使いやすい家事動線や収納をどう提案するか(ライフスタイルを豊かにする「ラク家事」な間取り提案)
前回は「リモート&おうち時間を充実させられる間取り」というテーマで、最近はやりのプランニングのエッセンスをご案内しました。すごもり等で在宅時間が長くなり、住まいにはリモートルームといった新しい機能が求められるようになりました。
ただし、効率的な家事動線を持った使いやすい住まいを検討することもプランニングにおける大切なポイントです。
家事動線の効率化や使いやすい収納というのは、コロナ禍の前から関心の高いことではありますが、あらためてどんな工夫や提案があるか見ていきましょう。
帰宅時動線を考える
まず、そのご家族が帰ってきたときのことを想像してみましょう。小さなお子さんをつれてあちこちに買い物に出かけた日曜日。きっとご家族は車を降りた両手に、大きな買い物袋を抱えて自宅の玄関を開けるはずです。
両手に抱えた荷物を家の奥の方の収納に片付けるのが、一仕事になるようなプランニングになっていませんか?
できることなら玄関の近いところにパントリーや収納を配置してあげるプラン提案が喜ばれます。日用品をしまう収納などが帰宅時の動線上に無理なく配置してあれば、きっとお客様の関心を惹くことができます。(図①)
最近では玄関近くに洗面台を配置する、また洗面所そのものを配置するというプラン提案も増えてきました。小さなお子さんが帰宅後にすぐに手を洗えるので安心です。(図②)
逆に出かけるときを考えると、ベビーカーやコートをかけておけるシューズインクローク、もうこれは新築時の要望として必ずあがってくるご要望ですね。
注意するポイント
シューズインクロークなど、玄関回りに欲しいスペースの要素が増えたため、以前より玄関回りの広さを確保して間取り検討をしなければならなくなりました。ですので玄関回りで約一間半×一間半、約四畳半のスペースを確保してプランニングすることになります。
また、収納は「見やすく取り出しやすい」が基本。できるだけ間口を広く、奥が浅い形にすると使いやすい収納となります。
細かい提案として、最近ではお子さんの送り迎えに電動自転車を利用するご家族が多くなりました。バッテリーの充電用スペースやコンセント設置の提案も忘れてはならないところです。
家事動線の提案
三大家事といえば「炊事・洗濯・掃除」。掃除はプランニングにあまり関係ないとしても、「炊事」と「洗濯」をどれだけ効率的に行えるプランニングなのかがポイントになってきます。
まず、キッチンから家事室(洗面脱衣室)まで5歩以内が理想といわれています。歩幅は身長にもよりますがおよそ70cmくらいですので3m50cm、つまり二間以内に配置すると使いやすい位置関係になります。
通常はキッチン・ダイニングの背面に洗面所・浴室を設けることが多いですが、バスルームやサニタリー、キッチンなどの水まわりを一直線上に置くことで、ムダな動きを省くことができ、家事がスムーズになります。また、配管設備がまとめられて、コストが下がるというメリットも生まれます。(図③)
回遊動線、またはサーキュレーションプランとも言ったりしますが、行き止まりを無くして家の中をぐるっと回れるようにした間取りも人気です。移動距離を少なくすることで「ながら家事」をしやすくしたり、開放感のある空間を演出したりすることができます。(図④)
キッチンで料理をしながらその合間に洗濯物を干したり、夕ご飯の支度をしながら洗濯物を取り込んだり…。同時進行でいろんな場所への行き来が発生します。同じ場所を何度も行き来したくはないですよね。
また、脱衣室の隣に物干しルームを設けたいというご要望も多いようです。郊外の広い敷地でないとなかなかそのようなスペースを確保するのが難しいですが、洗濯機から取り出した衣類をそのまま手際よく干したい、というのはよくあるご要望ですね。
注意するポイント
「炊事」と「洗濯」の作業エリアを近くすること、また「洗濯」においては『脱ぐ→洗う→干す→たたむ→しまう』の動線をできるだけ短くするのがポイントです。
まとめ
今回は家事動線の提案についてのはやりと基本についてご案内しました。ごく普通のことかもしれませんが、このあたりの小さな気遣い、ちょっとした動線提案の差が大きな結果となって返ってくることがあります。
また、配置や動線だけでなく棚のレイアウト、コンセントの位置など、どこになにを置くのかというところまでインタビューしながら、かゆいところに手が届く提案をしてみてください。