくありません。たとえば、現場の工事全体をマネジメントする立場は、現場監督と表現されることもあれば、施工管理者と呼ばれるケースもあります。

今回は施工管理者と現場監督の違いや、年収・主な業務内容、求められるスキルなどをまとめてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.施工管理者と現場監督の違い
  2. 2.年収は約400万~600万円程度
  3. 3.それぞれの業務内容
    1. 3.1.スケジュール管理
    2. 3.2.リソース管理
    3. 3.3.予算管理
    4. 3.4.品質管理
    5. 3.5.安全管理
  4. 4.資格を取得するほうが業務の幅が広がる
    1. 4.1.建築施工管理技士
    2. 4.2.各種の施工管理技士
  5. 5.実務経験を積んでからの資格取得が基本的な流れ

施工管理者と現場監督の違い

結論から言えば、施工管理者と現場監督の役割はほとんど同じであり、大きな違いはありません。どちらも建設作業の現場を管理するのが主な役割であり、一言で表現すれば「スケジュールどおりに安全かつ十分な品質で工事を完了させるため」の仕事といえます。

施工管理者はスケジュールの管理や資材管理、安全管理などを行うポジションであり、工事全体のマネジメントを行います。それに対して、一般的に見れば、現場監督はもう少し現場寄りの立場で監督業務を行い、デスクワークが少なめといったイメージを持たれることも多いです。

しかし、実質的には両者の役割に明確な区別はなく、現場監督も施工管理者と同じような役割を担うことが多いです。また、会社によっても役割分担は異なります。

たとえば、規模が大きな企業なら現場寄りの業務を現場監督が担い、事務作業や管理業務を施工管理者に任せるといったケースもあるでしょう。一方、小規模な会社では、施工管理者一人で担うことが多いといえます。

年収は約400万~600万円程度

あくまで目安ではありますが、施工管理および現場監督の平均年収は、おおよそ400万~600万円程度とされています。ただし、前述のとおり、企業によってそもそもの役割や担当業務に違いがあるため、収入の設定にも差が生まれやすい面があります。

年齢や経験、企業規模、業種などの条件によって違いが生じるので、まずは同条件の求人情報などを参考にしてみるといいでしょう。なお、20代の施工管理者・現場監督では平均年収300万円前後、30代後半になれば400万円程度が一般的といえます。

40代、50代になると役職に就く従業員も多くなるため、年収も500万円を超えてくるケースが珍しくありません。特に業界最大手のゼネコンでは、平均年収が1,000万円を超えるところもあり、企業の規模によっても相場は異なります。

それぞれの業務内容

これまで見てきたように、施工管理者と現場監督の業務内容はおおむね共通しています。ここでは、具体的な役割について5つのポイントに分けて見ていきましょう。

スケジュール管理

スケジュール管理は、決められた工期内に工事を完遂するために必要な業務です。具体的な仕事内容としては、「工程管理表の作成」「1ヶ月・1週間単位のスケジュール確定」「トラブル発生時の工程修正」などがあります。

そのため、施工管理者や現場監督は常に工事全体の状況を把握し、スケジュールと照らし合わせながらチェックしなければなりません。工期が延びれば、人件費や運営費がかさんでしまうだけでなく、依頼元からの信用を失ってしまうリスクもあります。

そのため、スケジュール管理は特に重要な業務といえます。

リソース管理

予算内で工事を完了させるには、資材や人的資源といったリソースの管理も重要となります。たとえば、「資材を調達するタイミングの決定」「必要人員の割り振り」などを工程管理表に沿って行い、リソースの無駄遣いが起こらないようにするのが主な目的です。

また、トラブルが発生しても柔軟に対応できるように、予算内である程度のゆとりを確保しておく必要もあります。スケジュール管理と同じように、工事全体が見えていなければ担えないため、施工管理者・現場監督の重要な業務の一つです。

予算管理

予算管理では、工事で発生する経費をとりまとめ、予算をオーバーしないように調整するのが主な仕事です。基本的には事前にある程度の予算を割り振っておくものですが、工事では予期せぬトラブルが発生することも少なくなく、追加で費用が発生するケースもあるのでリアルタイムでの把握が重要です。

