住宅会社の候補選びで重要な『口コミチェック』!お客様の評価ポイントと口コミが良い住宅会社の取り組みのまとめ
住宅会社がマーケティング戦略を考える際には、お客様がどのような基準で購入先・依頼先を決めているのかを正確につかんでおく必要があります。お客様が意思決定に至るプロセスを理解していれば、それに合わせて適切なマーケティング施策を実践することができるのです。
今回は、住宅会社の候補選びで用いられやすい「口コミ」について、どのような点が重視されているのか、良い評価を受ける会社はどのような取り組みをしているのかなどを解説します。
目次[非表示]
- 1.お客様は信頼感や安心感を重視する傾向にある
- 2.判断基準(総合評価の高さ・知名度・接客対応・担当者の人柄等)
- 2.1.総合評価の高さ
- 2.2.知名度
- 2.3.接客対応の質・担当者の人柄
- 2.4.競合他社と比較されやすいポイント
- 3.OB顧客による口コミ発信を強化しよう
- 3.1.OB顧客専用のホームページを開設する
- 3.2.ポイント付与などの特典を活用する
- 4.アフターサービスの充実も重要
- 5.営業担当者との関係性が大切
- 5.1.SNSの運用で接点を増やす
- 5.2.ヒアリングに力を入れる
- 6.この記事を監修した人
- 6.1.三輪 歩己
お客様は信頼感や安心感を重視する傾向にある
お客様にとって、住宅の購入・施工は人生でそう何度も経験するイベントではありません。住宅購入を計画される多くの方が、基本的には知識が不足している状態で検討をスタートします。
一方で、マイホームの購入には専門的な知識が求められる分野が多く、ほとんどの方が自身の情報量不足に不安を感じているといえるでしょう。それだけに、住宅会社選びでは、「企業や担当者への信頼感」が特に重視される傾向にあります。
住宅選びや施工の内容について、専門的な部分はどうしても依頼先に頼らざるを得ません。そのため、とにかくその企業や目の前の担当者が信頼できるかどうかがもっとも重要な判断基準となるのです。
そのうえで、有益な判断基準となるのが、「知名度や高い口コミ評価による安心感」です。十分な知名度があり、実際に利用したユーザーから高い評価が得られている企業であれば、失敗のリスクがなく安心して付き合えると判断するのでしょう。
住宅会社側としては、こうした思考プロセスを十分に理解し、お客様の判断基準を踏まえた対応が必要となります。
判断基準(総合評価の高さ・知名度・接客対応・担当者の人柄等)
住宅会社の評価のポイントとしては、さまざまな点が挙げられます。そのなかでも、特に重要視されやすいのが、知名度・接客対応・担当者の人柄などの総合評価の高さに関する項目です。
総合評価の高さ
人気とされる住宅会社の多くに共通しているのは、やはり「総合評価の高さ」です。一方で、総合力はどちらかと言えば大手企業の強みでもあり、中小企業が実現するためにはさまざまな工夫が求められます。
知名度
知名度やブランドは、その会社の信頼性を端的に測れる重要な指標となります。広く知られているということは、それだけ多くの方に利用されているという評価になり、失敗が少ないという判断につながりやすいのです。
接客対応の質・担当者の人柄
実際にお客様が問合せや見積もり依頼を行ったときには、接客対応の質や担当者の人柄も重要な判断基準となります。目の前の担当者が信頼できる人物なのか、疑問や不安を聞いてもらいやすいか、質問に対して明快に答えてもらえるかなど、具体的なコミュニケーションを通じて見極めるケースも多いです。
競合他社と比較されやすいポイント
いくつかの依頼先で迷っている場合には、価格や工法、アフターサービスなどの質が重要な判断基準となります。お客様のニーズに合っている点が多いほど、競合他社との競争には優位になりやすいといえるでしょう。
OB顧客による口コミ発信を強化しよう
住宅会社の評価を向上させるには、OB顧客による口コミ発信も重要なカギとなります。 OB顧客は、購入を迷っているお客様にとって「もっとも立場が近い評価者」となるため、情報の信頼性が高いと判断されやすいのです。
ここでは、OB顧客による情報発信を強化するためのポイントについて見ていきましょう。
OB顧客専用のホームページを開設する
OB顧客に情報発信をしてもらうためには、購入後も関係が途切れないように接点を持ち続ける必要があります。そこで重要となるのが、OB顧客専用のホームページの開設です。
