YouTubeショート動画で「集客・住宅営業」ダブルで大成功? 活用のメリットを解説
従来の不動産会社における営業方法は、どちらかといえば紙媒体の広告や対面によるオフライン型が主流となっていました。しかし、新型コロナウイルスの流行により、不動産会社の営業スタイルにも大きな変化が生まれました。
非対面型のサービス提供が重要性を持ち、SNS運用に代表されるようなオンライン型の営業スタイルも普及していったのです。今回はSNSのなかでも、幅広い注目を集めている「YouTubeショート動画」による営業について、活用するメリットや具体的な方法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.YouTubeショートとは
- 1.1.60秒以内の短い動画サービス
- 1.2.スマートフォンでの視聴に最適化されたサービス
- 1.3.アプリ一つで動画の制作・投稿が可能
- 2.YouTubeショートの3つのメリット
- 2.1.幅広い世代に見てもらえる
- 2.2.短い時間で訴求できる
- 2.3.分析機能を活用できる
- 3.YouTubeショートを作成するポイント
- 3.1.開始3秒で引きつける工夫をする
- 3.2.構成を統一する
- 3.3.作り込みすぎない
- 4.活用成功例
- 5.視聴者と距離を近づけたコミュニケーションをとれる
- 6.この記事を監修した人
- 6.1.三輪 歩己
YouTubeショートとは
まずは、「YouTubeショート」の基本的な概要について、3つのポイントに分けて見ていきましょう。
60秒以内の短い動画サービス
YouTubeショートとは、60秒以内の短い動画サービスを指します。最長12時間までの投稿が可能な一般のYouTube動画と比べて、数十秒から場合によっては10秒以内といった短い動画の投稿が前提となっているのが大きな特徴です。
スマートフォンでの視聴に最適化されたサービス
YouTubeショートは、スマートフォンでの視聴を前提として作られているため、縦型の動画がメインとなっているのも特徴です。また、再生したい動画は、スクロールによる視聴切り替えのみで選択できるので、興味がない動画はスムーズに飛ばすことができます。
スマートフォン版YouTubeアプリでは、「ショート」というタブから視聴可能で、通常のYouTube動画と同じようにコメントや評価が可能です。
アプリ一つで動画の制作・投稿が可能
YouTubeショートは、スマートフォンでの撮影を前提に設計されているので、撮影・編集・投稿といった一連のプロセスをスマートフォンのみで完結できます。動画の尺も60秒までと短いため、従来の配信コンテンツと比べて手軽に投稿することが可能です。
YouTubeショートの3つのメリット
YouTubeショートを使った広告・営業スタイルには、具体的にどのような利点があるのでしょうか。ここでは3つのメリットに分けてご紹介します。
幅広い世代に見てもらえる
YouTubeはメジャーなサービスであり、国内でも月間アクティブユーザー数が多いのが特徴です。また、動画コンテンツを配信できるプラットフォームとしては、比較的にユーザーの世代が幅広いのも魅力の一つといえます。
たとえば、代表的なプラットフォームであるTikTokは10代から40代、Instagramリールは20代から40代がメインの利用者層となっているのに対し、YouTubeは10代から60代までの幅広い世代にわたって多様な利用者がいます。さらに、YouTubeショートはYouTubeに登録していない人でも視聴できるため、潜在顧客へのアプローチとしても幅広く活用されています。
短い時間で訴求できる
動画の尺が60秒以内と制限されているため、ユーザーに対して短時間で訴求できるのも大きな利点です。現代は無料で視聴できるコンテンツが数多くあふれており、場合によっては数分間の動画であっても長く感じられてしまったり、飽きられてしまったりする場合があります。
そもそも、尺が長い動画は再生されることなく見送られてしまうというケースも多いため、広告・宣伝を行うのであれば不利になりやすいです。数十秒で情報がまとまっていれば、ユーザーの心理的なハードルも下がるため、気軽に再生してもらいやすくなるでしょう。
また、制作者側から見ても、尺が短ければ撮影・編集の工数が減るため、投稿のハードルが下がります。
分析機能を活用できる
YouTubeには、YouTubeアナリティクスという独自の分析機能が存在しています。リーチやエンゲージメントなどの分析により、「コンテンツを視聴したユーザーがどのような経路で流入してきたか」「どの時間帯での視聴が多いか」といった重要なデータを簡単に取得することができます。
そのため、PDCAを繰り返しやすく、コンテンツのクオリティも効率的に高められるのです。また、YouTubeアナリティクスもスマートフォンアプリで利用でき、いつでも手軽にリサーチ可能な点もメリットです。
YouTubeショートを作成するポイント
ここからは、YouTubeショートを作成する際に、意識しておきたいポイントを3つご紹介します。
開始3秒で引きつける工夫をする
ショート動画が最後まで視聴されるかどうかは、最初に与える印象にかかっていると言っても過言ではありません。視聴者がほかの動画に興味を移してしまうのを避けるためにも、「開始3秒に注力する」ことを意識して動画を作成することが大切です。
