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【工務店向け】自社の強みの見つけ方と分析に役に立つフレームワーク5選

【工務店向け】自社の強みの見つけ方と分析に役に立つフレームワーク5選

工務店の集客においては、単に広告宣伝に力を入れるだけでなく、自社ならではの魅力を適切な形で発信することが重要です。そのためには、自社がどのような「強み」を持っているのかを客観的な視点から把握しておく必要があります。

今回は、工務店が強みを確立することの重要性を解説したうえで、分析に役立つフレームワークを5つご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.自社の強みを見つける必要性・メリット
    1. 1.1.マーケティング施策に生かせる
    2. 1.2.売上の向上を図れる
  2. 2.自社の強みを探すためのポイント
    1. 2.1.お客さまの声を聞く
    2. 2.2.競合分析・市場分析を行う
    3. 2.3.社員やスタッフにヒアリング調査をする
  3. 3.分析に役立つフレームワーク5選
    1. 3.1.SWOT分析
    2. 3.2.3C分析
    3. 3.3.4C分析
    4. 3.4.4P分析
    5. 3.5.VRIO分析
  4. 4.分析結果をマーケティング施策に生かすコツ
    1. 4.1.強みと環境とのマッチ度を確認する
    2. 4.2.特徴と強みを分けて考える
    3. 4.3.強みに合ったマーケティング施策を実行する

自社の強みを見つける必要性・メリット

工務店において、自社の強みを発見することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、強みを自覚しておく重要性について、2つの観点から解説します。

マーケティング施策に生かせる

自社の強みを理解するためには、市場の動きやお客さまのニーズを踏まえて客観的な分析を行う必要があります。その過程でお客さまの視点から競合他社との違いが明らかにされるため、自社が積極的にアピールすべきポイントを正確につかみとることが可能です。

アピールポイントを適切に把握できれば、マーケティング施策の有効性が高まり、認知度の拡大やブランドイメージの向上へ効果的につなげられます。

売上の向上を図れる

自社の強みを把握する根本的な目的は、売上の向上です。同じ商品・サービスであっても、市場における個性が明確化されているかどうかによって、お客さまへの訴求力には大きな違いが生まれます。

強みが明らかになっていれば、自社が優位に立てる市場や分野でブランドを確立することができるため、自然と競争力も保たれます。一方、明確な強みを打ち出すことができなければ、価格を下げる方向でしか競争力を保てなくなってしまうでしょう。

このように、自社の強みは価格や売上に直結する要素であると考えられます。

自社の強みを探すためのポイント

一口に「強み」といっても、どの視点から捉えるかによって見方は大きく変わります。自分自身が強みと感じているものでも、他者の視点から見れば弱点として映ったり、反対に弱みと感じている部分に強みが隠されていたりすることもあるでしょう。

つまり、自社の強みを見つけるためには、客観的なアプローチが必要となるのです。ここでは、強みを把握するための代表的な方法を3つご紹介します。

お客さまの声を聞く

自社の評価を把握するうえでは、実際に製品・サービスを利用するお客さまの意見がとても大きな価値を持ちます。お客さまの声を集めて分析を行えば、自社の客観的な強みをあぶり出すことが可能です。

具体的な方法としては、「インタビューやアンケートによるヒアリング」と「レビューや口コミの分析」の2つが挙げられます。インタビューは一人の意見をより深く掘り下げたいときに、アンケートはより多くの意見を効率よく集めたい場合に適した方法です。

また、SNSや口コミサイトでのレビューからでも、有益な情報を集められる場合があります。ただし、SNSや口コミサイトはどうしてもマイナス面の評価が強い影響力を持ちやすいため、情報のくみ取り方には十分に気を配る必要があります。

競合分析・市場分析を行う

工務店は基本的に地域限定的な商圏で営業を行うため、同じエリア内における競合他社との差別化が重要なテーマとなります。自社のサービスにどれだけ優れたポイントがあったとしても、同じ商圏内の競合他社と比べて劣っている場合は、強みとして訴求することはできません。

反対に、全国的に見れば平均的なレベルの特徴であったとしても、商圏内で独自の価値を持っているのであれば十分自社の強みになり得ます。このように、強みはあくまでも相対的なものであるため、競合分析をしっかりと行ったうえで確立していくことが大切です。

また、強みは市場の動きや価値観の変化によっても移り変わっていきます。ニーズやトレンドによって優位に立てるポイントが変わってしまう可能性もあるため、定期的に市場分析を行うことも重要です。

社員やスタッフにヒアリング調査をする

自社の製品・サービスを深く理解しているという点では、従業員に意見を求めるのも有効なアプローチといえます。お客さまとの直接的なやりとりを通じて見えるものも多いため、従業員の意見が新たな発見をもたらすケースも決して少なくありません。

