カタログ請求のお客様を「会えるお客様」にランクアップするには?
自社ホームページやLIFULL HOME’S などを通じてカタログ請求してくださったお客様を来場・商談・成約につなげるためには、ビルダー・工務店からお客様に対する営業対応のブラッシュアップが欠かせません。
今回は、営業対応を改善し、「会えるお客様」を増やすためのポイントを解説します。
目次[非表示]
「とりあえず電話」はNG、メールでお客様の信頼を構築
多くのビルダー・工務店がやってしまいがちな初期対応が「とりあえず電話をかけてアポイントを試みる」ということ。アポイントにつながるケースも多少あるものの「そもそも電話に出ていただけない」「電話に出ていただけてもお客様の反応が芳しくない」というケースが大半ではないでしょうか。
このような電話は、住宅会社側からすれば「お問い合わせいただいたお客様への初期対応」かもしれませんが、お客様側から見れば「知らない電話番号からの着信」であり、警戒されるのは想像に難くありません。電話営業における通電率の低さは、お客様側の警戒心を反映していると言っていいでしょう。
また、カタログ請求してくださったお客様は「皆さんの会社に関心のあるお客様」であることは間違いありませんが、「皆さんの会社を今すぐ訪問したいお客様」であるとは限りません。特に自社ホームページにおいて来場予約を積極的にPRしている場合、カタログ請求のお客様は「来場予約を選ばなかったお客様」であるとも言えます。
このようなお客様に対する性急な電話やアポイント依頼は、成功する可能性が低いばかりでなく、自社のイメージを損ねるリスクもあります。さらに、つながらない電話を延々とかけ続けることは、担当者のモチベーションに悪影響を及ぼすかもしれません。
カタログ請求のお客様は、お客様の心理的ハードルが比較的低いメールやSMS(ショートメール)、郵送物などを活用して信頼関係を構築することが、来場率を改善するための近道です。事実、電話中心の対応をメール・郵送中心の対応に切り替えたことで来場率を向上したビルダー・工務店は少なくありません。メールなどでの丁寧な対応を徹底したことにより、電話の通電率が改善するケースも見られます。
電話一辺倒の対応からいち早く脱却し、あらゆるコミュニケーションツールを駆使しながら、お客様からの信頼獲得を図りましょう。
初期対応メールは「挨拶だけ」で終わらせない
今度は、カタログ請求のお客様に対する具体的な対応方法を考えていきましょう。今回は、主にメールを活用した対応について考察します。
まずは、カタログ請求をいただいた直後の対応です。スピード対応の重要性は言うまでもありませんが、対応方法を電話メインではなくメールメインに切り替えるのがいいでしょう。
しかし、実際にお客様へメールを送る担当者に話を聞くと「メールを送ってもぜんぜん返信をいただけない」という声は少なくありません。メールだけでお客様とのコミュニケーションに成功し、アポイントを獲得している担当者との違いは何でしょうか?
苦戦する担当者に多いのが「挨拶だけで終わっているメール」です。資料請求のお礼と発送の報告、そして「何かありましたらお気軽にお問い合わせください」といった文章で締めくくっているメールが非常に多いのです。お客様側から見れば決して印象は悪くないメールですが、このメールに対して返信やアクションを起こす可能性は極めて低いでしょう。
これに対して、アポイントを獲得できる担当者のメールには、コミュニケーションを構築するための共通点が見られます。ポイントを3点ほどご紹介しましょう。
■質問を投げかける
お客様からメールへの返信をいただくためには、返信のきっかけとなる「質問」が不可欠です。「家づくりで不安に感じていること」「新居への引越しをお考えの時期」など、比較的ハードルが低く答えやすい質問を盛り込むことで、返信率は大きく改善します。
■比較的長文で書く
メールに長けている担当者は、自社紹介・自己紹介も含め、比較的長文のメールを送り、お客様の印象に残るよう工夫している方が多いようです。ただし、お客様が最後まで読まないことを想定し、前述の質問など重要な内容はできるだけ早い段階に記載する工夫も必要です。
■アポイントを急がない
お客様が「今すぐ訪問したいとは限らない」点に配慮し、モデルハウスや個別相談の案内をあえて前面に押し出さず、まずは返信獲得を優先するのが良いでしょう。来場を促すことは悪いことではありませんが、無理な来場誘導はお客様にネガティブな印象を与えるリスクがあるため、注意が必要です。
メールマガジンは「イベントの告知」だけにしない
初期対応の改善によってメール返信率・来場率は改善が見込めるのですが、それでも100%のお客様に反応していただけるわけではありません。このようなお客様に対しては、定期的なメールマガジンによるアプローチが有効です。メールマガジンは比較的古典的な手法と受け止められることもありますが、適切な配信によって、お客様のランクアップを図ることが可能です。
メールマガジンで成果をあげるためのポイントも、3点ほどご紹介しましょう。メールマガジンを配信していない方や、「送っているけれどお客様の反応が無い」という方は、参考にしてみてください。
■告知だけでなく「お役立ち情報」も配信
メールマガジンで苦戦する会社に多いのが「イベントがある時だけ配信する」パターン。自社への関心が強いお客様には読んでいただけるのですが、そうではないお客様には敬遠されがちです。「イベント情報」だけを送るのではなく、自社ホームページのブログ・コラム・施工事例紹介など「家づくりのヒントになる情報」も配信することで、まだ自社への関心があまり高くないお客様にもメールを読んでいただくきっかけを作り、ファン化・ランクアップを図ることが可能です。
■本文は最小限、ホームページへの誘導を重視
イベント情報・お役立ち情報どちらの場合も、メール内の文章だけで内容を理解いただくことは極めて困難です。メール内では「お客様の関心につながるポイント」のみを記載し、ホームページに誘導するほうが得策です。メールでは紹介しきれない詳細情報をお客様に見ていただけるうえ、そこからホームページを回遊し、自社への理解を深めていただくきっかけにもなります。
■件名に「クリックいただく工夫」を
メールマガジンは、本文以上に「件名」です。お客様が大量に受信しているメールの中から、自社のメールを確実に見つけてくださり、関心を持っていただく必要があるからです。「平屋」「家事ラク」「住宅ローン」などお客様の関心につながるキーワードを件名の冒頭付近に配置するなどの工夫で、メールのクリック率は大きく改善するでしょう。地域密着の会社であれば、地域名もキーワードして有効です。
●関連コラムはこちら
≫ 住宅ビルダー・工務店も利用拡大「WEB広告」で来場予約・カタログ請求を増やすには