具体的な方法としては、「印象的なオープニング映像を制作する」「冒頭で明確なターゲット層に呼びかける」といったものが挙げられます。不動産営業であれば、「注文住宅と建売住宅で迷っている皆さん」や「不動産会社選びで悩んでいる方必見」など、ターゲットを明確にして呼びかけるのが効果的です。
構成を統一する
YouTubeショートは、数多くの動画を投稿していくことを前提に考え、「構成を統一して印象に残るようにする」のがおすすめです。構成やデザインに一定の規則性を持たせることで、チャンネルの存在を認識してもらいやすくなり、ユーザーに強いインパクトを与えられるようになります。
作り込みすぎない
YouTubeショートでは、できるだけ自然体を意識し、「あまり動画を作り込みすぎない」のもポイントです。派手に作り込むよりも、スマートフォンで撮影したありのままのものをサッと投稿したという雰囲気のほうが、視聴者には好印象を与えやすいといえます。
反対に、無理に背伸びをしたり、誇張した情報を発信したりすれば、不誠実な印象を与えてしまうリスクがあるので注意が必要です。
活用成功例
続いて、実際に運用に成功している不動産系のチャンネルの事例をもとに、具体的なポイントを確認していきましょう。
アパートメントラボ- Apartment Labo.
「アパートメントラボ- Apartment Labo.」は、もともと不動産会社を経営していた主夫の方が運営している発信チャンネルです。取扱い物件は賃貸アパートがメインですが、一戸建てやタワーマンション、リノベーション物件といった購入検討中のユーザー向けの物件にも焦点を当てています。
大きな特徴は、不動産営業における経験を生かし、分かりやすいカメラワークと平たい言葉による説明で、学びのある内見動画を配信している点にあります。また、動画の投稿は毎週2回にわたって行われており、安定した更新頻度も大事なポイントです。
その結果、2022年末には10万人の登録者を突破し、2023年現在でも多くのユーザーに視聴されています。
RoomPa|賃貸&売買物件をご紹介
「RoomPa|賃貸&売買物件をご紹介」は、関東エリアを中心に魅力的な部屋の情報を発信するチャンネルであり、2023年10月時点で15.8万人のチャンネル登録者数を誇ります。運営者のRoomPaは、ユーザーに合わせた不動産仲介エージェントを紹介するサービスを取り扱う企業です。
このチャンネルでは、個性的な物件をルームツアーのような形で紹介する動画が数多く配信されており、ナビゲーターの楽しそうな雰囲気や明るいナレーションが、テレビ番組のようなエンタメ性を生み出しています。動画内のキャプションで物件の詳細情報が掲載されているので、気になる物件があれば、すぐに問合せができるようになっているのも特徴です。
視聴者と距離を近づけたコミュニケーションをとれる
YouTubeショートは、スマートフォンのみで完結するシンプルな仕組みであり、高価な撮影機材を用意する必要はありません。必ずしも高度な作り込みが求められるわけではなく、長い動画を作成するよりも始めやすいのが特徴です。
作成を内製化でき、視聴者とのコミュニケーションを取りやすいので、不動産会社にとっては新たな営業ツールとなる可能性が十分にあります。投稿にはYouTubeのアカウントが必要ですが、ショート動画に特化しているチャンネルも多いため、まずは短い動画から手軽に始めてみるというのも有効な戦略といえるでしょう。
●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:YouTubeショートの特徴は?
A:YouTubeショートは60秒以内の短い動画投稿に特化したプラットフォームです。「縦型の動画がメイン」「スクロールによる視聴切り替えが可能」など、スマートフォンでの視聴が前提とされています。
Q:YouTubeショートを企業が使うメリットは?
A:「ユーザー層の世代が幅広い」「短い時間で訴求可能」といった点は、YouTubeショートを活用する大きなメリットとなります。また、スマートフォンのみで制作・投稿できるので、配信のハードルが低いのも特徴です。
Q:YouTubeショートを作成するコツは?
A:最後まで見てもらうためには、冒頭3秒でしっかりとインパクトを残せるように工夫することが大切です。また、異なる動画同士が同一のチャンネルで配信されたものであることが分かるように、構成やデザインを統一しておくのもポイントです。
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この記事を監修した人
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、 相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント
名古屋市立大学薬学部卒。 大学在学中に不動産鑑定士2次試験合格。日本土地建物株式会社にて、 不動産鑑定や不動産証券化業務に従事。その後外資系不動産ファンド等にて 物件購入・管理・経営企画等業務に従事。約20年間の鑑定・宅地建物取引業の 経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。 同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として 活動を行う。