建築業界見積もりソフトとは? 導入のメリットと注意点をご紹介
建築に関する業務を効率化する方法の1つとして、見積もりソフトの活用が挙げられます。見積書の作成といった定型業務をスムーズに行える仕組みを整えれば、業務の負担を減らせるでしょう。
ただし、見積もりソフトを導入することで得られるメリットなどを正しく理解したうえで、自社に合ったものを選ぶことが大切です。この記事では、見積もりソフトを導入するメリットや注意点、選び方のポイントなどを解説します。
目次[非表示]
- 1.建築業界見積もりソフトとは?
- 2.見積もりソフトを導入するメリット
- 2.1.見積書の作成をスムーズに行える
- 2.2.自動計算なのでミスを減らせる
- 2.3.利益の推移を把握しやすくなる
- 2.4.発注の状況が一目で分かる
- 3.見積もりソフトの活用パターン
- 3.1.情報共有による負担の軽減
- 3.2.見積もりに関連した業務の短縮化
- 3.3.業務フローの見直しによる生産性の向上
- 4.見積もりソフトを選ぶポイント
- 4.1.用意されているフォーマットが適切か
- 4.2.他のシステムとの連携は可能か
- 4.3.必要な機能がきちんと備わっているか
- 4.4.サポート体制が整っているか
建築業界見積もりソフトとは?
建築業界見積もりソフトとは名前のとおり、見積書の作成などが行えるツールをいいます。過去に作成した見積書のデータを取り込めば、白紙から見積書を作成する手間を省けるので、作業の効率化につながるでしょう。
また、受発注の管理や原価から粗利益率を自動算出するなどの機能が備わっているものもあります。加えて、実行予算の作成なども行えるので、取引先とのスムーズなやりとりに役立つでしょう。
請求書の作成も見積もりソフトから行えるので、見積もりに関する全般的な業務をほとんどカバーできるはずです。
見積もりソフトを導入するメリット
見積もりソフトを導入すれば、多くのメリットが得られます。具体的にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
見積書の作成をスムーズに行える
見積もりソフトを導入すれば、あらかじめ複数のフォーマットが用意されているので、見積書をスムーズに作成できます。フォーマットには入力項目が設けられているため、必要な情報を入力するだけで、手軽に見積書の作成が可能です。
見積もりソフトを使うことで、見積書の作成に関する専門的な知識が必要とされないため、業務の属人化を防ぐことにもつながります。
自動計算なのでミスを減らせる
見積書の作成において避けたい点としては、転記ミスなどの誤記載だといえるでしょう。手書きやExcelなどで入力する場合、どうしてもミスが発生してしまいがちです。
見積もりソフトを導入すれば、金額の集計などは自動で計算してくれるといったメリットがあります。また、過去に作成したデータを基に、他の見積書や帳票などを作成できるので入力の手間が省けますし、ミスを減らすことにもつながります。
利益の推移を把握しやすくなる
実行予算の作成機能が付いている見積もりソフトを使えば、案件ごとに原価に対する粗利益の推移などをチェックできます。見積もりや実行予算の作成、発注といったそれぞれの段階でどのように粗利益が推移しているかが把握しやすくなるので、受発注の判断にも役立てられるでしょう。
発注の状況が一目で分かる
見積ソフトの種類によっては、発注状況を確認できるものもあるので、担当者以外でも状況把握が簡単に行えます。担当者に確認をしなくても、データを確認すればリアルタイムの状況が分かるので、スムーズな業務の進行が可能となります。
見積もりソフトの活用パターン
見積もりソフトの導入を検討する際は、具体的にどのような活用ができるのかを把握しておくことも大切です。ここでは、3つの活用パターンについて紹介します。
情報共有による負担の軽減
社内の情報共有を行うために定期的なミーティングを行っている会社であっても、ミスが発生してからの情報共有では、トラブルが発生するのを未然に防ぐのは難しい部分があります。現場の担当者だけの情報共有に限界を感じている場合は、見積もりソフトの導入を検討してみるのもよいでしょう。
