お客さまとの距離がグッと縮まる! 住宅営業で使えるアイスブレイク術
営業職として働いていると、「相手との距離を縮められなかった」「トークをスムーズに進められなかった」など反省点を残すこともあるでしょう。
こうした反省点は、まだ業務に慣れていないことによる緊張感やスランプによるプレッシャーなどが原因になっているケースがあります。
しかし、お客さまも同様に、「強引な営業をされたらどうしよう」「家族のためにいい住宅にしなければ」といった緊張感やプレッシャーを抱えていることもあります。
このように、お互いに緊迫した状況下では、信頼関係の構築、そして質の高い提案へとつなげることが困難です。
そこで有効なのが、“アイスブレイク”という営業テクニック。アイスブレイクを効果的に取り入れることで、お互いに話しやすい雰囲気をつくり、お客さまとの距離感を縮められる効果が期待できます。
本記事では、アイスブレイクの必要性や実際に使える話題について解説します。
目次[非表示]
- 1.住宅営業におけるアイスブレイクとは?
- 2.アイスブレイクはなぜ必要? その効果とは
- 3.覚えておきたい! アイスブレイクに使える定番の話題
- 3.1.地域の話題を取り入れる
- 3.2.家庭・家族のことを話す
- 3.3.共通の話題を取り上げる
- 4.まとめ
住宅営業におけるアイスブレイクとは?
アイスブレイクとは、初対面の相手と接するときに、お互いの緊張をほぐしてコミュニケーションを円滑にするためのテクニックです。ギクシャクしてうまく話せない緊張状態を“氷(アイス)”にたとえ、その空気を“壊す(ブレイク)”という意味から、アイスブレイクと呼ばれています。
住宅営業においては、主に商談とは関係のない雑談がアイスブレイクとして用いられています。お客さまの興味・関心を引き出せる話題を提供して、お互いにリラックスしながら会話することで、緊張しがちな商談の場を話しやすい雰囲気に整える役割があります。
アイスブレイクはなぜ必要? その効果とは
人によって程度は異なるものの、初対面の人との会話は多少なりとも緊張感があります。営業担当もそうですが、初めての住宅建設を検討しているお客さまならなおさらです。
しかし、お客さまが緊張して警戒心を持っている状態では、ヒアリングで本音を引き出せないばかりか、いくら商品・サービスの説明をしても受け入れてもらえません。そのため、まずは緊迫した状態をフラットにすることが大切です。
そうした状況で使われるテクニックがアイスブレイク。アイスブレイクを住宅営業に取り入れると、以下のような効果が期待できます。
- お客さまの緊張がほぐれて、リラックスした状態で会話を進められる
- お客さまが話すきっかけを与えることで、“自ら話をする”姿勢へと変えられる
- お互いに話す・聞く姿勢ができて、コミュニケーションが活発になる
- お客さまの警戒心や会話の苦手意識が薄れて、本音を引き出しやすくなる
「自分からは話すことができない」というお客さまでも、会話のきっかけを提供することで、積極的な発言を促せます。お互いにリラックスして会話できる雰囲気をつくることができれば、少し踏み込んだ話題について話す際も本音を話してもらえるでしょう。
お客さまの緊張感をほぐす、お客さまから本音を引き出す、というのは営業担当の腕の見せどころです。コミュニケーションを活発にして信頼関係を構築するためにも、アイスブレイクを効果的に取り入れましょう。
覚えておきたい! アイスブレイクに使える定番の話題
まず避けたほうがいいテーマとしては、政治・宗教・学歴などが挙げられます。これらはデリケートなテーマのため、お客さまとの話題には不向きです。
アイスブレイクに適したテーマを探す際には、“キドニタテカケシ衣食住”を取り入れるという方法があります。
キドニタテカケシ衣食住とは、雑談に使えるテーマの頭文字を並べた会話のヒントで、それぞれの頭文字の意味は以下のとおりです。
- キ…季節・気候
- ド…道楽(趣味)
- ニ…ニュース
- タ…旅
- テ…天気あるいはテレビ
- カ…家庭・家族
- ケ…健康
- シ…仕事
- 衣…ファッション
- 食…グルメ
- 住…住まい、暮らしなど
これらは私たちにとても身近で、共通点を見つけやすいテーマです。こういったテーマを積極的に取り入れながら、リラックスできる雰囲気づくりに努めましょう。とくに気候やグルメの話題などは差し障りなく答えられることから、初対面の相手にも有効です。
具体的には次のような方法があります。
地域の話題を取り入れる
お客さまが今住んでいる地域、あるいは住宅の建設を予定している地域の情報などは、比較的取り入れやすい話題です。
- お客さまが今お住まいのあたりは安くておいしい飲食店が多いですよね。どこかおすすめはありますか?
