人材採用

人手不足に悩む建設企業が抱える原因と解決策について

建設業界は人々の快適な生活に欠かせない業界ですが、建設の需要に対し、労働者が足りないという人手不足に悩む企業が存在しています。

そういった企業は、なぜ人手不足に陥ってしまっているのでしょうか。ここでは人手不足になる原因と、住宅メーカーの人事部ができる人手不足との向き合い方について紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.人手不足の原因とは?
    1. 1.1.若年層の入職者が減少
    2. 1.2.各地の震災復興のため需要が急増
    3. 1.3.技術者の高齢化問題
  2. 2.住宅メーカーの人事ができる対策とは?
    1. 2.1.求人情報サイトを利用したイメージ改革
    2. 2.2.長時間労働の解消や作業工程の細分化
    3. 2.3.社員大工として養成
    4. 2.4.建設用ロボットの活用
    5. 2.5.外国人雇用の検討
  3. 3.現代に合った取り組みが大切

人手不足の原因とは?

人手不足に陥っている原因とは何か。考えられる原因をご紹介します。


若年層の入職者が減少

建設経済研究所が調査した資料によると、20~24歳で建設業に入職した人口は1995年の時点で6.4%でした。しかし、15年後の2010年には2.4%と6割も低下しています。

(出典:2014年 国土交通省「「建設業就業者数の将来推計」(建設技能労働者の不足) 建設経済研究所

人手不足に悩む企業はこういった現状に対して、若手の人材をいかに自社に就業させるのか?育成していくのか?など、そのアプローチ方法や育成方法に検討すべき課題があるといえるでしょう。


各地の震災復興のため需要が急増

東日本大震災が起きて以降、がれきの撤去や住宅の建設、公共工事の需要が高まっています。

震災に限らずリニア新幹線の開通に向けて大規模な都市開発も行われており、それに伴う都市部への人口集中に対する再開発も続いていくことも予想されています。


技術者の高齢化問題

日本は超高齢化社会が進行していますが、建設業界でも高齢化が進んでいます。

2014年の建設経済研究所のデータによると、建設業界で働く50歳以上の労働者が全体の33.6%に対し、若年層の割合は11.1%という調査結果が出ています。

(出典:2014年 国土交通省「「建設業就業者数の将来推計」(建設技能労働者の不足) 建設経済研究所

今後もこのような状況が進むことが考えられるため、先述したような若手人材の育成や外国人人材の雇用・育成にどう取り組んでいくのかが、人手不足に悩む企業の課題となるでしょう。

住宅メーカーの人事ができる対策とは?

建設業界の人手不足に対して住宅メーカーや工務店の人事が取り組める対策とはどのようなものがあるでしょうか。人手不足の解決策を見出していきましょう。


求人情報サイトを利用したイメージ改革

建設業界を目指す若者だけではなく、建設を知らない若者にも分かりやすく、建設業界の魅力が伝わる求人サイト作りに取り組んでいくことも有効な手段です。

建設業界に関わる職種ごとに、仕事の流れをイラストにしたり、実際に現場で働く社員のインタビュー記事を掲載したりなど、建設業界がどういったものなのかを視覚的に伝えるコンテンツを導入すると、イメージが伝わりやすいでしょう。

また、伝えたイメージを実際に体感してもらうために、現場で使用している大型重機の試乗会や見学会、社員と求職者の交流会などのイベントを開催することもおすすめです。

イメージだけでは終わらせることがない施策が必要となってくるため、採用担当者はさまざまな部署とコンタクトを取り、自社で何ができて、建設業界を目指す若者や建設を知らない若者に何を伝えられるのか、検討してみてください。


長時間労働の解消や作業工程の細分化

敬遠されてしまう長時間労働を見直し、工程を切り分けて工期の設定を見直すのも一つの方法です。工程を細分化することで、高齢な技術者の負担を減らし、経験の少ない技術者の実績にもつながります。

工期に余裕を作ることで、天候によって生じる工期の遅れに対して負担の少ない労働が目指せると、国土交通省も適切な工期設定を推進しています。

(出典:国土交通省「「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定 ~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~ 別紙」


社員大工として養成

大工として技術を身に付けていくには親方に弟子入りし、長い期間、親方の背中を見て技術を習得することが今までのやり方でした。

しかし、近年の大手ハウスメーカーでは社員として入社した若者を約1年半の育成期間を経て大工として養成するシステムを取り入れている会社もあるそうです。

従来の親方スタイルとは違って短期間で自立できるメリットがあります。将来独立を目指せるほどの高い技術を得ながら大工技術を学べ、安定した収入を得られるので大工へのハードルが下がり、興味を持つ若者も増えることが期待されています。


建設用ロボットの活用

建設用のロボットを取り入れ、施工現場で力仕事の負担を減らしたり、ビス止めやタッカー止めをリモコン操作で行ったりと現場の人数の負担と力の負担を抑えるロボットの活用にも注目です。

ロボットを活用することで生産性が上がることが期待できます。また、リモコンでの操作も可能であることから、女性の技術者も活躍する場が増えると見込まれます。


外国人雇用の検討

人材の対象となるのは、日本人だけではありません。日本での労働を希望している外国人求職者の雇用も検討することが可能です。

外国人材の出身国文化と日本文化の違いなど、外国人雇用には課題が残る部分はあるものの、うまく付き合うことで自社にとって大きな力となるでしょう。

現代に合った取り組みが大切

人手不足に悩む建設企業は、従来どおりのやり方を続けていても、課題解決の糸口が見つかりにくいでしょう。従来のやり方を、今回紹介したような時代に沿った方法に変えていくと、人手不足にも対応が可能な企業になりえるのではないでしょうか。

現代だからこそのテクノロジーの使用や雇用の多様化を積極的に取り入れていくことが、人手不足解消につながる解決策になりそうです。


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編集部
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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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