工務店・ビルダーの営業担当者が身につけておきたい基礎知識と3つの心得
工務店・ビルダーの営業活動では、住宅や設計に関する専門的な知識が必要になるほか、顧客に安心・信頼してもらえるような対応が求められます。
転職や部署異動などでこれから工務店・ビルダーの営業を行う方は、どのような知識・心得を持っておけばよいのでしょうか。
本記事では、工務店・ビルダーの営業担当者がはじめに身につけておきたい基礎知識と3つの心得について紹介します。
目次[非表示]
- 1.工務店・ビルダーの営業担当者が身につけておきたい基礎知識
- 1.1.①売買・建築に関する法的手続き
- 1.2.②工法・性能・建築資材の内容
- 1.3.③住宅ローンの内容・手続き
- 1.4.④税金に関する法令・手続き
- 2.工務店・ビルダーの営業に生かせる3つの心得
- 2.1.①顧客の話をよく聞く
- 2.2.②デメリットをきちんと伝える
- 2.3.③自社の強みで差別化を図る
- 3.まとめ
工務店・ビルダーの営業担当者が身につけておきたい基礎知識
営業を行う際、顧客が適切に判断できるように、不動産取引や建築などに関する幅広い知識を身につけ、正しい情報を伝える必要があります。
これらの知識は、顧客からの質問にスムーズに答えたり、よりよい提案をしたりするためにも重要です。
ここでは、工務店・ビルダーの営業で役立つ基礎知識を4つ紹介します。
①売買・建築に関する法的手続き
1つ目に挙げられるのが、売買・建築に関する法的手続きの知識です。
家を建てる際には、建築工事請負契約の締結が必要です。法令に沿った手続きをスムーズに行うため、また顧客に適切な説明を行うために、建築確認や登記など、法的手続きに関する知識が求められます。
さらに、土地・建物の売買に携わる場合は、不動産売買契約や不動産登記などの宅地建物取引業に関する知識も身につけておくことが望まれます。
▼法的手続きに関する基礎知識
- 建築工事請負契約に関する法令と手続き
- 建築確認申請の手続き
- 土地・建物の売買など、宅地建物取引に関する法令と手続き
- 不動産登記に関する法令と手続き など
②工法・性能・建築資材の内容
2つ目は、住宅の工法や性能、建築資材などの知識です。顧客に住宅の構造や特徴、住宅の魅力を伝えるためには、工法・性能・建築資材に関する知識は欠かせません。
顧客への提案時に備えて、設計士や施工担当者から教わったり、専門誌を読んだりして必要な知識を身につけておきましょう。
▼工法・性能・建築資材に関する基礎知識
- 工法の種類(鉄筋コンクリート造、鉄骨造、ツーバイフォー住宅、伝統工法)
- 住宅性能(耐震等級、耐震工法、断熱、省エネ、換気設備)
- 設計の基礎工事(ベタ基礎、杭基礎、独立基礎)
- 建築資材(断熱材、屋根材、外壁材)
- 内装建材(フローリング、窓、水回り設備、電気設備) など
③住宅ローンの内容・手続き
3つ目は、住宅ローンの種類や手続きに関する知識です。顧客の収入・予算に合わせた住宅ローンの契約をはじめ、無理のない返済計画を立てるために必要になります。
商談では、毎月の住宅ローン返済額を収入・住宅価格に応じてシミュレーションする機会があります。顧客に分かりやすく説明できるように、仕組みや種類について理解しておくことが重要です。
▼住宅ローンの内容・手続きに関する基礎知識
- 住宅ローンの種類(銀行ローン、自治体融資、財形住宅融資)
- 金利の種類(固定金利・変動金利)
- 返済方式(元利均等方式・元金均等方式
- 借り入れ方法(単独・収入合算・ペアローン)
- 団体信用生命保険の内容
④税金に関する法令・手続き
最後は、土地・建物の取得、建築後にかかる税金に関する知識です。住宅を建てる際、また、建てた後には税金が発生します。顧客に住宅建築の費用内訳や維持費についてきちんと説明するために、税金に関する知識が求められます。
法令や仕組みについて理解するだけでなく、税金の計算方法を習得しておくことで、商談時に生かせます。
▼税金の法令・手続きに関する基礎知識
建てる前
- 契約書への印紙税
- 登録免許税(土地・建物の所有権移転時にかかる)
- 不動産取得税(土地・建物の取得時にかかる)
建てた後
- 固定資産税(不動産を所有すると継続的にかかる)
- 都市計画税(不動産を所有すると継続的にかかる)
工務店・ビルダーの営業に生かせる3つの心得
営業では、顧客との信頼関係を構築するとともに、自社を選んでもらえるような提案が必要です。
ここからは、工務店・ビルダーの営業に生かせる3つの心得について紹介します。
①顧客の話をよく聞く
商談の場では、顧客の話や意見を丁寧に聞き、そこから提案のヒントを得ることが大切です。
自社の魅力を伝えようとするあまり、一方的に話を進めてしまった場合、顧客に「話を聞いてもらえない」と受け取られる可能性があります。顧客の希望条件や課題をヒアリングして潜在的なニーズを把握することで、提案の幅が広がります。
▼商談時にヒアリングする内容
- 希望価格・間取り・設備等の条件
- 世帯構成や年齢、仕事内容
- 理想のライフスタイル
- 現在暮らしている住まいの問題点 など
営業トークのスキルアップを図りたい方は、こちらの記事もぜひ確認ください。
≫ 営業トーク成功の鍵は“聞く力”? 効果的な商談に必要な5つのポイント
②デメリットをきちんと伝える
顧客にとってのデメリットや懸念点は、メリットとともにきちんと伝えることが重要です。
メリット・デメリットの両方を伝えることで、顧客が住宅づくりについて適切に判断しやすくなるだけではなく、営業担当者に対する信頼やのちのちのトラブル防止にもつながります。
▼具体例
- 追加費用が発生する可能性がある項目を伝える
- 建材や住宅設備のデメリットを伝える
- 顧客の希望の時期に完成が難しい場合、その旨と着工・完成時期を伝える
③自社の強みで差別化を図る
顧客に住宅商品・サービスを提案する際は、競合他社の評価を下げることなく、自社の強みをアピールすることが重要です。
顧客に自社商品・サービスを魅力的と感じてもらえるように、競合他社の住宅・サービスを受け入れたうえで、独自性のある強み、さらに優れた点について訴求します。
競合他社との差別化を図るための伝え方のポイントとして、以下が挙げられます。
▼競合他社と差別化を図るための伝え方のポイント
- 競合他社と比較して、自社が優れている点を伝える(価格・性能・耐震性・デザインのこだわりなど)
- 競合他社のプランで気になった点をヒアリングして、自社でその悩みにどうアプローチするか伝える
- 競合他社にはないサービス・設備を紹介する
工務店・ビルダーの営業に活用できるさまざまなノウハウについては、ぜひこちらの記事もご覧ください。
まとめ
この記事では、工務店・ビルダーの営業担当者の方に向けて、以下の項目で解説しました。
- 工務店・ビルダーの営業担当者が身につけておきたい基礎知識
- 工務店・ビルダーの営業に生かせる3つの心得
これから工務店・ビルダーの営業に携わる方は、契約に関する法的手続きをはじめ、住宅設計、住宅ローン、税金などの基礎知識を身につける必要があります。
また、顧客と信頼関係を築き、希望条件に沿った魅力的な提案を行うことも重要です。そのためには、丁寧なヒアリングを行うことのほか、メリット・デメリットの両方を伝えること、自社ならではの強みをアピールすることがポイントです。
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