品質管理

品質管理とは、あらかじめ決められた仕様や顧客の要望、法令の基準などをクリアできるように品質を保つための業務です。基本的には設計図や仕様書の要件に沿って施工が行われているかをチェックし、必要に応じて法律で定められた試験方法を用いた検査を実施します。

また、施工記録を残し、自社にノウハウを蓄積していくことも品質管理の重要な目的です。

安全管理

安全管理とは、現場の従業員の安全を守り、事故や労働災害を起こさないようにするための業務です。また、近隣の住民に万が一の被害が及ばないよう、事前に事故の可能性を排除しておくことも重要な目的です。

スケジュール上の要件を果たすためにはスピードが重要な側面もありますが、事故発生による影響を踏まえれば、安全管理はより欠かせない業務といえます。

資格を取得するほうが業務の幅が広がる

施工管理者や現場監督の業務は、指定建設業の監理技術者以外であれば、特に資格がなくても担当することができます。しかし、担当する業務はとても幅広く、専門性が求められる分野もいくつかあるため、キャリアアップを考えれば資格を取得しておくのがおすすめです。

ここでは、代表的な施工管理者としての資格をご紹介します。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、施工管理者や現場監督の業務に関する専門的な資格です。建築施工管理技士を取得すれば、監督技術者や主任技術者といった責任者としてキャリアが広がるとともに、指定建設業(土木や舗装、造園などの建築7業種)の工事にも携わることができます。

2級建築施工管理技士は、中小規模の工事を管理する資格であり、試験は「建築」「躯体」「仕上げ」の3分野からなります。1級建築施工管理技士は、工事の規模に上限がなく、大型商業施設や超高層マンション、公共施設などの工事にも携われる高度な資格です。

「指導監督実務経験1年以上」「大学の指定学科卒業後3年以上」といった厳しい受験資格が設けられているため、取得できれば希少価値の高い人材として重宝されやすくなります。

各種の施工管理技士

建築以外にも、施工管理技士には「土木」や「管工事」「造園」「電気工事」といった専門分野の資格が設定されています。土木施工管理技士は河川や港湾などの施工管理を任され、周辺住民への説明や用地の確保、役所の手続きなどの幅広い業務を担う専門職です。

管工事施工管理技士はガス管や空調、吸排気ダクト、上下水道設備などの施工管理を行える資格です。また、造園施工管理技士は公園や樹木の植栽、道路の整地、緑地の築造、植生の復元などの施工管理を担います。

電気工事施工管理技士は、照明や発電設備、電車線、信号設備といった電気工事全般の施工管理を行える資格です。いずれの資格も1級と2級があり、それぞれ受験資格や難易度が異なります。

実務経験を積んでからの資格取得が基本的な流れ

施工管理者や現場監督は、工事全体を俯瞰してマネジメントする重要な存在です。スケジュールどおりかつ予算内で確かな品質の工事を完遂するためには、欠かせない役割を担っており、建築業界においてはさまざまな企業で重宝される人材といえます。

それだけに業務の幅はとても広く、現場ごとに臨機応変な対応が求められる面もあります。まずは実務経験を通じて現場感覚を養い、そのうえで必要性の高い資格を取得していくのがキャリアアップの王道といえるでしょう。


●記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:施工管理者と現場監督は何が違う?
A:
基本的には共通の役割、業務を担う存在であり、両者の間にそれほど明確な区別はありません。企業や現場によっても呼び名が変わり、大規模な工事では両者をどちらも配置し、施工管理者がデスクワーク寄り、現場監督が現場寄りなどに担当領域を分けるケースもあります。

Q:施工管理者や現場監督に役立つ資格は?
A:
施工管理や現場監督は無資格でも担当できますが、建築施工管理技士の資格は親和性が高く、現場で重宝されやすいといえます。取得すればキャリアアップにつながりやすく、指定建設業に携われるなどの大きなメリットもあります。


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