間取りの初回提案で成約率を高める! トレンドデータから見えた、選ばれる提案術【セミナーレポート】
LIFULL HOME'S Businessは、不動産会社の方向けにセミナーを開催しております。
5月16日に、「間取りの初回提案で成約率を高める! トレンドデータから見えた、選ばれる提案術。」と題したセミナーを開催しました。
セミナーでは、madree(マドリ―)インスタグラムアカウントで人気の間取りを素材に、最近の要望の傾向を踏まえて「選ばれる間取り提案」のポイントを解説しました。セミナーから一部をご紹介します。
【登壇者】
スタジオアンビルト株式会社 取締役 山川 紋
目次[非表示]
- 1.間取りの課題
- 1.1.人気間取り3選
- 2.madreeでのヒアリング手法と最近の要望の傾向
- 2.1.madreeのヒアリング手法
- 2.2.最近の要望の傾向
- 3.住宅営業の成約率を上げる「madreeデータバンク」のご紹介
間取りの課題
間取りから考える家づくりを支援するサービス「madree(マドリ―)」を運営するスタジオアンビルト株式会社取締役の山川紋氏は、「間取りに対する施主の満足度が低い」と指摘します。日経ホームビルダーの調査によると、施主の95%が間取りに不満を抱えているそうです。フォロワー数17.4万人を誇るmadreeのインスタグラムアカウント(以下、インスタグラム)で、「施主が住宅購入で重視すること」についてアンケートを実施したところ、「間取り」が61.8%と最も多い回答でした。
また、「間取りの提案希望数」については86%が「3案以上欲しい」と回答しています。施主側には「いろいろな間取りが見たい」「理想の間取りを実現したい」といったニーズがあるようです。
一方で、住宅会社は「契約前に間取りを何案書いても成約しない」「社内の営業担当者の間取り作成スキルにばらつきがある」といった課題を抱えており、施主と住宅会社との間にギャップが存在しています。
同社インスタグラムのフォロワーへのアンケート結果では、3人に2人が間取りを理由に住宅会社を候補から外した経験があることが分かりました。「間取りを軽視して失注することのないよう、間取りを素早く効果的に提案したいところです」と、山川氏。
間取りの課題
madreeの人気間取りからトレンドを知る
昨今の間取りのトレンドを示すものとして、山川氏は3月に同社のインスタグラムで人気の高かった上位3つの間取りを紹介しました。
人気間取り3選
3位は、「ストレスフリーな家事が叶う!裏動線と収納が充実の間取り」。
この間取りには、玄関からランドリーまで一直線につながる裏動線があります。「プライベートな部分をまとめて隠しておける裏動線を計画し、その意図を語ることで、競合他社に対して一歩リードできます」と、山川氏。収納については、どこに何を収納するか、適材適所な収納を想定しながら伝えるとよいそうです。
人気間取り3位「ストレスフリーな家事が叶う!裏動線と収納が充実の間取り」
2位は、「春休みを過ごしやすい!安心して子どもを見守れる間取り」。
この間取り提案のポイントは、季節感のあるキーワードを入れることで、リアリティのある暮らしのイメージを想起させやすくした点にあります。間取りの内容には、「子ども見守りキッチン」「デッキテラス」「ワークスペース」といった人気の訴求ポイントが含まれています。
人気間取り2位「春休みを過ごしやすい!安心して子どもを見守れる間取り」
1位は、「無駄のないL字の水まわりで家事がラクになるほぼ平屋間取り」。
延床面積36坪に対して1階面積が26坪の物件で、「ほぼ平屋」の間取りを実現しています。「子どもの独立後に暮らしやすい平屋は人気があります」と、山川氏。「このキーワード以外にも、キッチンからの距離が短くなるL字の水まわり、コンパクト、土間収納など、1位の間取りには人気の要素が詰め込まれています」と解説しました。
人気間取り1位「無駄のないL字の水まわりで家事がラクになるほぼ平屋間取り」
人気間取りから見えてきたキーワード
人気の間取りから、「裏動線」「子ども見守りキッチン」「適材適所な収納計画」という3つのキーワードが見えてきました。