ただし、自由な意見を集めるためには、個々の立場を守るためにもアンケートなどで匿名性を確保するといった配慮が求められます。

分析に役立つフレームワーク5選

強みを分析するうえでは、既存のフレームワークに当てはめて進めていくのが効率的です。ここでは、代表的な5つの分析手法について見ていきましょう。

SWOT分析

SWOT分析とは、自社を「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の4つの要素から評価する手法です。強みと弱みは自社の内部に関する要素であり、機会と脅威は企業を取り巻く外部環境に関する要素です。

各要素に該当するポイントを洗い出すことで、自社が置かれている状況を内外から包括的に捉えられるようになります。

3C分析

3C分析とは、「Company(自社)」「Customers(顧客)」「Competitors(競合他社)」の3つの視点から分析を行う手法です。それぞれの要素に関するデータを細かく分析し、連動させながら検討することで、自社のポジション取りや戦略を最適化しやすくなります。

4C分析

4C分析とは、「顧客価値(Customer Value)」「顧客コスト(Cost)」「利便性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」の4つの要素からマーケティング戦略を練り上げるための分析手法です。4つの要素はすべて顧客目線に立っているのが特徴であり、それぞれ「顧客にとってどのような価値があるのか」「顧客が商品・サービスのコストをどのように感じるのか」「顧客が購入・決済までのプロセスをスムーズに行えているか」「顧客にとって自社はコミュニケーションが図りやすいか」を細かく分析していきます。

4P分析

4P分析とは、「製品・サービス(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販売促進(Promotion)」の4つの頭文字をとった分析手法です。自社が取り扱う製品・サービスについて、「何を」「いくらで」「どのルートで」「どのように」販売するのかを一つずつ明らかにしていき、最適なマーケティング戦略を立てるフレームワークです。

VRIO分析

企業が保有する経営資源について、「Value(価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織化)」の4つの要素から競争優位性を分析していく手法です。価値だけでなく、「希少性」や「真似の難しさ」、「組織で有効に活用できる力」などを分析することで、自社の強みとなるリソースが中長期的な優位性を確立できるものであるかどうかを確かめられます。

分析結果をマーケティング施策に生かすコツ

フレームワークを活用すれば、自社の強みを見つけるのは決して難しくありません。強みを発見したら、次は分析結果をどのように捉え、マーケティングに生かしていくかが重要なテーマとなります。

ここでは、強みをマーケティング施策に活用するためのポイントを見ていきましょう。

強みと環境とのマッチ度を確認する

自社の強みが見つかったら、改めて自社の状況とマッチしているかを確認する必要があります。分析を続けた結果、希望的観測が入り混じり、実際よりも理想に近い要素を強みとして捉えてしまうケースも少なくはありません。

その状態でマーケティングを進めれば、お客さまに異なる確度で訴求してしまうおそれもあるので、現状とのマッチ度を適切に確認することが大切です。また、強みは市場の動きによっても変化するため、マーケティング施策を検討する際には現在の外部環境とマッチングしているかを確かめることも重要です。

特徴と強みを分けて考える

強みをピックアップする際には、自社の「特徴」と混同していないかを確認することが大切です。たとえば、会社にとって業歴の長さは大きな特徴となり得ますが、それだけでお客さまに選んでもらえる強みになるとは限りません。

新しい技術が求められる分野では業歴の長さより、先進的な技術への適応能力やフットワークの軽さのほうが重視されることも多くあります。特徴と強みを切り分けて考えるためには、しっかりと顧客視点に立ち、「お客さまにとってどのようなベネフィットがあるか」を精査することが重要です。

強みに合ったマーケティング施策を実行する

分析結果をマーケティングに生かすためには、強みに合った施策を検討する必要があります。たとえば、若い世代への訴求が重要な場合は、WebやSNS、動画配信サービスを用いたマーケティングに力を入れ、認知度の向上を目指すのも有効です。

また、地域に根差した認知度の向上であれば、集客イベントや地域団体との協力といった方法も考えられます。どのような強みを打ち出すかによって、適したマーケティング手法も異なるので、幅広い可能性を柔軟に検討してみましょう。


●記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:工務店が自社の強みを見つけるためのポイントは?
A:
まずはお客さまの声を集めるために、アンケートやインタビュー、レビューの分析に取り組みましょう。そのうえで市場や競合の分析を行い、自社の客観的な立ち位置を確かめることが大切です。また、自社の製品・サービスを深く知る従業員へのヒアリングも有益です。

Q:強みを見つける分析手法にはどんなものがある?
A:
代表的なものとしては、「SWOT分析」や「3C分析」「4C分析」「4P分析」などが挙げられます。また、自社が持つ強みの価値を見極めるには、「VRIO分析」によって希少性や模倣可能性なども含めた分析を行うことも大切です。

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工務店・ビルダー、新築一戸建て販売会社様を支援すべく、住宅営業のノウハウや人材採用、住宅トレンドなど、様々なジャンルの情報を発信してまいります。

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