見積もりソフトを導入すれば、現場担当者から情報を入力してもらうことで、リアルタイムに情報共有を行えます。社内のメンバーの誰もが確認できる環境を整えておけば、情報共有にかかる手間を減らせるだけでなく、トラブルの防止にもつながります。
見積もりに関連した業務の短縮化
見積書の作成を手作業で行っていると多くの時間を作業に取られ、他の業務に支障が出てしまうこともあります。リソースが不足しているなかで新たな人員を増やすのも難しいときには、見積もりソフトの導入を検討することも大事です。
見積もりソフトの導入によって作業時間の短縮化が図れれば、その分のリソースを使って見積書のチェックを入念に行えます。定型業務で効率化できる部分の改善に取り組めば、売り上げや利益に関する部分に、より注力できるでしょう。
業務フローの見直しによる生産性の向上
建築業において、特に専門性が求められる工事を受注した場合、見積書の作成に時間がかかるケースがあります。電気工事などの専門性が高い工事の場合、使用する材料も多岐にわたるため、案件によっては見積書の作成に大幅な時間が取られてしまうこともあるでしょう。
見積もりソフトの導入によって、業務の効率化や迅速化を実現でき、従業員の業務負担の軽減につなげることができます。働き方に余裕ができることによって、生産性の向上に結びつけられるでしょう。
見積もりソフトを選ぶポイント
見積もりソフトを提供している会社は多いため、どれを選べばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。見積もりソフトを選ぶ際のポイントを解説します。
用意されているフォーマットが適切か
見積もりソフトには、あらかじめフォーマットが用意されています。ソフトによって用意されているフォーマットの種類や数は異なるため、複数の会社のソフトを比較・検討してみましょう。
豊富なフォーマットが用意されていれば、状況に合わせてさまざまな見積書を作成できる環境を整えられます。
他のシステムとの連携は可能か
新たに導入を検討する見積ソフトが、すでに使用している社内のシステムと連携できれば、作業をより効率化できるでしょう。他のシステムと連携させることによって、過去に作成したデータをうまく活用できます。
たとえば、取引先の情報や過去に作成した見積書のデータなどを、新たに導入する見積もりソフトで使えれば作業の省力化が図れます。導入を検討する際は、どのようなシステムと連携できるのかをチェックしてみてください。
必要な機能がきちんと備わっているか
見積もりソフトを導入しても、必要な機能がきちんと備わっていなければ、思うように業務の効率化につながりません。見積もりソフトの導入を検討する前に、まずは自社の課題となっている部分を洗い出し、課題の解決につながる機能を備えたソフトを選んでみましょう。
ただし、必要のない機能が多すぎるのも、コストなどの面からかえって無駄が生じてしまうため、過不足なく使用できる機能が備わっているかどうかもチェックすることが大切です。
サポート体制が整っているか
初めて見積もりソフトを導入する際は、実際に使い始めてから分からない点が出てくることも考えられます。ソフトの使い方や機能についての質問などをいつでも尋ねられるサポート体制が整ったソフトを選んでみましょう。
サポート体制が充実していれば、初めての導入でも不安な点をスムーズに解消できるはずです。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:見積もりソフトとは?
A:見積もりソフトとは、見積書の作成などが行えるツールであり、過去に作成した見積書のデータを取り込めば見積書を手軽に作成できます。また、案件の受発注の管理や原価から粗利益を自動で算出する機能が備わっているものもあるので、見積もりに関する業務を効率化するのに役立つはずです。
Q:見積もりソフトを選ぶポイントは?
A:見積もりソフトを選ぶ際は、必要な機能が備わっているかやフォーマットの種類、サポート体制の充実度などをチェックしてみましょう。また、外部システムとどの程度連携できるのかも確認することが大事です。