運用については、「住宅のメンテナンスに役立つ記事」や「ローン返済と家計のバランスについて役立つコンテンツ」など、購入後の顧客に貢献できるコンテンツを配信することで、自社とのつながりを保ち続けてもらうといった方法が効果的です。
ポイント付与などの特典を活用する
OB顧客に情報発信をしてもらうためには、ポイント付与などの特典を設けて、紹介行動のハードルを下げるのが効果的です。たとえば、「口コミの投稿」や「住宅会社のイベント参加」といった行動に応じて、商品券などに交換できるポイントを付与すれば、OB顧客の積極的な関与を期待できます。
さらに、顧客の紹介や完成見学会への協力のように、より重要度の高い行動については、高いポイント還元を行うと効果的です。こうした仕組みを通じて、自社に引き続き関心を持ってもらうことで、OB会員から自社のファン、アンバサダーへとステップアップしてもらえるようになります。
アフターサービスの充実も重要
会社の評判を向上させるためには、アフターサービスの充実も重要な施策となります。日頃から接するお客様の意見も反映させ、どのようなサービスが求められているのかを十分に検討し、実現に動くことが大切です。
実現できるアフターサービスの内容は、企業の規模によっても異なります。大手企業の場合は、十分な規模と人手を確保できることから、手厚い長期保証にしっかりと力を入れているケースが多いです。
それに対して、中小企業の場合は、どうしても保証内容が劣ってしまうのは仕方がない面もあるでしょう。しかし、地元密着型の企業は小回りが利き、フットワークの軽さを生かしたきめ細かなアフターサービスを展開できるのが強みでもあります。
営業する地域や顧客層に応じて、求められるサービスには若干の違いが生まれるので、自社ならではの特徴を丁寧に検討しましょう。
営業担当者との関係性が大切
住宅業界における営業は、ほかの分野と比べても特に「営業担当者とお客様の関係性」が成功を左右する要素となります。なぜなら、住宅に関する専門的な情報量は、企業側とお客様側に大きな格差が生まれるためです。
最終的には「営業担当者を信頼するかどうか」で購入が決断されるケースも少なくないため、コミュニケーションの質を改善していく地道な取り組みこそが、営業力を高める重要なプロセスとなるのです。
SNSの運用で接点を増やす
コミュニケーションの質を向上させるアプローチには、さまざまな方法が考えられます。代表的なものとして挙げられるのが、「SNSの運用による接点の拡大」です。
SNSは企業とお客様との双方向的なやりとりが行えるのが特徴であり、Webサイトなどよりも身近な立場として接点を持つことができます。リアルタイムでのコミュニケーションが増えれば、顧客のニーズや不安を感じやすい点も把握しやすくなり、要望に沿った提案が行いやすくなるでしょう。
また、多くのお客様と接していくなかで、営業担当者のコミュニケーション能力も向上していきます。
ヒアリングに力を入れる
住宅営業のコミュニケーションにおいて、ヒアリング力はもっとも重要な資質といっても過言ではありません。お客様の本音を引き出すためにも、最適なヒアリングの流れをシステム化して、コミュニケーション品質の安定を図りましょう。
また、傾聴や適切な発問、スムーズな情報提供が行えるように、営業担当者の研修を十分に行うことも大切です。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:住宅会社選びで大事にされやすいポイントは?
A:お客様は「失敗しない」という点を念頭におき、その企業の信頼感や安心感を見極める傾向にあります。そのためには、知名度や口コミは重要な判断基準となるケースが多いです。
Q:口コミによる情報発信を活性化させるには?
A:住宅会社においては、OB顧客との関係づくりが欠かせない施策となります。OB顧客専用のホームページを開設し、丁寧に関係構築を続けていくとともに、紹介行動にはポイント付与を行うなどの工夫を凝らすことも大切です。
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この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。