落ち着く空間づくりを。和室の特徴とは?
日本の住宅の特徴として、気軽にくつろげる空間である和室があげられます。住宅設計の際、和室を設置するかどうか悩む人も多いのではないでしょうか?
和室は使用用途が豊富という特徴があるため、お客さまがどのようなことを住宅に求めるかによって、和室の提案内容が変わってくるでしょう。
そして和室に欠かせないものが畳。畳は部屋の雰囲気をつくるだけでなく、機能的にも優れている点が多くあります。お客さまに和室について説明する際、畳に関する知識は役に立つでしょう。
今回は、和室の活用方法と畳のメリット、デメリットについて説明します。
目次[非表示]
- 1.高性能!畳の特徴を知っておこう
- 2.和室にはたくさんの使い方がある
- 2.1.家事をする主婦の味方
- 2.2.こたつとの相性バツグン
- 2.3.子どもが騒いでも大丈夫
- 2.4.お客さまにくつろぎを与える
- 2.5.ちょっとした休憩スペース
- 3.和室のデメリットは?
- 3.1.メンテナンスが必要
- 3.2.湿気に弱い
- 3.3.大きな家具が置けない
- 4.まとめ
高性能!畳の特徴を知っておこう
畳の特徴を知ることで、和室の活用法について、お客さまに的確なアドバイスができるようになります。ここでは畳の特徴を3つ紹介します。
1.断熱性、保温性
畳は高い断熱性と保温性により、自然の床暖房のような働きをしています。その理由は畳に多く含まれる空気です。
畳はイグサを編み込んでつくられており、その隙間にたくさんの空気が含まれています。空気は熱を伝えにくい性質があります。よって、畳の中にある熱があまり放出せず、外からの冷気で冷えにくいのです。このような仕組みで、畳は床を温かく保ってくれます。
2.調湿性
畳に使われているイグサには、湿気が多いときには空気中の水分を吸収し、湿気が少なくなると水分を放出する性質があります。つまり、何もしなくても自然に室内の湿度を調節してくれるのです。
日本の気候は高温多湿で、湿度が高くなりがちです。特にじめじめとした暑い夏には畳の効果が最大限発揮されるでしょう。
3.吸音性、遮音性
畳は空気を多く含むスポンジ状の構造になっているため、フローリングの床より歩いた際に出る足音が小さく静かです。畳によって足音が軽減されているため、静かで過ごしやすい空間が生まれます。
和室にはたくさんの使い方がある
和室を設置する一番のメリットは使用用途が豊富にあることです。ここでは和室の使用例をいくつか紹介していきます。
家事をする主婦の味方
和室は家事スペースとしても活用できます。特にアイロンかけや洗濯物をたたむときなど、地べたに座った方がやりやすい作業には最適です。畳の柔らかさと断熱性、保温性から季節を問わず座り心地がよく、ストレスなく作業できるでしょう。
また、押し入れという広い収納スペースがあるので、アイロン台など大きめの道具も収納できます。
こたつとの相性バツグン
こたつを使用するには地べたに座ることになるため、フローリングより座り心地のいい畳の方が適しているといえるでしょう。また、畳には保温効果があるためこたつの効果を最大限発揮することができます。和室ではこたつの温かさと畳の保温性の相乗効果で、寒い冬でも快適に過ごせるのです。
子どもが騒いでも大丈夫
先述したように畳は、空気を多く含むスポンジ状の構造になっているため、遮音効果や吸音効果があり、フローリングの床よりも音が外に漏れにくいです。つまり、和室は元気に走り回る子どもたちの遊び場としても活用できます。
お客さまにくつろぎを与える
和室の畳に使用される“い草”という素材には、フィトンチッドというリラックスを与える成分が多く含まれているとされています。そのため、来客があった際、和室を客室をして活用することで、お客さまがくつろぎやすい空間にすることができるでしょう。
また、和室には押し入れがあるため、普段使わないお客さま用の布団を収納するのに便利です。布団をほかの部屋から運び込むのは大きな手間なので、布団を収納しやすい和室は使い勝手のいい客間になります。
ちょっとした休憩スペース
ちょっと横になって昼寝をしたいとき、和室に行けばわざわざ布団を敷く必要がありません。フローリングの部屋よりも休むための手間が少なく、気軽に休憩することができます。
和室のデメリットは?
メンテナンスが必要
和室を設置する大きなデメリットが畳のメンテナンスに手間がかかることです。畳は使えば使うほど劣化していくため、数年に一度の定期的なメンテナンスが必要です。畳は劣化していくと変色したり、香りがなくなったりなど、部屋の雰囲気を悪くしてしまいます。
メンテナンスの方法には、使用していた畳を裏返して再利用する“裏返し”や、足が触れる部分(畳表)のみを張り替える表替えなどがあり、費用や張り替える時間などさまざまです。
湿気に弱い
畳の素材がい草などの植物である場合、ジュースなどの飲み物をこぼすと、水分を吸ってシミになってしまうことがあります。和室で飲食をする場合には注意が必要です。
ただ、畳表に化学繊維が使われており、水分をこぼしてもフローリングの床のようにサッと拭き取れる畳もあります。この畳を使えば、和室での飲食をためらう必要はありませんが、熱に弱いという弱点もあります。
大きな家具が置けない
畳の上に大きな家具を長時間置いてしまうと、畳に跡がついてしまいます。畳の上に大きな家具を常設することは難しいでしょう。
和室を設置するには、デメリットが気にならない畳の種類を選ぶことが重要です。和室の使用用途が決まっているのであれば、特定の機能に特化した畳もオススメしやすいでしょう。
まとめ
今回は和室の活用方法と畳の特徴について説明しました。和室が持つ特徴を理解することで、お客さまが求めている住宅に和室が必要かどうか分かるはずです。
また、畳のデメリットについても紹介しました。お客さまにデメリットを正確に伝え、それに納得してもらったうえで購入してもらうことが重要です。
どの住宅にも、メリットとデメリットがあります。一番大切なことは、お客さまが納得して住宅を購入することです。そのためにも、住宅の営業担当者は部屋の特徴を把握し、お客さまに正しく伝えることが必要なのです。