- 〇〇は駅も近くてにぎわっていますよね。通勤や買い物にも便利そうですね。
- 〇〇は緑が多くて素敵ですね。以前このあたりに伺ったのですが、とても雰囲気がよい街でした。
おすすめ情報を聞いたり、その地域の魅力を褒めたりすることで会話を広げるきっかけになります。
家庭・家族のことを話す
自身の家庭・家族のことを例に挙げるという方法もあります。
- 私の家には10歳になる息子がいて、最近一人部屋をほしがるんですよ。お子さまは何歳ですか?
- 私は犬を飼っているんですけど、もう年をとっているので、階段から落ちないようにいろいろ工夫をしています。〇〇さまはペットを今飼ってらっしゃる、もしくは今後飼われるご予定はありますか?
- 私はドライブが好きなので休日はもっぱら出掛けています。〇〇さまは、お休みの日はどのように過ごされるのですか?
自身のことを先に打ち明けると、「この人はこういう人なんだ」というように、人柄や性格が相手に伝わり、安心感を与えられます。お客さまに心を開いてもらえるだけでなく「私も同じです」「うちは○○です」などと具体的な返答をもらえるようになるでしょう。
ただし、あまりにもプライベートに踏み込んだ内容では嫌悪感を示される場合もあります。自身のことを話す際は、お客さまの反応をうかがいながら話題を提供することが重要です。
また、自虐的な話題はネガティブな印象を与えるおそれがあるため、できるだけポジティブな内容を意識しましょう。
共通の話題を取り上げる
共通の話題は、相手に親近感を与える効果が期待できます。趣味や出身地など、お客さまと共通点を見つけてみましょう。
- 先週、△△温泉に行ったのですが、すごくいいところでした。〇〇さまは旅行などは行かれたりしますか?
- 私はラーメンが好きでいろいろなお店を巡っているのですが、ラーメンはお好きですか?
- 私も△△出身で△△駅をよく利用していました。駅のそばの〇〇という定食屋さんはご存じですか?
はい・いいえで答えられる内容から始め、もし「いいえ」の返事だった場合は、ほかの質問も投げかけてみましょう。深掘りできそうな返事をもらえた場合は、そこからさらに話題を広げていくのがポイントです。
上記のように、アイスブレイクは、お客さまの緊張をほぐしながらお客さま自身のことを知ることができる有効なテクニックといえます。お客さまと信頼関係を構築し、スムーズに商談を進めるためにも、効果的にアイスブレイクを取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
アイスブレイクは、お客さまとの距離を縮めて、関係性を深めるために有効なテクニックのひとつです。商談の緊張感を解きほぐすだけでなく、会話を通じてお互いの人間性や趣味などを理解し合えるというメリットもあります。
アイスブレイクを取り入れる場合は、キドニタテカケシ衣食住のキーワードを意識して、お客さまが気軽に話せる話題を選ぶのがポイントです。意見が分かれるデリケートな話題は避けるようにしましょう。
共通の話題が見つかれば、「この人とは気が合う」「親近感があって話しやすい」と感じてもらうことができ、その後の信頼構築にもつながります。リラックスした雰囲気をつくるためにも、効果的に取り入れてみましょう。
商談にはアイスブレイク以外にもさまざまな接客方法やテクニックがあります。
商談スキルを向上したい方は、こちらの資料もお役立てください。