裏動線を設ける際には、来客時の見え方を意識することが重要です。また、面積に余裕がない場合は、玄関ホールとLDKを直接つなぐことで、廊下を裏動線として活用できます。
「子ども見守りキッチン」については、「小さなお子さまのおられる施主様は、必ずキッチンからの視界を考慮されます」と、山川氏。キッチンからの視界、そして子どもが過ごすスペースをどこに設けるかをイメージして計画するといいでしょう。
収納に関しては、「大きな収納スペースを確保できなくても、細分化された収納スペースを設けたうえで、飾り棚、洗面用具、リネンなど、何をどこに入れるかイメージしやすい適材適所な収納計画を提案しましょう」と解説されました。
madreeでのヒアリング手法と最近の要望の傾向
成約率を高める間取り提案の前提として、madreeのヒアリング手法とヒアリングから見えてきた最近の傾向にも触れました。
madreeのヒアリング手法
madreeでは、スマートフォンで間取り作成の依頼を受け、選択形式と自由記述形式でヒアリングを行います。ヒアリング項目は、次の3点を意識してデザインされています。
- 暮らす人はどんな人か(趣味やライフスタイル)。
- どんな暮らしをしたいか。
- LDK、〇帖といった数値化されたサイズ感は聞かない。
家族構成や趣味、生活時間帯、家族のライフスタイル、各部屋に関する要望などをヒアリングできたら、それらの情報をもとに間取りを作成します。さらに山川氏は、「ヒアリングから読み解いた内容をもとに、『こういう理由でこのような間取りにしている』とお伝えできることが重要です」と強調します。
最近の要望の傾向
山川氏は、ヒアリングから読み取れる最近の傾向を3つ紹介しました。
まず、ライフスタイルに関して「リビングではそれぞれが趣味、読書、勉強などをしている傾向がある」そうです。このような傾向を踏まえた間取りとしては、リビングにワークスペースや一人掛けソファ、趣味のコーナーなど、家族それぞれの居場所を同じ空間につくる提案が考えられます。
次に、家事の仕方について「室内干しのみ/室内干しメインが8割」という傾向があります。これに対しては、ランドリールームや室内干しできる場所を提案するといいでしょう。
3つ目は、リモートワークの増加です。何人がどの程度の頻度でリモートワークするかによって提案内容が変わりますので、必ず確認しておかなくてはなりません。「適切なヒアリングを前提とした選ばれる間取り提案で、競合他社に差をつけましょう」と、山川氏。
住宅営業の成約率を上げる「madreeデータバンク」のご紹介
madreeの工務店・住宅事業者向けサービス「madreeデータバンク」には、建築家作成の間取り4,800プランが掲載されています。
検索画面では、土地に合わせた検索軸や70以上の暮らしの条件など、多彩な絞り込み条件が用意されており、顧客の要望に合った間取りをその場で取り出せます。土地の形状を線で描き、その形に収まる間取りを複数検索することも可能です。
「madreeデータバンク」を活用すれば、成約までの各段階で「選ばれる間取り」提案を効果的に展開できます。具体的には、間取り診断イベントで顧客の満足度と接客時間をともにアップさせた事例、初回提案で比較検討できる複数の間取りをスムーズに提案して競合と差別化できた事例、検討中の土地に合った複数の間取りを提案し、スピーディに土地購入に至った事例などがあります。
工務店・住宅事業者向けサービス「madreeデータバンク」
まとめ:「選ばれる間取り提案」3つのポイント
最後に、最近の人気間取りのトレンドから見えてきた「選ばれる間取り」の要素を確認しておきましょう。
まず、①要望を概ね満たしていること。特に、家事動線の要望を満たしていることが重要です。次に、②分かりやすい図面であること。色付きの図面で、動線を示す線や光が入る方向を示す矢印、人のイラストなどの添景があれば、より間取りの意図が伝わりやすいでしょう。また、③新しい気付きが得られることも、「選ばれる間取り」のポイントです。
これら3つのポイントを押さえたうえで、「madreeデータバンク」も活用しながら「選ばれる間取り提案」で成約率アップを目指しましょう。
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